長谷川式スケールの評価方法

重成さんへの回答
「長谷川式スケール」についてのご質問ですが、長谷川和夫博士(精神科)によって作られた長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)が正式名称です。1974年に最初に作成され、質問自体が時代に合わなくなり「終戦の年はいつ」などの設問を含め1991年に現在使用されている設問に改訂されました。30点満点で20点以下を認知症の疑いが濃厚、11~19点で中等度認知症、10点以下で高度と判定します。
なお認知症に至らない軽度認知障害(MCI)は21~28点で5年間で約50%の人が本格的な認知症に移行すると言われています。
厚生労働省は、認知症とその予備軍とされるMCI人口は862万人存在すると発表しています。驚くべきことにこれは65歳以上の4人に1人の割合です。つぎにMCIの定義を紹介します。
MCI5つの定義
1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
2.日常生活動作は正常
3.全般的認知機能は正常
4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する
5.認知症ではない

更に長谷川式スケール(HDS-R)の診察態度の解説を加えます。
(1) 診察に協力的ではない場合はピック病を考えます。
(2) 自発性がなくボーとしている場合はレビー小体型認知症を疑います。
(3) 記憶障害の言い訳、日付けが答えられない時に「今日は新聞を見ていない」と、言った発言がある場合はアルツハイマー型認知症を考えます。
(4) 依存性: 自分が考える前に家族等に答えの代弁を求める場合はアルツハイマー型認知症を疑います。
(5) 回答のスピード: 答えに時間がかかり思考緩慢がある場合は脳血管性認知症、パーキンソン病、レビー小体型認知症などを考えます。
最後に認知レベルによって検査が変るかとのご質問ですが、画像診断としてはMRI、機能画像としてのSPECT/PETその他いくつもの検査はありますがレベルによって検査の内容が変わると言う事ではなく、より診断を確定的にする手段に過ぎません。長谷川スケールだけでも認知症専門医が診断すれば、それなりの適切な診断結果は得られます。一方大病院などで、どの様に高度な医療機器を使って検査をしても、臨床経験の少ない医師のもとでは適切な診断結果は得られません。現在のところPETなどの高度な医療機器と言えども実際の臨床診断とは必ずしも一致しないからです。


はじめまして。いつも先生のブログを拝見させていただいています。私には78歳の父がいます。先日父が、かかりつけのお医者さんで「長谷川式スケール」という検査をやったそうです。認知症の検査ということはネットで調べて分かったのですが、認知レベル(軽度、中等度、重度)によって検査の種類も変わってくるものなのでしょうか?また父に実施された長谷川式スケールはどの程度の認知レベルを診断する検査になるのでしょうか?