みどりさんへの回答

82才のご主人で7年前から物忘れが始まり出し、少しづつ暴言、幻覚、錯覚が多くなって来たとのお話ですが、認知症状としてはピック病もしくは晩期男性更年期障害の合併などが考えられます。性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)の減少と認知症の因果関係は、少しづつ論文にも出て来ています。女性の場合は更年期と云う分かり易い現象が一般的に理解されていますが、男性においても当然加齢と共に男性ホルモンは減少して行きます。ただ女性と比べ、その減少速度が遅いので分かりにくいのです。特に貴女が最も嫌がっている性的欲求は、この男性ホルモンの減少による焦りから由来していると思われます。私も幾人かは経験していますが同業者(医師)の認知症治療はそれ以外の患者さんと比べ困難を極めます。当然の如く診察そのものを拒否する事が多いのです。ご主人の信頼出来る医師から説得して頂くしかないわけですが、それさえも難しいかもしれません。貴女が出来る介護の基本はベッドパートナとしの役割を果たす事ですが、これにより認知症状はかなり改善する可能性もあるのですが、貴女が生理的に受入れられないとするなら、信頼出来るドクターに向精神薬を投与して頂くしかないでしょう。男性はどの様な学歴を持っていたとしとも常に精神的には幼稚なのです。
この話を戻しますが、ご主人の最大治療薬は奥様の愛情です。性的行為そのものが必要ではなく、奥様の温かい性的スキンシップでしょうか。もし可能なら、全裸でご主人様を抱きしめて上げて下さい、きっと良くなると思いますよ。年老いた暴言の夫を捨てたら貴女の負けですよ。スキンシップは認知症の最大治療薬です。
医学的には男性ホルモンの週1回の筋肉注射が、ご主人の様な認知症には効果的である場合もあります。一般的には向精神薬を使用する例が圧倒的です。少量の向精神薬を使用しながら脳トレーニングや定期的な散歩が治療の根幹ですが、それらは当然の如く認知症専門医と相談しての事です。
どうしても医者に行かないと言うのであれば、最終的には二つの選択肢しかありません。第一番目は貴女がご主人を抱きしめて上げる事(性的欲求よりは幼児化した82才の男性のスキンシップ)です。ご主人とのスキンシップがどうしても嫌だと貴女が言うのであれば、後は別居するか、離婚するしかないでしょう。
「ご質問」
82歳になる夫のことです。約7年前頃から、物忘れの様子がおかしいと感じていました。少しずつ、認知症の症状と言われるような行動が見られるようになり、時には暴力を振るったり、言葉の暴力も頻繁になりました。ただ、いつもではなく、まさにまだらに現れ、時間帯や、天気、疲れ、環境の変化等によって、その差が激しく、他人に対しては理性的に振る舞います。職業柄にもよると思います。医学部で基礎医学の研究者でした。そのため、医者には絶対かかろうとしません。現在の夫の症状としては、数分前の事を忘れて、何度も同じ事を聞く、亡くなった両親が、生きていると錯覚する、私達夫婦の関係がわからなくなり、籍をいれなくてはと言う。東京に引っ越して、仕事をしなければと頻繁に言う、作り話を平気でする、など数えきれないほどです。一番私が嫌に思っていることは、性的なことを求めたり、同じ布団で寝ようとすることで、それを嫌がると、夜中ずっと理屈をこね、寝かせてくれず、罵倒したり家を出ていけ等、厭味を言います。でも、次の日には、すっかり忘れてしまっているのです。
これから家で介護をして行く際に、こういった症状の夫にどういう態度で接して行くのが良いのか、お教えいただけたらと、思います。
病院へは、今後なんらかの病気が出ない限り、行かないと思います。
また、このような症状はどんなタイプの認知症と思われますか?