介護初心者の方への回答(3)

先ずは皮膚科で出されたミノマイシン(抗生剤 : 2週間ぐらいの長期服用が可能)、アレロック(第ニ世代のアレルギー薬)ともに認知症への影響は考えにくい薬剤です。
さらに睡眠障害の治療薬としてのリボトリール0.5mgの1/2服用は全く問題がありません。1/2ではなく1~2錠までは増量が可能です。何故なら(DLB)レビー小体型認知症の睡眠障害には、脳波異常が潜在している事が多いからです。この脳波異常にはリボトリールが最も有効です。
ロゼレム(メラトニン作動薬 : 脳内の松果体に働きかけてメラトニンを出させる)も有効的で、他の睡眠薬の様に認知症を悪化させる心配はありません。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、新生児には多量に産生されています。加齢と共にメラトニンの産生量は減少して行きます。特に認知症の方では極度に減少しているとの報告もあります。ただ日本ではメラトニンが手に入りにくく、恐らく製薬会社の巨大資本がロゼレムの売り上げを下げない為にメラトニンの直接入手を困難にしていると云う噂もあります。
以上です。
【ご質問】
成川様
再度ご回答いただきあらためて感謝申し上げます。
少し安心いたしました。
皮膚科で処方されたのはミノマイシンとアレロックです。
薬剤師の方からあなたの心配しているような情報はお医者様もご存じだから
薬を減らして病気が治らなければ意味がありませんよと諭されました。
私が必要以上にナーバスになっているのかもしれません。
アリセプトについては、まだ20日以内ですが、現況は副作用というより
レビー小体型認知症が本格的(?)に発症しているということなのでしょうか。
睡眠中の体を掻き毟る睡眠障害の治療薬としてリボトリール0.5mg錠を半分にして処方されました。最小限の量を処方していただいたと思っています。
但し、帰宅してネットで情報を見ると高齢者には認知機能の低下や筋弛緩作用との情報もあり、別の薬(ロゼレムなど)を検討との記述もありました。
これまたナーバスになってもいけないのでしょうが、かなり気になる点です。同じ過ちは繰り返したくなく、万一危険とお考えでしたらご意見いただけると幸甚に存じます。
患者としてお会いしていないにもかかわらず、貴重なお時間を割いてご教示いただき重ねて御礼申し上げます。

介護初心者の方への回答(再)

現在一般に使用されています花粉症、または抗アレルギー薬は第ニ世代の薬剤で神経作用や胎児の催奇形は極度に抑えられれいますので、認知症に及ぼす影響も著しく軽減されています。
まれに高齢の医師が、第一世代の薬剤を使用して、強い眠気に襲われたりする例を見た事はありますが、この一二年の間では第一世代の薬剤を使用している皮膚科の医師は殆んど居なくなっています。
その意味ではレビー小体型認知症でも、花粉症の薬剤使用は問題がなくなっています。
また、通常アリセプトの薬理作用は7~10日程度とご説明しましたが、最悪の場合(強い腎障害があるとか)でも20日以上もアリセプトの影響が出ると云う事は考えにくいです。少なくても10数年以上のの私の拙い臨床経験では記憶にありません。
以上です。
【ご質問】
成川様
昨日は、さっそく丁重なご回答をいただき、御礼申し上げます。
本日母を皮膚科に連れていくことができ、
血液検査結果待ちの状態です。
軟膏および感染症対策とかゆみ抑制の錠剤が各々処方されました。
昨日の先生のお話しでは、レビーならば花粉症の薬でも過敏に反応とのことでしたが、今回処方された薬でも何等かの覚悟が必要なのでしょうか?
さりとて真っ赤に腫れ上がる手を黙って見ているわけにもいかず、悩ましい限りです。
薬品の添付文書情報では、高齢者への投与には慎重にと書かれていますが、
担当医いわく高齢者にも使用実績があるのでもし問題があれば直ぐ報告するようにとのことでした。
おそるおそる使うしかないのかなと思っています。
もう一点うかがいたいことは、アリセプトの薬理作用は7~10日程度とのことでしたが、
その期間が過ぎて発生した状況は、アリセプトが原因と考えにくいということでしょうか?
人によって期間が長引くということも考えられるのでしょうか?
あるいは中止したことでかえって進行したような状況になるのでしょうか?
先生のご親切に甘え、再度質問致しました。
お時間がある時にコメントいただければありがたく存じます。
ありがとうございました。

介護初心者の方への回答

先ずはアリセプトは至急に止めて下さい。アリセプト程の副作用ではないがレミニールも論外です。至急に止めて下さい。7~10日程で薬理作用は切れますから、元の状態に戻れます。基本的にアルツハイマー型認知症ではないのです、お母様は…
未だに日本中で大小の医療機関で、この様な誤診が多数認められます。とても悲しく思います。では、お母様の病気は何かと言うと恐らくレビー小体型認知症DLBかと思われます。このDLBの最大特徴は薬剤過敏症状です。ちょっとした花粉症の薬でも数日間は寝込んでしまいます。アリセプトの使用量も3mgが限界です。私は最初からアリセプトやレミニールなどの薬は出しませんが…さらにDLBの特徴としては幻覚、幻視そしてREM睡眠行動障害、自律神経失調症などが挙げられます。
アリセプトやレミニールの使用でDLBは確実に悪化します。本来的には医療訴訟になるケースですが、裁判で患者側が勝訴する可能性はゼロです。何故なら日本中の医者が同じ様な間違いを犯し続けているからです。現状でアルツハイマー型認知症は全認知症の10%前後と考えられます。
50%近くがDLBです。
日本認知症学会も、やっとDLBの発症が思った以上に多いとの認識を持ち始めました。一歩、厚労省に至っては未だアルツハイマー型認知が50%ぐらいの発生頻度であろうと言っていますので、多くの医者が安易にアリセプトを使う傾向が打破出来ないのです。認知症の基本治療は規則正しい生活と、脳トレー二ングなのです。薬物療法は補助的に使用するだけです。そしてご家族の発言ミスが認知症を確実に悪化させると云う現実です。認知症患者さんには出来る限り、褒め上げ人間性を尊重しなければいけません。行動や間違いを訂正してはいけないのです。
間違いが発生した時には、
「あれ、そうかな?」
ぐらいに留めなければいけません。頭から叱りつける事などは論外です。
個々の困った問題にはカウンセリングを通して、ご家族と話し合いながら解決して行く様にすべきだと考えています。取りあえず「脳トレー二ング」のサンプル例を付記します。
【脳トレーニング】
初級コース(記憶力のアップ)
2文字の単語を10個並べる。
くり、いす、はな、かき、なし
さる、とり、うみ、とら、うで
以上を2分間、音読で暗記する
そして次の2分間で書いてみる
8個以上暗記出来たら次に行く
初級中級コース
2文字と3文字の混合
すずめ、くま、かもめ、りす、さくら、かみ、とけい、ほん、さとう、ねこ
同じ様に2分間の音読で暗記
次の2分間で書いてみる
8個以上暗記出来たら次に行く
中級コース
3文字の単語を10個並べる
かめら、みみず、みかん、
いちご、つみき、からす、
ばなな、さくら、うちわ、
とんぼ
 
 中級上級コース
3文字の単語と4文字の混合
うちわ、すずむし、すいか、
よこはま、まくら、にんじん、ばなな、たけのこ、こりす、
しまうま、
上級コース
4文字の単語を10個並べる
まつたけ、やまいも、
かきのき、しんぞう、
ほんばこ、すいしゃ、
のこぎり、だいこん、
あおぞら、さざんか
 
初級コース(計算力のアップ)
12問を1分以内での練習
3+5=、8+9=、7+6=、4+8=
12+6=、17+9=、25+8=
7+13=、42+5=、8+16=
19+5=、6+23=
初級中級コース
12問を1分以内での練習
39+17=、21+18=、45+18=
52+14=、34+13=、61+42=
76+21=、46+17=、19+15=
43+18=、13+42=、56+37=
中級コース
12問を100秒以内での練習
57-6=、23-8=、45-7=
42+26=、36-9=、38+45=
65-11=、48+15=、37+61=
84-13=、72+13=、69-21=
中級上級コース
12問を100秒以内での練習
13×3=、16×4=、18×3=
21×2=、17×3=、22×4=
31×3=、15×4=、12×5=
8×11=、19×2=、23×3=
上級コース
12問を100秒以内での練習
33÷3=、21÷7=、45÷9=
44÷4=、63÷9=、18÷9=
55÷11=、81÷9=、15÷5=
72÷8=、48÷4=、66÷3=
以上ですが、アリセプトの使用は止めて下さい。その他のイクセロンパッチなどのアリセプトに類似した薬剤は使用しないで下さい。
【ご質問】
成川様
初めて投稿いたします。
要領を得ない長文で失礼になるかもしれませんが、ご多忙のなか、お時間いただければありがたく存じます。
最近、80後半の母親を認知症専門医に受診させましたが、アリセプト投与後、診察前の状態より悪化し、何とか解決できないかとネットを彷徨っていたところ、こちらのブログに辿り着きました。
一昨晩からのっぴきならない状況になり週末ということもあり、藁をも縋る思いで投稿致します。
MCIテストおよびMRI画像診断にてアルツハイマー病との前提で、アリセプト3mgを2週間、5mgを2週間処方されました。
投与後数日で、就寝中にけいれんのような動作および大声で叫ぶ状態が発生し、体をかきむしるようになりました。
投与を自主的に中断、担当医に相談しましたが、副作用は考えにくいとの診断で再開いたしました。
しかし数日で同様以上(例えば着ているものを脱ぎ全裸になる)の状態が発生しましたので、再度相談したところ
レミニール4mg×2錠/日に変更されました。
但し、後述する血小板減少の懸念から、レミニールに変更しても悪化するおそれがありやしないかと疑心暗鬼になり
皮膚科の診断をまってから服用しようとまだ服用を開始いたしておりません。
(このように勝手に服用を中断していると医者のことを信用しない疑り深い人間のように思われるでしょうが、結構衝撃的に変貌した母を見て、慎重にならざるを得ない心情をご理解いただければと思います)
一昨日になり昼寝時及び就寝時に丁度1時間過ぎた頃から体のいたるところを掻き毟るようになり、
その度合いが尋常ならざる様子となりました。
ひどい時には数分間同じところを爪を立てて掻き毟るため、上腕や手首などは全体が真っ赤に腫れ上がり擦過傷ができました。
無理やり掻こうとする手を止めようとすると、
これまた日常では考えられないような強い力で
振りほどこうとし、挙句は叩くといった暴力的な行動となる始末です。
もはや止めるすべがない状態で、見た目にも痛々しく何ともかわいそうでなりません。
昨晩も同様な状態です。
また、掻き毟りとは別に、左右の二の腕と首筋に湿疹が発生しました。
アリセプトの副作用情報に血小板の減少という記述があり、もしやそれが原因で発疹したのではと疑念が生じ週明けに皮膚科に伺い、擦過傷の緊急的な処置とともにその点に関しても血液検査をお願いして調べていただけないかと考えております。
それ以外にも、ここ数日やたら鼻水や流涎も気になります。
母の状態は、素人判断ではレム睡眠障害にあたるのではないか、
また先生の分類ではレビー・ピックコンプレックスにも該当するのではないかという気がしております。
この点は認知症担当医に投げかけてみなければならないと思っています。
仮にアリセプトによる副作用で今回の状況が発生した場合、
中止から相応の時間がたてばこのような睡眠障害がおさまる可能性はあるのでしょうか?
それとも、もはや引き返せない状況になってしまったと覚悟をきめなければならないでしょうか?
引き返せない場合、やはり適合する薬に巡り合うまで色々投薬するしかないのでしょうか?
アリセプトを服用するまでは、高血圧以外はこれといった病気もなく日常生活を介助が必要なだけで平穏に送れていたのが急激に困難な状況に変わってしまったため、よかれと思って診断させたとはいえ、自らを責める日々です。
何かご教示いただけると幸甚です。

一成さんへの回答

77才のお母さまは78才になられたのでしょうか?
一成さんの直向きな努力で、ともかく認知度は悪化せず、軽快しているとの報告を受け喜ばしく思っています。
「ネットなどで調べていると急変する事が多いと知り毎日不安で不安で…」
とありますが、何が根拠でその様な記載がネットに載っていたのかが分かりません。
急変する状況には、必ず何か隠れた基礎疾患が潜在している事が多いのです。全身血管の動脈硬化度、現時点における心肺機能の低下、隠れた睡眠時無呼吸症候群、高齢化に伴う脳波異常、受動喫煙その他、成人病の数々などです。それらを総合的にチェックして行くと、その方の平均余命とか、突然死する危険性が有るのか無いのかも分かるのですが、なかなか総合的に判断出来る医師はいません。大病院である程、細かい専門分野に分かれていて総合的な判断を出来ない医師が殆んどです。専門医制度と云うものが、逆に総合医の育成を阻んでいるのかもしれません。
私が新米の医者であった時代は、内科医であっても、外科、麻酔科、小児科、皮膚科などの知識をある程度は持っている医者はそれなりにいましたが、昨今は余りに専門医が細分化され神経内科医は消化器の事は何も分からないなどの弊害が数多く見られます。テレビで見られる「ドクターG」なども多分にやらせの部分が感じられます。それでも大学を中心として総合内科医を育成しようとの芽生えは出ていますが…まだ現実の臨床医は多くありません。
話しは横道に逸れましたが具体的には、お母さまの場合は如何なる原因で急変する危険性があると言うのでしょうか?
確かに医学部に解明されていない急変病状もありますが、多くの場合は何らかの予兆が見られるものです。多くの場合は医者の見落とし、さらに意外と知られていないのが潜在性の癌です。特に女性では子宮癌、卵巣癌などが原因で急変する場合があります。
さらに短期記憶ですが、これも「脳トレーニング」でかなり改善する例を私の外来では数多く見られています。既にご承知かもしれませんが、私が使用している「脳トレーニング」のサンプルを添付します。ポイントは焦らず、常に肯定的に実施する事です。間違いを露骨に否定するのは厳禁です。
【脳トレーニング】
初級コース(記憶力のアップ)
2文字の単語を10個並べる。
くり、いす、はな、かき、なし
さる、とり、うみ、とら、うで
以上を2分間、音読で暗記する
そして次の2分間で書いてみる
8個以上暗記出来たら次に行く
初級中級コース
2文字と3文字の混合
すずめ、くま、かもめ、りす、
さくら、かみ、とけい、ほん、
さとう、ねこ
同じ様に2分間の音読で暗記
次の2分間で書いてみる
8個以上暗記出来たら次に行く
中級コース
3文字の単語を10個並べる
かめら、みみず、みかん、
いちご、つみき、からす、
ばなな、さくら、うちわ、
とんぼ
中級上級コース
3文字の単語と4文字の混合
うちわ、すずむし、すいか、
よこはま、まくら、にんじん、
ばなな、たけのこ、こりす、
しまうま、
上級コース
4文字の単語を10個並べる
まつたけ、やまいも、
かきのき、しんぞう、
ほんばこ、すいしゃ、
のこぎり、だいこん、
あおぞら、さざんか
初級コース(計算力のアップ)
12問を1分以内での練習
3+5=、8+9=、7+6=、4+8=
12+6=、17+9=、25+8=
7+13=、42+5=、8+16=
19+5=、6+23=
初級中級コース
12問を1分以内での練習
39+17=、21+18=、45+18=
52+14=、34+13=、61+42=
76+21=、46+17=、19+15=
43+18=、13+42=、56+37=
中級コース
12問を100秒以内での練習
57-6=、23-8=、45-7=
42+26=、36-9=、38+45=
65-11=、48+15=、37+61=
84-13=、72+13=、69-21=
中級上級コース
12問を100秒以内での練習
13×3=、16×4=、18×3=
21×2=、17×3=、22×4=
31×3=、15×4=、12×5=
8×11=、19×2=、23×3=
上級コース
12問を100秒以内での練習
33÷3=、21÷7=、45÷9=
44÷4=、63÷9=、18÷9=
55÷11=、81÷9=、15÷5=
72÷8=、48÷4=、66÷3=
以上です。何らかのお役に立てれば幸いです。
【ご質問】
成川様 お世話になっております。 3度目の質問になってしまいますがよろしくお願い致します。
1月に認知症と診断され8ヶ月になります。現在も病院には行かずサプリメントと散歩や適度な脳トレと月1のMMSEや長谷川式テストをしています。脱水だけは心配なので水分補給はこまめにさせるようにしました。
MMSEは病院での数値は21点でしたが自宅で毎月している数値は26~28点で変わりありません。 長谷川式はバラつきがあり23~27の間が多いです。 海馬萎縮の影響で短期の記憶が失われてるのかなぁと思う事がよくあります。 ピーナッツの皮が認知症にも効果があるかも知れないと知り食べさせるようにしました。
アルツハイマー認知症の診断は間違っていないと思いますが、指示通りにアリセプトを服用していた方が良かったのか、服用させないで良かったのか考えてしまう事があります。 成川様に海馬萎縮していても認知症の症状が出ない人も居るとお聞きした事を励みに現在まで頑張っています。
ネットなどで調べていると急変する事が多いと知り毎日不安で不安で………… 
短期記憶以外は正常で炊事洗濯などもできています。 なるべくストレスはかけないように心がけています。 今後どのような接し方をして行けば良いでしょうか。
お忙しい所すみません。
 

金澤さんへの回答

ご返事が遅れて申し訳ありません。どの程度の事が出来るかは疑問ですが、人口呼吸器を含め嚥下のリハビリも当院では可能です。
ただ実際の患者さんを診ておりませんので、回復能力の可能性は自信を持ってお答えしかねます。ただ、どの様な病状であっても当院では患者さんの受け入れを拒否しません。現代医学で出来る事は精一杯やります。
「回復の見込みがない患者に医療行為を続けるのは薄利多売だから
療養病棟に移ってほしい」と言われたとの事ですが、
同じ医師として余りに寂びしい言葉だと思います。同業者として心からお詫び申し上げます。
当院はケアミックスの病院で一般病棟と療養病棟があります。たしかに一般病棟で長期入院(18~21日)となると病院側は赤字経営になってしまうと云うのは事実です。ですから当院では長期入院となった場合は療養病棟に移ってもらいます。しかし、療養病棟に移っても当院の特徴は絶対に医療の質を落とさない事です。人口呼吸器はもちろん、嚥下訓練などにも一切手を抜く事はありません。それで病院は赤字にならないのか?
当然の疑問が出て来ますが…
一般病棟ですと一割負担で一ヶ月15万円前後(オムツ代を含め)、療養病棟ですと22~24万円前後の自己負担となり、何とか赤字を防いでいます。しかし、一口に22~24万円前後の負担と言っても一般家庭では年単位となると、大変な負担額となり大変です。この負担額を少しでも緩和する為に数ヶ月以上の入院が続く患者さんには「身体障害者手帳」の申請を行います。この申請には医師と云う以外に別の資格も必要ですが、当院では私がその資格を持っています。この申請が通ると95%以上は適応となりますので、ご安心下さい。医療費の一割負担部分が免除となり、上記の金額から4~5万円が軽減されます。更にオムツ代の控除申請などもあり、これを利用すると更に負担額は低くなります。この様に出来る限り患者さんへの自己負担額を軽減しながら良質の医療を提供して行きたいと病院長の私は考えております。この様な種々の公的援助を受けながらも真に良質の医療を追求して行くと、一人の患者さんで一ヶ月に50万円前後の赤字が発生してしまう事も時にはあります。それでも私は医療の質を落とす事は絶対に許しません。他に働いている医者の多くにも、医療の本質を忘れたら病院ではないと強く戒めています。入院に関するご質問は私が直接に承った方が早いかもしれません。病院長の成川は月曜であれば、午後2時から4時まで火曜も同時刻、木曜であれば午前10時から12時、金曜であれば午後2時から4時までが最もご相談に応じ易い時間帯です。後は外来勤務であるとか種々の会議で時間が取れません。ブログで質問をした金澤と言って頂くと助かります。
【ご質問】
初めまして。鎌倉在住の金澤と申します。
78歳の父が誤嚥性肺炎で茨城県の病院に入院しています。
ただ今、転院させられる病院を探しています。
パーキンソンの持病があるものの、入院までは普通食を食べ、通所リハビリに通い
自力で生活していましたが
7月9日に肺炎を起こし入院しました。
その後、回復して退院に向けたリハビリ病棟に移る予定の8月9日に誤嚥性肺炎をおこし
鼻から入れる人工呼吸器をつけ
食事は点滴だけになりました。
しかし、5日後辺りから自宅に戻る事を目標に、足や腕を上げ下げする自主リハビリをしたり、落語や音楽を聴いたり、見舞い客と笑顔で筆談したりしています。
ですが先日、主治医から
「回復の見込みがない患者に医療行為を続けるのは薄利多売だから
療養病棟に移ってほしい」と言われました。
リハビリをする予定もなく、食事を食べさせる予定もありません。
ミイラのように痩せ細った父の今の希望は「一日も早く口から食べたい」です。
そちらの病院で呼吸や嚥下のリハビリをさせて頂けないでしょうか?
茨城には人工呼吸器を受け容れてくれる病院が少なく、あっても嚥下のリハビリがありません。
どうぞ宜しくお願いします。

大阪娘さんへの新たな回答

今回のご質問は私のブログ上に載っている「連載認知症小説『霜月の夕暮れ』全100話をお読み頂くと、その小説の中に貴女の回答の殆んどが書かれています。
先ず、認知症の介護とはどの様なものであるかを、その小説を通じてお考え頂ければ幸いです。
その上でのご質問をお待ちしています。
【ご質問】
成川先生
わたしの身勝手なお願いに、毎回、真心を寄せてくださる先生に、どのように感謝申し上げても、し足りません。
先生、心から、心から、ありがとうございます。
厚かましさを承知の上で、さらにご指導いただけますなら、幸いに存じます。
以下の点に関して、先生の御見解をいただけますなら、ありがたく思います。
①今後の母の診察には、本人の受診が不可欠でしょうか。母が拒否した場合には、どうしたらよろしいでしょうか。
②現在、母はデイケアに週1回参加しておりますが、週何回がベストとお考えでしょうか。
③アルツハイマーは、他の認知症よりも難治性がある、と考えたほうがよいでしょうか。
④母の余命を考慮して、介護をしてゆくことが大切かと思えてきました。これは、決してネガティブな意味ではなく、これからの母の人生とわたしの人生をポジティブに捉えてゆくためです。先生にお話しさせていただいた情報のみでは、甚だ不充分とは思いますが、一般論として、先生は母の余命をあと何年くらいと、推察なされますか。
先生のお手透きの折り、ご指導いただけますなら、身に余る光栄でございます。

大阪娘さんへの回答(再々)

そもそも認知症とは何なのですか?…先ずは基本から考えて行きましょう。一般的な分類で言うなら【脳血管性の認知症】
       脳出血、脳梗塞、頭部外傷
【神経細胞変性による認知症】
     変性と云う意味は、顔で言うならばシミ、ソバカス、ホクロ、化粧品による慢性的な皮膚の変化、それ以外にも紫外線による皮膚の炎症なども考えられます。
     これと同じ変化が脳神経細胞に生じた現象を神経細胞変性疾患と言うのです。妙に難しく聞こえますが、頭の中に出来たシミ、ソバカスだと思えば良いのです。
     これらのシミ、ソバカスの出来た場所で、アルツハイマー型認知症とか、レビー小体型認知症とか言われているのです。
     さて、問題はここからです。年齢とともにシミやソバカスは顔のあちらこちらに出来る可能性が強く出ます。それと同じ事が脳神経細胞にも起こりえます。
     それなると単純なアルツハイマー型認知症とか、レビー小体型認知症、ピック病さらに動脈硬化性の認知症など存在しにくいのです。多くの認知症は複雑に混じり合っている事が多いのです。
     この複雑な認知症と云う学問を研究すればする程、認知症専門医は毎日が苦悶の日々なのです。
     不勉強で医学雑誌の一部だけを読んでいる医者だけが、平気でアルツハイマー型認知症だから、この薬を飲んでいれば良いなどと単純に言い切れるのです。何百と云う認知症患者さんと接していると、個々の患者さんにどの様な治療法が適切なのか迷いの中で苦悶しているのが、現在の私の憐れな姿です。それでも時に、私自身のアイディアで認知機能が向上した時などは無上の幸福を感じる事まあります。レビー小体型認知症の患者さんが全く口を開けくれず脱水症で幾日も点滴を続けていて胃瘻にでもするしかないと思われた患者さんが、私の試行錯誤の処方(点滴内容: 誰も考え付かなかった薬)で、摂食機能がどんどん良くなり、しっかりとご自身の口でお食事を召し上がり元気な姿で退院する姿を見る時などは目頭が熱くなります。
話がかなり脱線している様です。本筋に戻ります。
「MCIとアルツハイマーに境界はない。アルツハイマーであることは、結果的に、完治するMCIではなかったことを意味する」
先ず、この項目に疑問を感じます。ご存知とは思いますが
MCIの定義は通常「軽度認知障害」と解釈されており長谷川スケールでは21点以上とされております。さらにMCIを放置すると、認知機能の低下が続き、5年間で約50%の人は本格的な認知症へ進行すると言われています。
ここで必要なのが生活療法と脳トレーニングさらに生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症、慢性飲酒や喫煙『受動喫煙も含みます』抗精神病薬の服用)の改善です。
ここで、考えるべきはお母様のHDSーRが13点であると云う事ですから少なくてもMCIの定義には当てはまらないと云う事です。
しかし、このドクターの重大な判断ミスはアルツハイマーとMCIに境界はないと言っている事です。境界はあるのです。MCIでは可逆的で認知機能の改善する余地が大きいと云う事です。
一方HDSーRが13点であると云う事は認知機能の改善にかなりの努力が必要になって来るのです。だからと言って、認知機能の改善が不可能だとは言っておりません。ただMCIの患者さんよりは大きな努力が要すると言っているのです。
ただし、アルツハイマーであるかどうかは別の問題です。
さらに
「リバスタッチは、必ず使うように。エビデンスはある」
と言う発言も根拠がありません。
このドクターを何を見てエビデンスがあるなどと言っているのでしょうか?
製薬会社の誇大広告の文献なのでしょうか?
あるいは一部学会の部分的な論文なのでしょうか?
「リバスタッチ」の効果に疑問を投げかけている学者も多いというのに…
また「施設に入所させたほうがよい。お母さんが嫌がっても、お母さんに合う施設があるから」
と云う説明にも疑問が残ります。
私は、これまで10数ヶ所の施設で認知症の講演を行っていますが、かなり問題の多い施設を目にする事が多く、安易な施設入所は反対です。
以上の理由から主治医は変えるべきでしょう。
【ご質問】
成川先生
先生の親身のご指導に、熱い涙が溢れます。先生、本当に、本当に、ありがとうございます。
たいへん恐縮ではございますが、先生のご誠意に甘えさせていただき、もう少々、ご指導いただけますなら、幸いに存じます。
母を主治医の診察に連れていきました。
問診の後、母を退席させて、主治医に、母の容態を訊ねたところ以下の指摘をされました。
①母のアルツハイマーは中等度の後期にある。発症して5年は経っている。
②MCIとアルツハイマーに境界はない。アルツハイマーであることは、結果的に、完治するMCIではなかったことを意味する。
③今後、服薬をしても、確実にアルツハイマーは亢進する。薬はそのうち効かなくなる。
④施設に入所させたほうがよい。お母さんが嫌がっても、お母さんに合う施設があるから。施設に入れば、あなたも(わたし)楽になる。
⑤リバスタッチは、必ず使うように。エビデンスはある。少しでも使わないと、悪化する。
以上の指摘がありました。
率直に言いますと、主治医の指摘に、わたしは不信感を持ちました。
主治医をかえたい、と思いました。
ただ、主治医のいる病院は地元の中核病院ですので、今後を考えると、主治医をかえることは、母にとって不利益になるのではないか、と考えてしまいます。
成川先生に、主治医の指摘に関するご意見と、主治医変更に対するご指導をいただけますなら、たいへん光栄です。
身勝手なお願いばかりしてしまい、誠に申し訳ございません。