青田さんへの回答

先ず8ヶ月間にわたる長期入院とは、どうした事情なのでしょうか?これだけの入院期間ですと、80歳以上の人なら相当の確率で認知症になってしまいますが…。次に長谷川スケールの点数の推移(改善傾向)が分かりかねます。病院でのリハビリや脳トレ(音楽療法や本など)で効果が上がったと云う事でしょうか。それならば以前に青田さんが質問なさった「脳トレって効果があるのですか?」と云う実証を、お父様が見事になさったと云う話ですね。病院の中にいてさえ、それ程の効果が見られていらっしゃるなら、ご自宅に戻って更なる脳トレを行えば認知機能の改善は大いに期待できるのではないでしょうか!
何を青田さんは迷っていらっしゃるのですか?
その多くは以前にご説明した通りです。
【ご質問】
成川先生、質問させて下さいませ。
以前にも質問しましたが
86歳の父親ですが、現在、8か月間の長期入院中ですが、
今日、リハビリ病院に行くと
頭がぼっとすると言っていました。
後2週間で退院ですが、
長谷川式テストは
3ヵ月前は15点、
2ヶ月前は18点
今日は、24点でした。(たまに話が、繋がらない時がある。)
成川先生に言われた通り、認知症にならないように
① 音楽療法。(ウォークマン)
② 本。
③ 将棋
をするように誘導しています。
特に最近、見舞いに行く度に病室から、談話室に連れて行くと、とにかく、父親は将棋をしたがり、1時間~2時間将棋をしたがります。
私も、仕事があるので、毎日、行きませんが、
1日、行かないとやはり、ぼっとした時があり、
病室から出して、談話室に行くと元に戻ります。
ケアマネージャー、理学療法士、医師は、自宅に戻ると元に戻ると思いますが、戻らない場合もあると言います。
よく、認知症は治らないと言いますが
このまま、将棋、音楽、読書は、続けさせるとしないよりも、効果はあるのでしょうか。
やはり、リハビリがあるとはいえ、長期的に病室にいること自体、脳には良くないですね。
以前の質問と重複しているかもしれませんが、
長谷川式テストの最新、結果が出たので新たに質問させて頂きました。

小林健治さんへの回答

S-アリルシステインは脳細胞を保護し、神経突起の成長を促すという結果が様々な実験から報告されています。具体的には、S-アリルシステインはアミロイドβタンパク質の減少を促す。
S-アリルシステインはタウタンパク質の暴走と蓄積を防ぐ。
脳内には海馬という記憶をつかさどる部分があり、S-アリルシステインはこの海馬の神経細胞の再生を促す。
脳にはミクログリアという免疫細胞があり、これが暴走すると神経細胞を傷つけるが、S-アリルシステインはミクログリアの暴走を抑える。
S-アリルシステインのもつ抗酸化作用が血流を維持し、これにより脳細胞が健康に保たれる。
との、記述があります。学会でも同様の報告が散見されます。
しかし、認知症の原因物質はアミロイドβやタウタンパク質の蓄積だけにあるのではなく、それ以外にも多くの脳細胞にとって有害な原因物質が存在しています。現在判明している原因物質もあれば、まだ解明されていない物質もあります。ですから、S-アリルシステイによって認知症が直ぐに良くなるかと言えば疑問が残ります。これまでにも実に多くのサプリメントが販売されています。私もそれらの幾つかは使用してみました。しかし、どれも無効でした。◯◯大学と云う権威付けもなされている事が普通です。医薬品として通用するものなら厚労省の薬事審議会を経て販売すべきでしょう。現在サプリメント産業は2兆円の市場と言われています。ある学会の報告では、現在市場に出回っているサプリメントで有効と思われる物は10%以下ではないかとの指摘もあります。
【ご質問】
本日は夫婦揃って受診させていただき有難うございました。二人とも軽度認知障害だと分かりましたので、先生に教えて頂いた「脳トレ、朝の散歩、発声(カラオケ等)、匂いの訓練等々」に努めてまいりたいと考えております。
質問ですが、東大齋藤洋教授の監修『認知症はこうしたら治せる(ナショナル出版)』によると「低温熟成ニンニク抽出物-Sアリルシステインは認知症の予防・改善に効果がある」と記述されておりましたが、ご見解があればお聞かせ願えませんでしょうか。
(この種の本にはサプリメントを売らんが為の提灯記事も時折見受けられますので)
本日は本当に有難うございました。これからもよろしくお願いします。
 

青田さんへの回答

一般に囲碁、将棋は認知症予防に効果があると言われています。その根拠になるのは脳内ホルモンのノルアドレナリンやドーパミンをが活性化するからだろうと考えられています。しかし、ムキになり過ぎると血圧を上げる原因にもなります。何事も楽しんでやるのなら良い事です。
また蛇足になりますが、『まだら認知症』と云う医学用語はありません。認知症に至る『まだら現象』と云うのが正確な言い方です。
【ご質問】
成川先生、質問させて下さいませ。
以前、父親の骨折のことで、ご相談しましたが
現在、父親はリハビリ病院に転院し、入院中です。
この病院は、車椅子での身体拘束はしますが
ベットはセンサー設置で対応しています。
一日2時間~3時間のリハビリで、入院当初は、医師は軽度認知症だと話していました。
現在は、『まだら認知症』ではないかと語っていました。
姉の子(甥)が将棋を指しに行き、将棋を楽しそうにしていました。
将棋は、認知症予防、認知症改善などに効果があるのでしょうか。
成川先生のお考えをお聞かせ頂ければ有難く思います。
お忙しいとは存じますが、よろしく、お願いします。

古川さまへの回答

嫉妬妄想71才での症状発現は少し早い気がしますが、何か妄想を誘発する前駆症状がありましたでしょうか?それ以前のご夫婦仲はどうだったのでしょうか?
ご夫婦、別々の個人的なカウンセリングが先ずは必要です。昨今の精神科では、この様に手間のかかるカウンセリングは行わず薬物に依存する傾向が強いので困っています。たとえ認知症による嫉妬妄想だったとしても、お母様の気持ち(チンプンカンプンだったとしても)を充分に聞き入れ、ご夫婦で、あるいは家族で旅行に行ったりする努力を重ねるべきでしょう。途中ヒステリックな症状が出て、旅行に行くなど不可能だと思われなら、その時になって適度な薬剤使用が必要になるかもしれません。
ともかく安易に認知症と決めこんで精神科にかかるのは、時に弊害のみが残るかもしれません。抗精神薬は必要となるかもしれませんが、先ずはカウンセリングがあるべきです。しかし、現状の精神科医(特に大病院などは検査をするばかりで)は、その後の治療には関心を示さない所が多いのです。
私もそれなりの抗精神薬は使用しますが、それはあくまで充分なカウンセリングを通してです。2005年から「日本認知症学会」が発足されておりますが、ネットで認知学会員の医師を探してみてください。普通の精神科医よりは、はるかに納得の行くアドバイスが受けられるかもしれません。本当は、直接にお母様とお会いして、その精神症状を丁寧に診させて頂くのが本当なのですが、現段階ではこれ以上のコメントは控えさせて頂きます。また抗精神薬も多種多用で、実力のある認知症専門医であるならば、そこまでお母様の病状を悪化させずに済むのではないかとも思います。真剣にカウンセリングをする医師であるか否かは重要なポイントです。しかし、誠に残念ながら、この様なカウンセリングをする医師は希少な存在です。
[ご質問]
母(71歳)のことですが、2年ほど前から父に対して嫉妬妄想がすこしずつ出始め、最近では一日中妄想話をしています。精神科に連れて行き、薬の調整などもしてもらいましたが、なかなか合わずで、父を殺したいと言い始めたため、精神科へ医療保護入院ということになりました。
入院していても、電話で父に対して嫉妬妄想が強く、母は父が浮気するために入院させられていると思っているところもあります。
物忘れもすごく進み、面会に行っても、次の日には忘れています。表情も乏しくなってきており、認知症特有の顔貌になっているように感じます。
そのうち、退院の話が出てくると思うのですが、症状が改善されていない状態での退院は父が疲弊するだけで、以前と何も変わりないと思うんです。父は昨年夏に、母の妄想の聞きすぎから鬱病になり、自殺未遂をしました。(オーバードーズ)
退院でなく、施設入所などのほうがよいのでしょうか。
遠方に住んでいる娘なもので、どうしたら良いか悩むところです。

安田さんへの回答

認知症の程度が分かりかねますが、通常は週3回で、一回3~4時間の透析時間、安静に耐えられるかが問題です。もし抑制でもしなければならないとなると、認知症は確実に悪化します。また認知症の程度によっては入院を引き受けない病院も多いと思います。欧米では、この様な場合に人工透析を行う事はありえません。個人的に言えば、週3回の透析はお母様にとって苦痛以外の何物でもないと思います。私の母親なら、今更その様な苦痛を与える選択はせず、静かに天寿の全うを温かく見守ります。
【ご質問】
成川先生、質問させて下さいませ。
81歳になる義母は55歳の時に脳出血を起こし以来、左半身不随の車いす生活です。現在は認知症が進み、私のことも忘れてしまっております。
最近は腎不全になり、腎臓機能が一割を切り、主治医から人工透析に入らないと死んでしまうと言われています。
義母は施設でお世話になっていて、透析するなら透析の出来る病院に入院することになります。
私としては今の義母には透析がとても負担で幸せな事とはあまり思えません。主人はやはり一日でも長く生きて欲しいとの思いがあるようです。
このような現状ですが、医師の立場から最善の選択、ご意見をお聞かせ願えませんか。
宜しくお願い申し上げます。

青田さんへの回答

分かっていても、青田さんの様にご両親の認知症への極度の警戒感や危機感を持ちながら日々の生活を送っていらっしゃると、気持ちが目一杯になって心のバランスが取りにくくなっているのではないでしょうか?人間の精神とは、何でしょうか。
哲学的に言えば古今東西、多くの人たちが限りない議論を重ねていますので今回は、私の独断と偏見を述べさせて頂く事をお許し下さい。それは、
「知識(教養)と理性、そして感情の3つからなる要素の複合体」
であると考えています。
この中で最も上位に占めているのが「感情」であると、私は理解しています。多くの人間は「理性」や「知識」で何とか自分の「感情」をコントロールしようと努力しています。
しかし、ある種の思いに心が満ち溢れ出すと精神のバランスが崩れやすくなります。
つまり、「理性」や「知識」だけでは「感情」のコントロールが困難になってしまうのです。それを救うのは何でしょうか?
私は「覚悟」と「諦観」であると考えています。人の世は、どんなに努力しても報われない事が多いのです。まして『認知症』と云う学問は未完の部分が多いのです。何人かの医師に相談しても単純に解決がつくものではないのです。
時に医師は何でも知っているとの誤解がありますが、それは大きな間違いです。彼等(私も含め)は医学の「カケラ」を知っているに過ぎません。そこに医学以外の深い教養(文学、哲学など)が加われば、医学の「カケラ」と合わせて精神社会の不可解な部分が幾ら推測出来るのです。ただそれだけです。人間的に教養の薄い医師たちは、そんな医学の「カケラ」だけで何でも知っているかのような顔をしているだけです。
ですから認知症であろうと、これは自分の親であるとの認識(愛情)から、その老いて行く過程を温かく見守る覚悟も必要ではないでしょうか。その様な覚悟から心に余裕も出て来るのです。「認知症」と云う老いの現象と精一杯向き合いながらも生きて行くしかないのです。医師と云うよりは、私も青田さんと同じ人間として日々の困難に向き合いながら、他人には言えない苦労(精神疾患を持った肉親と同居しながら)は抱えているのです。10年以上は大学を含めた専門医に相談しながらも解決のつかない肉親の精神状況に、日々悩み続けているのです。ただ認知症を学んでいる医師だけではないのです。毎日を何かに祈り続けている哀れな一人の人間でもあるのです。
この10年、医師と云う人間たちにどれだけ失望を、感じた事か?
やはり肉親に、認知症を含めた精神疾患を抱えた家族と、そこに心の痛みを知りぬいた少数の医師だけが、手を取り合って日々の困難さに立ち向かって行くしかないのでしょう。
     2019. 正月 3日
【ご質問」
成川様お世話になっております。
私は、母親に最近、暴言が多く、間違いを指摘してしまいます。
今日、母親は、本当に悲しそうな目で
『自分が認知症であることを知っている。』と言ってました。
母親は、『自分なりに必死に認知症と戦っていたようです。』
それを観て、今までの自分の言動を反省し、もの凄く、後悔しました。私自身、涙が出ました。
辛いのは、家族以上に本人なのですね。
よく、認知症患者にたいして、間違いを指摘せず、
褒めることが大事と言われますが、
成川先生が、以前から、認知症を治すのは、家族の『愛』『思いやり』と語っておられましたが、
これからは、母親にたいして、『愛』『思いやり』で、接したいと思います。
願わくば、少しでも、改善、進行を遅らせられてばと思っています。

青田さんへの回答

現在、日本で最も注目されている音楽療法の分野は「認知症」と言っても過言ではないでしょう。 特に、認知症予防に関しては、大きな期待が持てるようなデータもあります。
また、BPSD(認知機能障害によって、精神不安定になり現れる症状や行動)にも下記のような改善例が見られました。
暴力的な言動や行動が抑えられた
睡眠障害の改善がみられた
うつ状態が軽くなった
協調性がみられるようになった
メンタル面が落ち着いてきた
もちろん、認知機能障害については、コミュニケーション能力の改善が見られた事例や、記憶能力に関しても期待が持てるデータが存在しています。
さらに、音楽療法が高血圧にも効果があるというデータもあります。高血圧と認知症は一見関係なさそうに見えますが、高血圧によって心臓疾患や脳疾患につながり、その過程で認知症になる方が多いそうです。そのため、高血圧を予防することも、認知症を予防することにつながると考えられています。
バランスの良い食事をするためにはどうするのか?」と同じように、「より効果的に音楽を利用するにはどうすれば良いのか?」また「どんな症状に音楽の効果が期待できるのか?」をより明確にする必要がです。
ご家族を含む介護に従事する人たちと音楽療法士が協力して、音楽が健康にもたらす効果をデータとして蓄積していくことで、音楽療法を確かなものにしなければいけないと思っています。
「音楽って健康に良いのかぁ~」と興味が湧き、そこから音楽を通じて生きがいを見つけることができれば、そんな素敵なことはありません。
「音楽と健康との関係には、無限の可能性を秘めている。」音楽療法を発展させるということは、シニア世代のライフスタイルの充実にも繋がると信じています。
【ご質問】
成川様お世話になっております。
今、父親にたいして、
◎ 読書。
◎ アロマの芳香剤。
◎ ガム。
◎ 見舞いの時、車椅子で、談話室の連れて行く。
ことをしています。
他に何か出来ないかと考え、
『音楽療法』も効果があるのではと思い、
父親の好きな
セミクラシックの曲をウォークマン(買いました。)に入れ、今日、持って行きました。
父親は、気に入ってくれて、聴いています。
『音楽療法』は、脳の認知機能には、効果があるのでしょうか。
成川先生の『音楽療法』についての見解がありましたら、お聞かせ頂ければ有難く存じます。