診察室からコンニチハ(1)

【認知症について】
認知症とは何だろう?
認知症になる人とならない人の違いは、どこから出るのだろうか?
多くの医学雑誌には沢山の理由が書かれてあります。生活習慣病が関与しているとか、飲酒やタバコの問題とか、薬の副作用(睡眠薬、精神安定剤その他)などにも多少の原因はあると書かれていたりします。。その中でも、加齢による原因は一番真実味がありそうです。事実、次の様な統計があります。
(1)加齢による認知症の発生率
      70~75歳では 4%以上の発生
      80~85歳では21%以上の発生
      90~95歳では61%以上の発生
これをみる限り、加齢の変化は無視できないと思います。しかし、加齢だけで認知症の原因が説明できる訳ではなく、現在は次の様な病型分類が一般的です。
(2)認知症の分類
・脳血管性認知症(VD)
高血圧の管理が広く行き届いて、脳出血が激減して相対的に脳梗塞が増加して来ました。この脳梗塞により脳血管性認知症を引き起こされる例が多くなっています。しかし、脳血管障害を発症する年齢は徐々に遅くなりつつあります。これは成人病の予防などの医学的な進歩に基づくものだと言って良いでしょう。
 このVD(脳血管性認知症)の特徴は、突然に来るので病気への認識が精神的に付いて行けずピック化(性格の攻撃性)しやすいと言われています。一瞬にして右片麻痺や言語障害が発生するので非常なストレスが出現し、情緒障害が強く出てしまうのです。
 その結果、配偶者などに攻撃性を増す事が多くなります。つまり八つ当たり的な行動が多くなるのです。VD(脳血管性認知症)は全認知症の30~35%だと言われています。
・アルツハイマー型認知症(ATD)
側頭葉から海馬(脳細胞の記憶メモリ)にかけての神経細胞の変性(要は顔にシミやソバカスが出来たと同じで、このシミが脳細胞に出来たと考えて欲しい)が生じて、その結果アミロイドβやタウ蛋白などと云う沈殿物が増え神経細胞の正常な神経の動きを邪魔しているとの考えです。認知症と言えば、ATD(アルツハイマー型認知症)と云う考えが従来は多かったのですが、むしろ現在ではレビー小体型認知症(後述)の方が多いと言われ出しています。と云うのはATDに比べ、レビー小体型認知症と云う概念は医学的な認識がかなり遅れて出たからです。
このATDは記憶メモリの変性が先行するので、物忘れが初期症状として出やすいのです。これらは総じて見当識障害と言われており、軽度の物忘れから始まります。どの様な進行過程を辿るのかは次回に詳しく述べていきます。
現在はATD(アルツハイマー型認知症)やレビー小体型認知症(DLB)、あるいはピック病などが、かなり混乱されて使われていますが、この混乱の原因も含めて色々と考察して行きます。あるいは認知症の治療薬の効果や副作用なども、さらには実際的な治療法があるのかも私なりに見解を述べてみたいと考えています。
次回に続く
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