診察室からコンニチハ(4)

「レビー小体型認知症(DLB)」続き
長い間DLBは認知症+パーキンソン症候群との診断で処理されていました。現在の神経内科では、レビー小体型認知症とパーキンソン病は同一疾患もしくは類縁疾患と云う認識が定着しています。
レビー小体とは、神経細胞の内部に見られる異常な円形状の構造物(封入体)で、ドイツ生まれの神経学者であるフレデリック・レビーによって初めて発見されています。
このレビー小体が頭頂葉から後頭葉に出来たのがDLBで、脳幹部に出来たのがパーキンソン病と言われており、病理学的には同一視されております。
レビー小体という神経細胞に出来る特殊なたんぱく質が増加し、神経伝達が障害されるために起こります。原因となります。病気の発症率はやや男性に多いです。
症状が出るかなり前から脳の異変は起きています。
初期の段階で物忘れより幻視が見られ、間違った認識をしてしまう事があります。
パーキンソン病のような症状が出ますと、頭がはっきりしている時と、そうでない時があり、それを繰り返しながら進行します。
うつ症状が出たり、レム睡眠行動障害もみられます。
レビー小体型の方への対応の仕方は、嘘ではなく本人には見えているため、否定してはいけません。
話を合わせて安心させる事が重要です。また動作が緩慢でも急かさないで、出来ない時は出来ないのだと周囲の人たちが理解しましょう。
さらに日中は疲れ過ぎない程度に身体を動かして下さい。
そしてレム睡眠行動障害(睡眠中の異常行動で寝ぼけや寝言、寝ている間に歩行したり物を食べるなど、夢の中での異常行動)がありますのでベッドからの転落を防ぎ、ケガをしない工夫も必要となります。
そして、「うつ症状」や「自律神経失調症」に伴う睡眠障害(強い不眠の訴え)や排便コントロール(難治性の便秘)にも相当の注意を要します。
さらに繰り返される転倒や失神(一過性の意識障害)などは、特にパーキンソン症候群(手の振るえ、小刻みに歩行)の強いDLB患者で起こりやすく、失神に関しては脳幹部や自律神経系の機能異常によって生じる迷走神経反射障害によって生じる可能性も示唆されています。
この様にDLBは、余りに多彩な症状を呈する為に、長い間その診断が困難で多くの臨床医はアルツハイマー型認知症の進行した病態であると考えていました。これから記述するピック病もそうですが、これらの病気は単独ではなく、複雑に絡み合っている事が多いのです。ただアルツハイマー型認知症が単独で発症したと云うよりは、脳血管性認知症とアルツハイマーの合併とか、レビーとピックの合併と云った具合にです。
ですから、アルツハイマーの進行パータンはこうだとか、レビーの進行パータンはああだとかの単純な説明は難しいのです。これまで繰り返し効果が疑問視されて来た認知症治療薬の出没の歴史は、そんな所に原因があったのかもしれません。
次回に続く
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