診察室からコンニチハ(33)

私の詩集の小箱から
「魂の宿にありて」を書きます。
初めて あなた方に問う
本当は だれに問うのか…だれで もない私に…
弱き者…小さき者…老いたる者…病に伏したる者…
これらの人達は、いつも愛に包まれていなくてはならない
愛とは 魂の目である…それは心を捧げた注意力である
小さき者…それは未だいい…光輝く何かが待っているかもしれないから
老いたる者…はかなき命という名の灯の中で…
そのはかなき灯の数々を…その灯のままに…
ただ暖かく見つめる
人はいう…
ぼけちゃった…手がかかる…わがままだ…
で、私は問う 何故に人は…
死にいく時…滅び去る時…
ただ一度の人生であれば…その今際(いまわ)のふちに立つ時…
恐ろしさを感じえない者が一人でもあろうか
人は十月(とつき)の間…その母の身にありて…
真っ暗な闇の中から…光輝く世界へと導かれる
その細く長い道のりの恐ろしさを…誰も知らない
   ましてや死にいく時の恐ろしさを…誰が知ろう
老い去りいく者が、わがままであっても…ぼけていようとも…
その大地に帰る日の恐ろしさを忘れるため…
それは、それで、いいのではないだろうか…
再び問う…あなた方に…そして私に…
   弱き者…小さき者…老いたる者…病に伏したる者…
これらの人達は、いつも愛に包まれていなくてはならない
愛…その言葉の重みの中で、私は問う…
私にそれを語る資格があるのか…
愛…その言葉の前で私はたじろぐ…
かくも愚劣な私が…この言葉を使う罪を…
どうぞ、お許し下さいと…
愛、それは魂の目である…
何故に…何故に…かくも愚劣な文字の数々を…
あなた方に…そして私に問うのか…
それは病院という名の「魂の宿」に…
人は何故に…勤めるのか…
誰でもない、私への問いかけである
  次回に続く 
 
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