診察室からコンニチハ(52)

病院運営の最大の悩みは、いつも人手が足りないとの危機感です。それは時に医師だったり、看護師だったり、薬剤師その他の種々の職種で常に人手不足の問題は抱えています。何もこれは病院に限らず日本の全ての企業が抱えている問題なのでしょう。
それでも病院が他の業種と違うのは、無資格者の人手集めに苦労の種が尽きない事です。薬剤師や検査技師などの有資格者は、医療関係で働くしかない訳ですから比較的に人手の確保はしやすいのですが、事務系や看護補助者などは世間の景気にかなり左右されます。
不景気の時代には事務系や看護補助者なども容易に応募に反応してもらえたのですが、景気が良くなると他の業種に流れてしまいます。特に患者さん方の食事や入浴など縁の下の力持ち的な仕事をしてくれる人達の確保は大変です。
少子高齢化と高学歴化で、若い人たちは地味な仕事からは確実に遠ざかっています。デパート駐車場の整理係、道路工事の誘導など多くは高齢者の仕事になっています。同じ様に病院でも介護者の高齢化が目立ち始めています。かつてはブラジル日系人の方々により介護要員の多くを担っていましたが、風土の違いや女性同士の細やかな感情の行き違い、あるいは日本の島国根性などが重なって海外からの人員補充は先細りになるばかりです。
病院も開設35年目を迎えると、色々なルールや形式が知らない間に芥(あくた)の如く溜まってしまいます。もちろん良き伝統もあるのですが、「悪貨は良貨を駆逐する」の譬(たと)えにもある様に、組織と云うものは常に自己改革に努めなければ、何時しか消滅して行く運命にあるものです。
日本を代表する大手企業と雖(いえど)も例外でない事は、昨今の社会現象が証明しています。
さて私たちの病院は、これから先どの様な自己改革が出来るのでしょうか?…病院長である私の責任は重大です。
次回に続く
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