診察室からコンニチハ(55)

これから数回は、このブログで認知症予防のリハビリについて考察してみます。先ずは「運動療法」からです。
加齢により、少しずつ身の回りの動作が行えなくなって来ますと、筋力低下、心肺機能の低下、持久性・耐久性の低下、関節可動域の低下などが起こります。身体機能が低下すると、日常生活動作がますます困難となり、やがては寝たきりへと進行します。転倒のリスクが高くなり、骨折や怪我の原因となったり、関節拘縮を起こす危険性さえ生じます。
運動療法を行い、身体機能を維持することで、生活の質を向上させ脳の活性化が促されます。10 分間の軽運動でも「実行機能課題成績が向上すること」や、「音楽体操群で、視空間認知が有意に改善」するなど、認知症で障害される認知機能の改善にも効果があるとの報告も多くなされています。
特に朝の規則正しい散歩は、認知症予防に良いと言われています。事実愛犬に死なれて、犬と散歩する習慣が途絶えてしまったお年寄りが認知症になる話はよく聞きます。
さらに認知症の方は、他動的に身体を動かされることに不安を感じる方が多く、散歩する、ボールを転がすなどのレクリエーション要素を取り入れた活動の中で、自動的に身体を動かせるプログラムを行うことが有効であると言われています。風船バレーでは、自発性の低い方でも反射的に手を出すことが見られますし、音楽を流したり、リズムをとったりして、身体を動かすきっかけを作ることも効果的です。コミュニケーションがとりづらい、指示が入りにくいといった症状が見られる場合には、対象者の身体を直接的に誘導して運動を促すこともあります。寝たきりの方では、他動的に関節を動かして関節拘縮の予防を図ることや、ベッドから起き上がる、座るなどできるだけ抗重力姿勢をとることが重要です。
次回に続く
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