診察室からコンニチハ(62)

産業医と云う仕事を、ご存知ですか?
それは企業と契約し、従業員が健康かつ快適に働けるよう指導・助言を行う医師のことです。労働安全衛生法により、50人以上の従業員が常駐する事業場では、産業保健や労働衛生などの専門的知識に通じた産業医を選任し、従業員の健康管理などにあたらせることが義務付けられています。産業医は、労働者の健康確保のために何らかの措置が必要と認める場合、事業者に対しその措置の実施を勧告することができ、事業者は産業医の勧告を尊重しなければなりません。
と云うのが建前ですが、殆どは「うつ病」を中心とした精神面の健康管理やカウンセリングが主な仕事です。
では、現実に職場での「うつ病」の発生率はどのくらいでしょうか?
2014年ルンドベック・ジャパンでの調査結果によると日本では10%となっています。同調査によるとルンドベック社が世界16カ国(日本・英国・オーストラリア・南アフリカ・トルコ・米国・スペイン・カナダ・フランス・デンマーク・ドイツ・ブラジル・メキシコ・イタリア・韓国・中国)にて、オンラインパネルを使用して実施したものです。
各国、過去12カ月において従業員もしくは管理職であった16~64歳の成人・約1万6,000人(16カ国合計)を対象としています。
そのデータによりますと、英国で27%、オーストラリア・南アフリカが26%、トルコ・米国23%、スペイン・カナダ21%、フランス・デンマーク・ドイツ・ブラジル19%、メキシコ15%、イタリア12%、日本10%、韓国7%、中国6%の調査結果でした。
多くの方にとっては、少し驚くような数字に見えるのではないでしょうか。世界各国では、これ程「うつ病」に悩んでいる人たちがいるのです。まさに「うつ病」の時代といっても過言ではないでしょう。
何故こんなにも「うつ病」の患者さんが増えいるのでしょうか?
私たち人間の精神構造、特に感情問題は1万年近く全く変化していないと言われています。古代エジプトから現在までが約5千年ですから、少なくてもその倍になります。しかし、その間の人類の外的環境は劇的な変化を遂げています。文明・文化の進化は驚異的なものがあります。
交通手段、コミュニケーション手段、ツールは石斧から原子力までと圧倒的な進歩です。
この飛躍的な変化に人間の精神構造が追いついて行けないと云う考えが一部にあります。
次回に続く
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