診察室からコンニチハ(66)

ゲノム編集は認知症治療に繋がるのでしょうか?
多くの方が抱く疑問だと思いますので、私なりの見解を述べてみたいと思います。例えば遺伝子レベルに深く関与していると言われています「家族性アルツハイマー病」などは、割と早い時期に(早いと言っても10年単位だと思うのですが)治療法が見つかる可能性はあると思います。しかし、認知症と云う学問も進歩に伴って困難な問題が幾つも出ています。それは今まで言われていた単純なアルツハイマー病などは、殆ど無いのではとの疑問です。基本的には脳細胞の変性疾患ですから、アルツハイマーに脳血管性病変が混入していたり、レビー小体型が合併していたり、慢性アルコール中毒も考慮しなければならなかったりと、多種多様な病変像を疑う必要が出ているのです。確かに次の様な研究グループの発表もありますし、この様な報道が流れますと、マスメディアは単純にアルツハイマー病の根本治療が出て来た様な単純な書きかたをしますが、それ程に簡単ではないのです。一応は記載しておきます。
「理化学研究所・神経老化制御研究チームの西道隆臣チームリーダーらの研究チームは、モデルマウスによるゲノム編集技術を駆使した実験により、アルツハイマー病発症の原因となるアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積を抑制する遺伝的な欠失を発見しました。
アルツハイマー病は、認知症の半数近くを占める神経変性疾患であり、脳内のアミロイドβペプチド(Aβ)の凝集・蓄積、遺伝子変異が疾患発症の原因といわれています。しかし、その遺伝子はほとんど同定されておらず、治療法も確立されていません。また、症例は少ないものの遺伝的な要素の強いアルツハイマー病があり、その場合、30~50代と早期で発症する例が多くみられます」
との内容ですが、もしかすると家族性アルツハイマー病に限って言えば有効性を発揮するかもしれないと云った程度でしょう。
だからと言って未来永劫、ゲノム編集による認知症治療が困難だと言っている訳ではありません。未だ多くの時間と試行錯誤が必要なのではないかと懸念しているだけです。
次回に続く
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