診察室からコンニチハ(67)

今回は認知症における画像診断と臨床診断の差について考えてみます。
日常の外来診察で行う問診、長谷川式認知症スケールあるいはMMSE (ミニメンタルステート検査)そして血液検査(甲状腺機能障害や糖尿病などのチェック)さらに頭部CT(脳血管障害や脳全体の萎縮像を診る)ぐらいまでが一般的な臨床診断と言われるものです。
次に画像診断とは、どんなものがあるのでしょうか?
脳の形を見る「形態画像」にはCT(重複)やMRIがあります。MRIはCTに比べ脳の萎縮の程度や病変がどのくらいの範囲に及んでいるかなどを細かく確認することができます。一方、脳の働きを知るための「機能画像」があります。それがSPECTやPETと呼ばれるもので、脳血流を見ることで脳の局在的な働きを判断して、認知症の原因疾患により働きの低下する部分に違いを鑑別して診断をするうえの有効な情報が得られます。また、新しい画像検査として注目されている「MIBG心筋シンチグラフィ」は、とくにレビー小体型認知症の診断に有効で、今後の活用が期待されています。
次に剖検(解剖所見)による一般臨床診断と、レビー小体型認知症の最先端の画像診断と言われています
「123 I-FP-CITドパミン作動性神経画像検査」との比較を検証してみます。
『剖検された患者は55例で(DLB:33例,アルツハイマー病:22例)を対象としました。剖検による診断 に対して,123 I-FP-CITの診断精度は86%(感度80%,特異度92%)であり,臨床所見によ る診断精度は79%(感度87%,特異度72%)でありました。DLB患者のうち10%(3例)は,レビー小体病の病理学的基準を満たしていたが123 I-FP-CIT画像検査の結果は正常でありました。
結論:今回の剖検を用いた大規模な研究では,認知症における123 I-FP-CIT画像検査は, DLBの有効で正確なバイオマーカーであることが示された』
との内容でしたが、画像診断86%に対して臨床所見による精度は79%の結果です。つまり7%の差です。この診断精度の違いを皆さんは、どう考えますか?
次回に続く
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