診察室からコンニチハ(68)

私のブログを見て、また新しい女性患者さんが初診で来ました。何時もの様に問診と頭部CTを撮って、私手製の脳トレをやって頂き「レビー小体型認知症」と診断を付け、その旨を息子さん夫婦に説明しました。
さらに家族の接し方がどれだけ大切かを話しました。「ユマニチュード実践編」のパンフレットと「脳トレ初級」の用紙を手渡しました。
取り敢えず、2週間後にもう一度受診してほしいと伝えてお帰り頂きました。その翌日に、この患者さんの長男の方から電話を頂きました。
言葉こそ丁寧でしたが、どこかに横柄さが感じられました。
「先生は、どの様な根拠でレビー小体型認知症との診断を付けたのですか?」
との、質問でした。
その女性患者さんが、少し「うつ病っぽい」事と、筋強剛が見られた事、長谷川式スケールが20/30点と低い割りに頭部CTで脳細胞の萎縮が進んでいないなどが、その根拠であると説明しました。
「分かりました。それではセカンドオピニオンを求めて、別の専門医にも意見を聞きに行きたいので紹介状を書いて欲しい」
と言われたので、その通りに紹介状を書きました。それで、その事は忘れてしまいました。少しばかり後味の悪い気持ちは残っていましたが…
しかし、それから2ヶ月後にあの女性患者さんのご主人より突然の電話がありました。
「あれから、長男の言う様に大きな病院に行ってみたが、検査ばかりが続き治療も説明も何もしてくれず困り果ています。どうか、もう一度先生に診て欲しい」
と、言って来られました。ご主人のみならず患者さんご本人も私に診て欲しいと言って来ました。そこまで言われると、私に断る理由はありません。
翌日、やって来た女性患者さんとそのご主人に、
「あの長男の方にはどう説明して来たのですか?」
と、私は尋ねました。
「いや、あの長男には内緒でやって来たが、どうしても先生に診て欲しい」と、
お二人が揃って言われました。私は戸惑いながらも、もう一度…
「脳トレや規則正しい生活習慣と睡眠リズムの調整」
について丁寧に説明しました。彼等夫婦は幾度も頭を下げて診察室から出て行きました。すると、その翌日にまた長男から電話が入り、
「親の事は自分がやっているから、二人のボケ老人は相手にしないでくれ。でも新しい病院でもレビー小体型認知症だと言われたが、それなりの検査をしてからの診断なので安心だった」
と、少し皮肉な言い方をして来ました。
「分かりました。ともかく日替わりメーニユーの様に病院を変えず固定した医師に診てもらって下さいね」
とだけ私は言って、受話器を置きました。大病院の高度な医療機器だけが絶対だと確信している人には何を言っても通じないものです。前回(67)話の認知症診断のページを読んで頂ければ、賢明な読者にはお分かりになると思うのですが、診断後の治療をどうして行くかは何も考えられていないのでしょうか、あの長男の方は…
次回は医療機器も含め日本と海外先進国での医療現場の実態をご紹介しましょう。
次回に続く
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