ママレッドさんへの回答(再)

お母様の現在の精神状況を如何に宥めるかの一点に絞ればコントミン(ウィンタミン散)の増量でしょう。出来れば単独で行って欲しいです。10mgから始まって15mg→20mg→25mg→30mg→35mg→40mgと上げて行きます。私の臨床経験から申し上げますと50mgの上限で、精神状況は頗(すこぶ)る穏やかなる事が多いのですが、これで精神緩和が出来ないとなるとクエチアピンの併用療法に踏み切ります。ただ糖尿病を悪化させるので、要注意です。さらにアリセプトやレメニール、パキシル、トレドミンなどは、お母様にとっては百害あって一利なしです。いずれも興奮系もしくは覚醒系の薬だからです。パキシルやデパケンは使用方法によって有効な事もあります。いずれにしても何か統一性の取れない服用方法ではないでしょうか?コントミン(ウィンタミン散)一つを例にしても、中途で辞めている。肝障害がどの程度に悪化したから中止したと云う根拠が示されたのでしょうか?
失礼を顧みず申し上げれば、小さな子どもたちが、チョコレートも食べたいし、アイスも欲しいそしてラーメンも食べたいと云う処方に見えて仕方がないのです。専門医としての一貫した処方の態度が見えて来ません。自分でもかなり大それた発言をしているのは承知しています。ともかく肝障害を念頭に入れながらもウィンタミン散の単独療法を私ならします。その上でクエチアピンを併用するか迷います。
あまり参考にならない話ばかりで申し訳ありません。
【ご質問】
現在本当にに困ってまして、厚かましくもまた質問させていただきます。(本来受診してお伺いしないといけないところ、遠方で申し訳ございません)
母の不安症状についてですが、とにかく誰か側にいないと、それも手を握っていないと、寂しようで、不穏になり、手を離すと1分もたたないうちに、車椅子の手すりをバンバン叩いたり、大声(誰か呼ぶ、早よう!等)で呼びます。
また、ベッドに横になっても、一人で静かに横になってることはほぼありません。最初はしばらくは大人しくても、数分で、手足がバタバタ動きだし(時にはベッド柵を指が切れて出血するまで叩き続けます)、声出が続き、一人で静かに寝ることがほとんどありません。(マッサージすると、静かになり、寝ることあり。なので、ほぼ毎日マッサージします)
「コマニチュード」も数年前に知り、色々やったりしましたが、優しくいったり、本人の良い所褒めたり、撫でたり、マッサージや添寝等したりしますが、その時は静かなのですが、とにかく側を離れるとたちまち不穏になり、ひとりの時間がさらに延びると、更にだんだん興奮してきます。(全身が前後に動きだし、じっとせず、物叩いたり、絶叫のような大声になります)
こちら側が怒ったり、偉そうに言っても何の効果もない、かえって倍返しになる事はよくわかっています。
(施設でも他の利用者から、うるさいと言われれば、暴言を言うようです。さらに不穏時には物投げたり、他人を叩いたり、髪を引っ張ったりで困ってます。)
とにかく、我慢が全くできなくなってしまってる状態です。落ち着きが常にありません。
それと気になるのが、手を握っていても、握ってない手で、握っている私の手をつねったり、爪を立ててつかみ続けたりするのです。完全には落ち着かないのです。手が動き続ける行動が見られることが多いです。
家族としては、本人も楽なように、少し落ち着かせてあげたいのです。
頓服で貰っている、リスパダール液(0.5ml)を非常時(喘鳴のある興奮時等)に注入すると、翌日くらいまで落ち着いた状態になります。よく効くように思います。ただ、常に使うことに抵抗があって、またにしか(月1回)使っていません。
そこで質問です。
①母の場合リスパダールは使用していいのか。また、どの程度で使用続けていいのか(副作用との兼ね合い)がよくわかりません。
②ご回答にありました、コントミンは下記のとおり、使用していた時期があるますが、効果があったような記憶があまりありません。効かない場合もあるのでしょうか?
それと、肝臓悪い(自己免疫肝炎)場合は、コントミンは不向きと何かで読んだ記憶ありますが、大丈夫でしょうか?
過去の精神科での処方。色々処方が変わったが、あまり落ち着いた状態はなかったような記憶です。逆に所構わず奇声を発してた時期もありました。
アリセプト3mg(H27.2/21)
レミニール4mg(H27.3/7)
レミニール8mg(H27.4/29)
トレドミン15mg( 同上 )
レミニール8mgx2(H27.7/25)
パキシル12.5mg( 同上 )
レミニール8mg(H27.9/26)
デパケン100mg(H27.12/26)
コントミンは12.5mg(H28.1/30)
パキシル5mg(H28.4/7)
H28年5月喉に食べ物詰めて入院。胃瘻となる。
これ以降、精神科に通わず。
内科で抑肝散処方も効果無しで止める。頓服でリスパダール液を処方のみ。
以上よろしくお願いいたします。

ママレードさんへの回答

ご返事が遅れて、誠に申し訳ありません。私自身が体調を崩し、ブログの質問を見落としていました。心よりお詫び申し上げます。私の印象から申し上げれば、お母様の病状はMRIで海馬の萎縮が見られたとしても、単純にアルツハイマー型認知症とは断定出来ないと思います。画像診断だけで判断出来ないのが、認知症診断の困難さです。この事は5年前ぐらいにアメリカの神経内科学会でも論議されています。
と申しますのは、三大認知症(アルツハイマー、レビー、ピック)は神経細胞変性疾患(顔にシミやソバカスが出来るのと同じで、脳細胞にレビー小体やピック球の変性が出来てしまう)ですが、レビーやピック病の場合は画像的な変化が臨床診断より、かなり遅れて出ます。その為に画像診断でアルツハイマー型認知症と診断されていても、すでにレビーやピックが潜在している事も多いのです。それにお母様の場合の行動は、かなり精神的な不安症状が強いようです。時に介護者の無理解が、この様な不安症状を大きくしている事もあるのです。数年前からフランスで流行り出した「コマニチュード」が、日本でも少しずつ認識されていますが、病院や老人ホームでの認知度は遅れています。いかに認知症の方の目線に立つかと云うのが、「コマニチュード」の基本姿勢です。優しい介護の手と云うのが主題です。ネットで見て下さい。どの様な認知症の方にも同じ人間として接すると云うのが根本姿勢です。私の外来でも、「コマニチュード」の精神を取り入れてから、精神科領域の薬はかなり減っています。
また、薬剤過敏の事を心配していらっしゃる様ですが、その可能性は否定出来ないと思います。さらに薬で陽性症状が軽減出来ないかとの質問ですが、それなりの方法はあります。しかし、かなり医師の熟練度を要します。
私はコントミン(ウィンタミン散も同じ薬)の10mgぐらいから、少しずつ様子を見て、副作用が出ない程度に2~3週間の経過で調整しています。本日は取り急ぎ、これで失礼します。
恥ずかしい事にギックリ腰で3日程、自分の病院で入院していました。
何にしても回答の遅れた事は切に再度お詫び申し上げます。
またのご質問をお待ちしています。
「追伸」認知症患者さんで、癌細胞が潜在して認知症が悪化したケースもありますので、何でも認知症で片付けるのも時に問題が残ります。それ以外にも高齢に伴う多くの病気が見過ごされている場合もあります。
【ご質問】
「レビー認知症の父の娘さん」のご相談を拝見し、ご心情察し、またその真摯なご回答拝見し、涙でました。
私も藁を掴むような気持ちで色々調べていますが、このブログを拝見し、早速ご相談させていただいております。
母も認知症です。
働きながら、通いの施設を利用しながら、3年半在宅介護しています。現在要介護5、手引きで歩ける、車椅子に座れる、胃瘻、尿意便意有りトイレで可能。こちらの話すことは概ねわかり、会話もできる。
ただ、我慢や辛抱することができず、
在宅介護支えである、施設から、最近、不穏時の暴言(他の利用者へうるさい等)や大声(寂しくて常に誰か手を握ったり、側にいないと大声で呼び続ける、机叩く)、暴力(物を投げる、つねる、顔叩いたり、髪の毛引っ張る)多くなり、他の利用者さんからの苦情もあり、施設利用がだんだんと厳しくなってきています。
このままでは、胃瘻(2年前誤嚥で入院、胃瘻となる)、痰吸引もいるので、利用できる施設は極めて少ないため、在宅介護も困難となります。精神病院入院しか無理になるのではと危惧してます。
病状は3年半前に鬱の様な症状(寂しい、死にたい)が続いてたので、精神科に行き、MRIでアルツハイマー型認知症と診断されました。(海馬の萎縮有り)
その頃インフルエンザにかかり、2週間で顔付きも変わり急速に認知症状(同じ言葉の繰り返し、寂しがる、怒りぽい、言うことを聞かな等)が出るようになりました。
診断を受けた認知症認定医から、様々な薬を処方されましたが、夜中の声出しや徘徊、怒りっぽいは治らず、だんだん語彙が減り(あーあー等)、飲み込みも悪くなり、ショートステイで喉にものがつまり、救急搬送、そのまま病院で胃瘻となりました。(約2年前)
入院後(3ヵ月)、精神科の薬を辞めてから、語彙が戻ってきて会話が成立したりしたので、今思えば薬剤過敏で飲み込み悪くなったのではと後悔しきりです。
今の日常の状況は、
側にいないと、落ち着きなく、声出して呼び続ける(唯一手紙を書いてくれるがその時は小一時間文字を書き静かになる)、自分の要求が満たされないと、物叩いたり、投げたりします。
側にいても常に手を頂戴と手を握ろうとする、また不穏な時はその握った手をつねり続け、時には爪を強く立ててつまんだりする。時にはいきなり顔等叩いてきたりして、攻撃的になる。怒りっぽく、無表情で笑うことは今ほとんどない。
ベッドに横になっても、手が動き続け、ベッド柵や体を叩いたり、鼻や唇をいじる続け、声出しも続く。マッサージすると落ち着いて寝たりもする。
家族の顔や名前はわかり、漢字も読めたり書いたり出来、テレビのニュースの大まかな内容も時に覚えてる時もあり。
①認定医がアルツハイマーと診断ですが、そうでしょうか?
私個人はかなり複合的なものでないかと思ってます。
②今精神科等に通院してないですが、このような状況になり、薬でなるべく副作用出ないように陽性状況をコントロールして処方してほしいと思ってますが、薬で可能でしょうか?またどのような処方が考えれますでしょうか? 
薬以外はなかなか厳しかと思います。
今、自己免疫性肝炎がありウルソを服用してます。
③病院の選択に悩みます。色々調べて、名古屋の有名な病院も検討しましたが、最近他の方の評判が・・・なので悩んでます。(近くの実践医を検討してますが・・・)
大阪方面で先生のような医師がおられたら教えていただきたいのですが。(今の母を先生とこお連れ出来ず残念です)

一成さんへの回答

お母様の病状は、本当に認知症なのでしょうか?
MMSE27点、長谷川スケール27点と云うのは、ご存知のように認知症の診断基準に当てはまりません。あるいは一成さんの努力により認知症状が改善したのか?私の外来でも脳トレにより認知症状の改善した患者さん多数いますので…
また私の外来での脳トレも、かなり改善が加えられ変化しています。どの様な脳トレが患者さんにとって効果があるのか私なりに日々工夫しています。それぞれの年代の流行歌や童謡を入れたり、宮沢賢治の詩集を入れたりして、患者さん独自の脳トレを探しています。
少し余談になりましたが、「アルツハイマー特有のスッポリと体験した事が抜け落ちてしまう事」
があるとの説明ですが、それだけでアルツハイマー型認知症と言えるのか疑問が残ります。軽度の認知障害はあるのかもしれませんが、要は日常生活に問題があるのか、それをお聞きしたいのです。記憶のメカニズムについては、私のブログでゆっくりと解説して行きたいと思いますが、どうもお母様の場合は本当に認知症であるのか素朴な疑問が残ります。5~6年前にアメリカの神経内科学会で次の様な報告がありました。平気年齢75歳の尼僧50人の症例報告です。画像診断では全員がアルツハイマー型認知症と診断されたのですが、10年間の経過観察で全員がMMSE25点以上を維持して、日常生活に何の支障も出ませんでした。
通常、私たち臨床医の経験から言えばMMSE25点以上と言えば、エピソード障害(アルツハイマー特有のスッポリと体験した事が抜け落ちてしまう事)があっても、認知症とは判断しません。70歳以上の高齢者では、認知症でなくても、時々エピソード障害が
見られる事は外来診療でもかなり目にします。もしかすると一成さんも画像診断に惑わされているのかもしれません。画像診断は未だ不十分な補助診断でしかないのです。
【ご質問】
成川様いつもお世話になっております。 頻繁に質問していて本当に申し訳なく思っております。 
認知症専門外来にてアルツハイマー認知症と診断され1年半経過しました。 薬は服用せずサプリと朝晩の軽い脳トレ、適度な散歩と水分補給で過ごしてきました。海馬萎縮が高い為か物忘れはかなり目立ちます。(本人も自覚していて心配しています) ちょっと進行したかなぁ 思う時もあります。 アルツハイマー特有のスッポリと体験した事が抜け落ちてしまう事。
短期記憶障害があるのは確かに私にも感じます。 
でも、脳トレをするようにになってから大分落ち着いた感じもします。 MMSEや長谷川式テストも毎月やりますが若干悪くなったり良くななったりです。先月はMMSE27点、長谷川27点でした。 時計の絵テストもやりますが、本人も分かっているのですが短針長針の長さが微妙(長針がほんの少しだけ長いだけ) 数字の配列は大丈夫なんですが3時9時より下の間隔が大きくなってしまう(当初から変わりません) 説明が下手で申し訳ございません。 
専門外来では症状悪化すると言われていたので不思議です。 私なりに色々勉強して出来る限りの事をして認知症外来に行かず現在に至りますが、一つだけ気が付いた事があります。 成川様が言われたように本当に認知症を理解している医師は少ないんじゃかと。 アリセプトを服用していたら今より進行を遅らせたのでしょうか? 逆におかしくなってしまった可能性も考えられます。 問診画像血液検査で総合的に判断されアルツハイマー認知症と診断された事には誤りは無いと思いますが、告げられた家族は信じるしか無いので医師に言われた通りにするしか無いと思うんです。 
その専門外来では認知症患者の集う会を開催しますとハガキを送ってきますが、講師も認知症専門医と思えません。 
転倒骨折だけには気おつけてこれからも現状維持できればと願う毎日です

「まあ」さんへの回答

レビーピックコンプレックスについて、もう一度復習しておきましょう。
レビー小体型認知症にピック病の合併した病状で暴言妄想に加えパーキンソ症状さらに薬剤過敏症状(風邪薬でもアレルギー症状が強く出る、これがレビー小体型認知症の特徴の一つ)や睡眠障害(REM睡眠行動障害)等が見られる病状です。レビーの病状が強く出ているのか、ピックの病状が強く出ているかは夫々です。基本的に中枢系の薬剤には逆行現象(薬の使用目的とは逆の副作用)が、時に見られます。
まして、レビーでは薬剤過敏症状が強く出る事も多いので薬は出来る限り少なめにして、慎重な使用が原則です。
基本的に、お母様の様な方ではウィンタミンを中心にして、細粒0.06gから0.18gぐらいまでは慎重に増量して行きます。もちろんセロクエルは中止します。フェルガード(私もかなり使用しましたが、お母様の場合の効果は疑問です)も不要です。抑肝散は、このままで良いと思います。夜間の睡眠行動障害にはクロナゼパム(リボトリール)が、第一選択薬です。さらにロゼレム(メラトニン作動薬)との併用で効果がみられるかもしれません。いずれにしても、薬剤過敏症状を常に頭に入れた慎重投与が必要です。私は、お母様の様な経過の方には1週間投与で十分な観察をしながら、治療に当たっています。以上です。
【ご質問】
「まあ」
はじめまして。
レビー・ピックコンプレックスの81歳の母の薬の調整のことでご相談したくご連絡させていただきました。
いま母はロングショートステイで施設に2年前からお世話になっています。
今の薬は
朝 ウインタミン細粒0.06g オパルモン5ug
昼 抑肝散2.5g
夕 抑肝散2.5g セロクエル12.5mg
です。
他にフェルガードを飲ませています。
これで2年ほどはまあ時々の不穏はありながら過ごしてきました。
最近、不穏が強く、そのため車いすから倒れる、低床ベッドより這い出すことがあり、昼にセロクエル12.5mgを追加しました。
セロクエル増量で、いま1ケ月くらいになりますが先日施設より「不穏が強くケガをされるリスクが大きいので薬の調整を話し合いたい」と言われました。
以前はセロクエルで効を奏したと思っていましたが今回は逆に増量したことが不穏を増すことになったのでは?と思うようになりました。
ピックにはウインタミン(コントミン)と言われていますがセロクエルをやめてウインタミンを増やした方がいいのでしょうか?
ご教示いただければ幸いです。
すみません、もう一つお聞きしたいことがありました。
施設の方が言われるには、「今までは夜の睡眠時に独語で起きてたりベッド上でごそごそがあっても、22時くらいから寝てたりしていたのに、最近夜の睡眠が1週間のうち3日くらいは夜中ずっと起きていて動きも激しい状態で、夜勤の職員が少ないため目が届かないので薬の調整の相談したい」と。
(母は介護度5で車いす生活で立てないのですが、這うことができたり体を起こしたりできるのでベッドから落ちたりしています。おまけに胃瘻ですが、昼のみ口から食べて薬は胃瘻からです、寝たきりでも誤嚥性肺炎もなったことはありません)

71歳の母親を持つ方への回答

基本的にレビー小体型認知症の最大の特徴は、薬物過敏症状を中心に幻覚、妄想、うつ症状、自律神経失調症(便通障害、不眠など)、パーキンソン症候群その他の多彩な症状を呈しています。その為にアリセプトの使用などは、かなり慎重を要しますし、使用しても散薬で2mgぐらいからスタートするのが認知症専門医の間では常識となっていますが、精神科や神経内科医では割と安易に使用しているのが目立ちます。またルネスタなどの超短期型の睡眠薬などの使用もかなり慎重でなければなりません。リボトリールは抗てんかん薬ですが、ふらつきや錯乱症状に注意を払わなければなりません。レビー小体型認知症に適切な治療薬を使用出来る医師は極めて少数で、大学や総合病院でも誤診が多く医療不信の原因となっています。薬剤過敏症状を常に頭に置いている医師を見た事はほとんどありません。基本的には、お母様の様な場合はウィンタミン散の微量投与が中心ですが、この様な投与方法に熟知した医師は余りいません。これに抑肝散を併用すると、抑肝散の効果がかなり期待出来るのですが、抑肝散単独では効果が不十分な事が多いかもしれません。
また、「目が見えない」との訴えは緑内障などの眼科医のチェックが必要かもしれません。いずれにしても認知症専門医を、どの様に探し出すかが緊急の課題かと思われます。未だ我が国では「認知症専門医」が、余りに少数なのが現状です。私の外来では初診の患者さんには30分以上はかけますし、薬が安定するまでは週に一回の外来をお願いしています。それで根気良く、その患者さんに合った薬とか、「脳トレ」を指導して行くのです。
何故多くの医師が認知症の治療に専念しないかと言うと、この国の医療保険制度では、真剣に認知症の患者さんと向き合って行くと、確実に赤字経営を余儀なくされるからです。同じ保険点数で30分以上もかけて丁寧に診察などして行けば赤字は必須です。だから大きな病院では、高度な医療機器を使って検査や薬剤投与に終始するしかないのです。もちろん私の認知症外来は赤字ですが、それ以外の診療科で高血圧とか糖尿病とか、呼吸器外来とかで経営の辻褄を合わせています。大学から多数の専門医の医師に手伝って頂き病院経営はそれなりに運営しているのが現状なのです。
  【ご質問】
はじめまして。
71歳の母の事でコメントさせていただきます。
平成28年に配偶者が亡くなり一気に様子がおかしくなり、平成29年2月に、レビー小体型認知症と診断されました。
レビーの特徴的な症状、幻視、幻聴なでは無く、記憶障害も目立ちません。
常に、本人は、「目が見えない!見えにくい!」と訴えます。確かに、見えにくいようで、お茶を入れるのも、コップに入らずこぼしたり、家でも、壁にぶつかってアザだらけになったり、階段を踏み外したり、そのせいか、電化製品も使えなくなりました。(見えてなくてスイッチがわからないのか、使い方が、理解出来てないのかこちらとしては、悩むところなのですが、本人は、「とにかく見えない!」と言います。)
1人暮らしのため、食事は、娘である私が、作って、夕方帰る日々を送っていたのですが、日々、ひどくなり、平成30年1月にグループホームに入居しました。性格的にヒステリックになりやすく、多少の暴言は、あったのですが、入居して、暴言、自傷行為、夜間の不眠が、ひどくなり、診断直後は、アリセプトを服用してたのですが、アリセプトをやめて、まず、抑肝散を服用しました。それでもダメで、次にデパケンR錠。
それも変化なく、次にバレリン。これも変化なく。
で、4月から、病院を変えて、また新しく薬をかえました。それが、リボトリール1mg、朝昼夕方。
眠剤ルネスタ2mg、すると、今まで、うるさすぎたのが、副作用で、一日中寝てる状態になり、薬を朝昼0.25mg夕1mg。に減らしました。
それでも、ボーっとする事が多く、ろれつもまわっていない状態なので、先日、夕のみ0.5mg、ルネスタ2mgに、してもらいました。
現状、リボトリール、ルネスタのみの服用なのですが、日中、元気もなく、ぼやーんとしてる事が、多く、夜は、寝てる日やずっと起きてる日やまちまちだそうです。(ホームスタッフ談)
あきらかに、直近の薬で、元気が無くなり変わってしまい、薬の調節が、非常に難しいと思いました。
暴言、不眠などを抑えるには、どうしてもこのような薬が必要なのは、わかるのですが、他に、どのような薬ならば、穏やかに生活できるようになるのでしょうか?
なんとか、母に合う薬に、出会いたいのですが…!
まとまりのない、長文で、申し訳ありません。

レビー認知症の娘さんへの回答(再々)

確か、前回もご説明しました様に「この認知症」と云う疾患は、非常にに多彩で、アルツハイマーとか、レビーとか単純に割り切れないのです。そして前回もお話しをしました様に「医原性疾患」(医師の誤診、投薬ミス)などが複雑に絡み合ったりしますと、現在の患者さんの病状を克明に診て行かないと、適切な治療は極めて困難です。また前回の話になりますが、私は認知症の初診患者さんでは30分以上はかかりますので、メールや電話だけでの診察には自信がありません。一度かなりの遠隔地から診察を受けにいらっした患者さんがいましたが、この方の場合は診察に1時間以上もかかった事がありました。私の診察は先ず患者さんとのスキンシップから開始しますので、どうしても時間がかかります。今、厚労省は遠隔地診療(タブレットなどの使用により)を計画している様ですから、この計画が実施可能になれば北海道や沖縄からでも診察は可能になるかもしれません。そんな日が早く来る事を望んでいます。
それから私の連載小説の件ですが、配送先の住所、郵便番号、御氏名、電話番号をお伝え下されば、何時でも送らせて頂きます。
緑協和病院 045-962-6666にご連絡下さい。
それでは失礼します。
「追伸」レビー小体型認知症でのレミニール服用は、薬そのもので明らかに病状は悪化させるケースが多いと言われています。一部の専門医では分かっていましたが、今でも日本中の医師の8割は理解していません。しかし、哀しい事に、このレミニールやアリセプトの副作用問題は、医療訴訟としては成立しません。何故なら日本の多くの医師が行っている医療過誤は、現代医療の常識と裁判所は判断するからです。
  【ご質問】
先生、ありがとうございます。
先生、お詫びだなんてとんでもありません。
今まで幸いにも長期に渡り病院にお世話になる事もなく過ごしてきた私達家族にとって、2016年10月に近所の認知症外来のある病院でアルツハイマーと診断(その後入院した精神科でレビーと診断されました)されてからレミニールを服用、どんどんおかしくなっていき、主治医に訴えても『薬のせいではなく、病気が進行しただけ』と取り合ってもらえないどこれか、4mgから8mgへ増量されたんです。
その後、自殺願望と暴力がひどくなり、精神科へ入院するも、どんどん壊れていく姿を見て、私はすぐにでも退院をさせたくて、地域包括センターへ在宅介護の相談を申し出た所、
『まだ精神科で薬を合わせてもらうべき、退院は急ぐべきではない』と言われ、
ケアマネージャーも紹介してもらえない状態でした。
誰を頼って良いのか、、
誰に相談したら良いのか、、
素人の私の考えが間違いでプロに任せておけば良くなるのか、、
でも、絶対、薬のせいだと思う…
そのような状態が今も続いており、
そんな中、成川先生が患者や家族に対し真摯に向き合ってくださる事がいまだに信じられません。
しかも、伺って受診していただいたのではなく、文章のみの相談でここまでしっかりアドバイスを頂けるとは思ってもみませんでした。
先生には感謝だけしかないです。
お詫びだなんておっしゃらないでください。
そして、出来る事ならお会いして感謝を申し上げたいです。
本当にありがとうございます。
25日から1泊2日、外泊しました。
入院前の昨年10月は自分でトイレに行き、排便後も自分で拭く事が出来ていましたが、もう出来ません。
トイレに行きたい、という事も言えず、うなりはじめるだけです。
もう、父と会話は出来ません。
母は、『トイレにも自分で行けないし、意志疎通も全く出来ない、大変なのは分かっているけど、一旦退院させたい』、と言ってます。
心配していた徘徊については、リビング以外が暖房がきいておらず寒いので、部屋から出ようとはするものの、『さむっ』と言いながら戻ってソファでほとんどを過ごしていました。
近々、母が主治医と面談をし、退院日を決める予定です。
名古屋の病院、そうです。
そこで、セルシンを処方してもらいました、さらに様子がおかしくなり、すぐに相談しましたが、そこでも『病気の悪化』と言われてしまいました。
母、弟と一緒に行ったのですが、私達家族の誰とも目を合わさず、ずっとパソコンに向かったままでした。
それでも、薬さえきちんと処方してくれて、父の症状が落ち着けば…と思いましたがそのような気持ちもただの期待だけに終わりました。
私が期待しすぎていたからいけなかったのですが、結局、どこも一緒なんだな…って思いました。
今の病院では、以前の精神科のような拘束はありませんが、歩き回るとクロチアゼパムを飲ますようです。
不穏時や不眠時も飲ますようです。
先生の教えて下さった(残念な事に無くなってしまった)病院のように、疲れるまで歩かせてくれたら言いのに…
2016年10月から、色々有りました。
何度も警察にお世話になりましたし、沢山の薬の服用、それにより、肝臓を悪くしたり、不明熱で精神科から県立医療センターに転院したり。
先生のおっしゃるよう、手遅れなのかもしれません。
服が着られなくなり、箸が使えなくなりました。
全く意味不明の事をずっと話し続けています。
ただ、母や私の事は分かります。
飼い猫の事もしっかり覚えており、帰ってきた時も猫の名前を呼んでいました。
退院後、薬、どうしたら良いでしょうか?
先生に診て頂きたいのですが、父を横浜まで連れていくのは難しく…
私だけが伺っても薬を調整して頂く事は無理ですよね?
霜月の夕暮れ、ぜひ読まさせてください。
先生の病院へ問い合わせさせて頂いても良いでしょうか?
今回も長文で失礼致しました。

レビー認知症の父の娘さんへの回答(再)

この薬の服用の、仕方は完全にDLBに対する処方の仕方であるとは思いません。失礼ですが、認知症に深い知識を持った医師の処方ではありません。行き当たりバッタリの処方でしかありません。同じ医師として心からお詫び申し上げます。まずDLBの基礎を復習してみましょう。(1)抑うつ状態
(2)薬剤過敏症状: ちょっとした風邪薬でも副作用様が長引く、
(3)自立神経失調症状(便秘、不眠など)
(4)REM睡眠行動障害(夢遊病者に似た症状です)
(5)パーキンソン症候群
(6)幻覚、妄想など
これ以外にも微妙な症状が多彩にあります。
この中で一番注意しなければならないのは安易な薬剤投与です。何故なら「薬剤過敏症状が強い」からです。慎重にも慎重を重ね、その患者さんにあった薬剤を増やしたり、減らしたりしながら治療効果を診て行くのです。DLBの初期症状では私は、殆ど薬剤を使用しません。丹念なカウンセリングと脳トレ(励まし、励まし)が
私の基本方針です。そしてご家族にDLBの介護方法の基礎を学んでもらいます。先ず第一は本人の言動や誤ちを決して否定しないと云う事です。どの様な状況であれ、相手の人間性を否定するのは絶対にしてはいけない事です。
さらにウインタミン散の処方ですが、今の薬に付け加えると云うのは論外です。私の見解では今までの薬を全部検討することから始めるべきです。名古屋で著名な先生がいて、一度診察に行かれたと書かれていましたが、もしかしたら「名古屋フォレストクリニック」の河野和彦先生の事でしょうか?…私も彼の著書を何冊か読んでいますが、彼の診察態度が仰る通りの状況でしたら、私は失望のあまりショックを隠せません。私なら初診の患者さんに最低でも30分以上はかけます。まあ、そんな私事はどうでも良い事ですが、お父様の現在の病状は、いわゆる「医原性疾患」(医師が処方ミスなどで作り出してしまった病気)に近いかもしれません。失礼を顧みずに申し上げれば、かなり手遅れに近い病状かもしれません。そうでない事を祈っていますが…
また、私の認知症に関する連載小説は出版しておりません。出版などで、他人の目に触れる事を嫌っているからです。ご希望があれば、ご自宅に無料で送らせて頂きます。外来患者さんにも無料で皆さんに読んもらっています。
タイトルは「霜月の夕暮れ」です。
宜しければ、またの質問をお待ち申し上げております。なお、三重県四日市市で「認知症専門医」が何処にいるのかは分かりません。日本認知症学会に所属している医師なら調べられますが、その方の人間性までは分かりません。結局は医師と雖も、その人間性につきますから。実際に私も大学病院での「認知症」に関する誤診を沢山見ていますので、医師の私が言うのも変ですが、私もかなり「医療不信」を持っているのです。
  【ご質問】
先生、早速のご回答ありがとうございます。ご多忙な中、本当にありがとうございます。感謝します。(エラーになった為、コメントが重複し失礼いたしました。)
本日、外泊で朝から帰宅しています。
前回の外泊は1月で、その時も思ったのですが、段々出来る事が少なくなってきており、ずっとオムツを充てている為、排泄をトイレで行う事さえ出来ない状態です。
入院していて、出来ない事が増えてしまう事が本当に悔しく思います。
今日、迎えに行った時、不穏でした。
看護師さんから
『便が5日間出ていない。浣腸や下剤は使っていない』との事。
(前回の外泊時、下剤服用後の浣腸で、下痢がひどく、帰宅してから大変だった為、今回は"浣腸、下剤"を控えて頂くようお願いしました)
不穏の原因はきっと便秘、何とか便を出してあげたいと思い、病院からの帰り車内で、野菜ジュースを2本、帰宅後、お茶をコップに3杯飲んだら、大量の便が出ました。
そして、不穏はおさまり、その後1時間程寝ていました。
こういう工夫って病院ではしてくれないのでしょうか?
三重県四日市在住なのですが、先生のようなお考え、対応をしてくださるお医者さまは、こちらの地域にはいらっしゃらないでしょうか?
もしいらっしゃったら紹介をして頂きたいです。
名古屋で著名な先生ということで、1度、お世話になりましたが、診察時間が1分程で、しかも何も答えられない父に対し、『アスペルガーか!』って言ったんです。
医者に対する不信感の中、先生のブログに出会い、先生のような素晴らしいお医者さまがいるんだ…と思いした。
先生が信じられない程、真摯に向き合ってくださる事に、本当に感謝します。
先生の見解で病名まで教えてくださり、本当に本当に感謝します。
ありがとうございます。
あと、先生、お時間が有る時で構わないのでウイタミン散について教えてください。
現在下記を服用していますが、ウイタミン散も処方してもらっても良いでしょうか?
(1度目の入院をした病院で、リスペリドン、テトラミドなどの副作用で薬剤性不明熱、そして廃人同様になった旨を説明して今の薬を処方して頂いてます)

・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ネシーナ錠
・パンテチン錠
・パルプロ酸ナトリウム
・アリナミンF

・朝の薬 ― ネシーナ錠

・昼の薬 + 330マグミット
眠前
・330マグミット
・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ロゼレム錠
・ルネスタ
・100パルプロ酸ナトリウム
今も目の前に父がいますが、ずっと意味不明の事を話していて、どんどん壊れていきます。
何度も申し訳ありません。
先生、アドバイスを頂けたら幸いです。
(先生の御本も拝読させて頂きたいので、タイトルを教えてくださいませ。)
先生、早速のご回答ありがとうございます。ご多忙な中、本当にありがとうございます。感謝します。
(エラーになった為、コメントが重複し失礼いたしました。)
本日、外泊で朝から帰宅しています。
前回の外泊は1月で、その時も思ったのですが、段々出来る事が少なくなってきており、ずっとオムツを充てている為、排泄をトイレで行う事さえ出来ない状態です。
入院していて、出来ない事が増えてしまう事が本当に悔しく思います。
今日、迎えに行った時、不穏でした。
看護師さんから
『便が5日間出ていない。浣腸や下剤は使っていない』との事。
(前回の外泊時、下剤服用後の浣腸で、下痢がひどく、帰宅してから大変だった為、今回は"浣腸、下剤"を控えて頂くようお願いしました)
不穏の原因はきっと便秘、何とか便を出してあげたいと思い、病院からの帰り車内で、野菜ジュースを2本、帰宅後、お茶をコップに3杯飲んだら、大量の便が出ました。
そして、不穏はおさまり、その後1時間程寝ていました。
こういう工夫って病院ではしてくれないのでしょうか?
三重県四日市在住なのですが、先生のようなお考え、対応をしてくださるお医者さまは、こちらの地域にはいらっしゃらないでしょうか?
もしいらっしゃったら紹介をして頂きたいです。
名古屋で著名な先生ということで、1度、お世話になりましたが、診察時間が1分程で、しかも何も答えられない父に対し、『アスペルガーか!』って言ったんです。
医者に対する不信感の中、先生のブログに出会い、先生のような素晴らしいお医者さまがいるんだ…と思いした。
先生が信じられない程、真摯に向き合ってくださる事に、本当に感謝します。
先生の見解で病名まで教えてくださり、本当に本当に感謝します。
ありがとうございます。
あと、先生、お時間が有る時で構わないのでウイタミン散について教えてください。
現在下記を服用していますが、ウイタミン散も処方してもらっても良いでしょうか?
(1度目の入院をした病院で、リスペリドン、テトラミドなどの副作用で薬剤性不明熱、そして廃人同様になった旨を説明して今の薬を処方して頂いてます)

・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ネシーナ錠
・パンテチン錠
・パルプロ酸ナトリウム
・アリナミンF

・朝の薬 ― ネシーナ錠

・昼の薬 + 330マグミット
眠前
・330マグミット
・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ロゼレム錠
・ルネスタ
・100パルプロ酸ナトリウム
今も目の前に父がいますが、ずっと意味不明の事を話していて、どんどん壊れていきます。
何度も申し訳ありません。
先生、アドバイスを頂けたら幸いです。
(先生の御本も拝読させて頂きたいので、タイトルを教えてくださいませ。)

レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答

レビー小体型認知症DLBは、この7~8年でやっと社会的な認知度を深めて来ました。それまでは何でもかんでもアルツハイマー型認知症ATDと診断されていたものが、実はDLBの方が患者数が多く、問題が深刻化している事が遅まきながら医者の間でも理解度が加わって来たのです。その為に一般医はともかく精神科医でも、その治療法に精通していない方がかなり多く見られます。それと昨今の日本認知症学会の発表では、単独のDLBやATDが少なく混合タイプが多くなっている事実も確認されています。74才のお父様は単独のDLBと言うよりは、一部ピック病が合併しているのではないかと思われます。これはレビー・ピックコンプレックと呼ばれている病名です。非常に複雑な病状を呈しますので、通常の精神科医の手には余るでしょね。病状に精通していない精神科医ですと、病気は悪くなるばかりです。根本治療は少量の精神安定剤(あくまで少量でウイタミン散10~20mg/day程度です)、後は脳トレと一日に数回の散歩(これにより徘徊は軽快します)、そして音楽療法(童謡、懐メロ)などです。しかし一口に脳トレと言ってもそれなりのテクニックがあります。この脳トレは病院では、あまりはやってくれません。もちろん施設でも…。現状では在宅でやるしかありません。病院や施設でやるには現状の医療保険や介護保険では人的状況や経済的な理由で困難だからです。私の近所でも、徹底な認知症治療に当たっている病院があり、そこの院長が驚くほど医学的な良心に燃えていた方で、実に真摯に認知症医療に取り組んでいましたが、ベット数300の病院は4年程で潰れました。患者1人に常時3人の介護職員が24時間付ききりで認知症治療に当たっていましたが、とても現在の保険制度ではそんな費用は出ません。結局は60億円以上の赤字経営で倒産しました、しかし、そこの病院での治療効果は抜群でした。患者さんの徘徊も、ご本人が疲労で動けなくなるほど自由にさせていました。夜中でもです。そして徘徊は静まりました。こんなにも認知症が良くなるんだと思うほどです。
私も現在は外来で多数の認知症患者さんを診ていますが、入院はさせません。患者家族がどんなに辛くても私のアドバイスに従って治療に当たって下さった方のみが、認知症治療に成功しています。施設や病院では悪くなるばかりです。しかし、在宅と言うのは簡単ですが非常に困難な道である事は充分に認識しているつもりです。私は認知症に関する本を何冊か書いていますが、認知症治療の最大効果は「患者家族の大きな愛」です。私の外来患者では100人に20数名が、認知症治療に大きな成果を示しているに過ぎません。ご家族が支え切れないからです。それでも私は認知症治療に取り組んでいます。それ以外にも一口に認知症と言っても動脈硬化性の部分や生活習慣病の部分、飲酒、喫煙などを総合的な配慮が必要ですから、精神科医に適切な治療は困難かと思われます。他にも具体的な質問があれば承りますので、何時でもご質問下さい。
【ご質問】
ご多忙な中大変恐縮ですが、アドバイスを頂きたいと思いコメントさせて頂きました。
父(74)はレビー小体型認知症と診断され、精神科の入退院を繰り返しています。
在宅介護は母(74)がする事になります。
私は離れて住んでおり、休みの度(週1)で帰る予定です。
主治医からは何度か外泊をしてみて、在宅介護が可能なら退院をしても良いと言われています。
私と母は、父に対する病院の対応なども良くないため、退院させて様子をみたいと考えています。
看護師からは、『病棟を歩き回るから在宅は無理』と言われる事もありますが、やる事がないから歩き回るのでは…と思う事もあります。
私より遠方に住む弟は、母が一人でみるのは無理、入院させておいた方が良い、と考えているようです。
今回の入院理由は"自殺願望、徘徊、暴言、暴力"がひどく薬調整の為でした。
3度目の入院で、今の病院にお世話になるのは2度目です。
主治医に相談したら良い話なのですが、
何の連絡も無しに主治医が変わり、主治医が変わった事を3か月後に知ったという事が有り病院に対して不信感が有ります。
昨年10月から入院をしており、母が週2、私が週1で面会に行ってますが特に暴言をはいたり暴力的なところは見られません。
退院後はデイサービスにお世話になろうと思っています。
父が外泊した時、見学に行ったのですが、父を人間扱いをしてくださる、すごく良い職員さんがいらっしゃり、安心しました。
病院では、そのような扱いをしてくださらないので…
このような状況なのですが、退院についてどう思われますか?
病院で歩き回っていたら、退院後に徘徊するでしょうか?
ご多忙な中、またメールでの相談で情報も少なく申し訳ありません。
アドバイスを頂けると幸いです。