71歳の母親を持つ方への回答

基本的にレビー小体型認知症の最大の特徴は、薬物過敏症状を中心に幻覚、妄想、うつ症状、自律神経失調症(便通障害、不眠など)、パーキンソン症候群その他の多彩な症状を呈しています。その為にアリセプトの使用などは、かなり慎重を要しますし、使用しても散薬で2mgぐらいからスタートするのが認知症専門医の間では常識となっていますが、精神科や神経内科医では割と安易に使用しているのが目立ちます。またルネスタなどの超短期型の睡眠薬などの使用もかなり慎重でなければなりません。リボトリールは抗てんかん薬ですが、ふらつきや錯乱症状に注意を払わなければなりません。レビー小体型認知症に適切な治療薬を使用出来る医師は極めて少数で、大学や総合病院でも誤診が多く医療不信の原因となっています。薬剤過敏症状を常に頭に置いている医師を見た事はほとんどありません。基本的には、お母様の様な場合はウィンタミン散の微量投与が中心ですが、この様な投与方法に熟知した医師は余りいません。これに抑肝散を併用すると、抑肝散の効果がかなり期待出来るのですが、抑肝散単独では効果が不十分な事が多いかもしれません。
また、「目が見えない」との訴えは緑内障などの眼科医のチェックが必要かもしれません。いずれにしても認知症専門医を、どの様に探し出すかが緊急の課題かと思われます。未だ我が国では「認知症専門医」が、余りに少数なのが現状です。私の外来では初診の患者さんには30分以上はかけますし、薬が安定するまでは週に一回の外来をお願いしています。それで根気良く、その患者さんに合った薬とか、「脳トレ」を指導して行くのです。
何故多くの医師が認知症の治療に専念しないかと言うと、この国の医療保険制度では、真剣に認知症の患者さんと向き合って行くと、確実に赤字経営を余儀なくされるからです。同じ保険点数で30分以上もかけて丁寧に診察などして行けば赤字は必須です。だから大きな病院では、高度な医療機器を使って検査や薬剤投与に終始するしかないのです。もちろん私の認知症外来は赤字ですが、それ以外の診療科で高血圧とか糖尿病とか、呼吸器外来とかで経営の辻褄を合わせています。大学から多数の専門医の医師に手伝って頂き病院経営はそれなりに運営しているのが現状なのです。
  【ご質問】
はじめまして。
71歳の母の事でコメントさせていただきます。
平成28年に配偶者が亡くなり一気に様子がおかしくなり、平成29年2月に、レビー小体型認知症と診断されました。
レビーの特徴的な症状、幻視、幻聴なでは無く、記憶障害も目立ちません。
常に、本人は、「目が見えない!見えにくい!」と訴えます。確かに、見えにくいようで、お茶を入れるのも、コップに入らずこぼしたり、家でも、壁にぶつかってアザだらけになったり、階段を踏み外したり、そのせいか、電化製品も使えなくなりました。(見えてなくてスイッチがわからないのか、使い方が、理解出来てないのかこちらとしては、悩むところなのですが、本人は、「とにかく見えない!」と言います。)
1人暮らしのため、食事は、娘である私が、作って、夕方帰る日々を送っていたのですが、日々、ひどくなり、平成30年1月にグループホームに入居しました。性格的にヒステリックになりやすく、多少の暴言は、あったのですが、入居して、暴言、自傷行為、夜間の不眠が、ひどくなり、診断直後は、アリセプトを服用してたのですが、アリセプトをやめて、まず、抑肝散を服用しました。それでもダメで、次にデパケンR錠。
それも変化なく、次にバレリン。これも変化なく。
で、4月から、病院を変えて、また新しく薬をかえました。それが、リボトリール1mg、朝昼夕方。
眠剤ルネスタ2mg、すると、今まで、うるさすぎたのが、副作用で、一日中寝てる状態になり、薬を朝昼0.25mg夕1mg。に減らしました。
それでも、ボーっとする事が多く、ろれつもまわっていない状態なので、先日、夕のみ0.5mg、ルネスタ2mgに、してもらいました。
現状、リボトリール、ルネスタのみの服用なのですが、日中、元気もなく、ぼやーんとしてる事が、多く、夜は、寝てる日やずっと起きてる日やまちまちだそうです。(ホームスタッフ談)
あきらかに、直近の薬で、元気が無くなり変わってしまい、薬の調節が、非常に難しいと思いました。
暴言、不眠などを抑えるには、どうしてもこのような薬が必要なのは、わかるのですが、他に、どのような薬ならば、穏やかに生活できるようになるのでしょうか?
なんとか、母に合う薬に、出会いたいのですが…!
まとまりのない、長文で、申し訳ありません。

レビー認知症の娘さんへの回答(再々)

確か、前回もご説明しました様に「この認知症」と云う疾患は、非常にに多彩で、アルツハイマーとか、レビーとか単純に割り切れないのです。そして前回もお話しをしました様に「医原性疾患」(医師の誤診、投薬ミス)などが複雑に絡み合ったりしますと、現在の患者さんの病状を克明に診て行かないと、適切な治療は極めて困難です。また前回の話になりますが、私は認知症の初診患者さんでは30分以上はかかりますので、メールや電話だけでの診察には自信がありません。一度かなりの遠隔地から診察を受けにいらっした患者さんがいましたが、この方の場合は診察に1時間以上もかかった事がありました。私の診察は先ず患者さんとのスキンシップから開始しますので、どうしても時間がかかります。今、厚労省は遠隔地診療(タブレットなどの使用により)を計画している様ですから、この計画が実施可能になれば北海道や沖縄からでも診察は可能になるかもしれません。そんな日が早く来る事を望んでいます。
それから私の連載小説の件ですが、配送先の住所、郵便番号、御氏名、電話番号をお伝え下されば、何時でも送らせて頂きます。
緑協和病院 045-962-6666にご連絡下さい。
それでは失礼します。
「追伸」レビー小体型認知症でのレミニール服用は、薬そのもので明らかに病状は悪化させるケースが多いと言われています。一部の専門医では分かっていましたが、今でも日本中の医師の8割は理解していません。しかし、哀しい事に、このレミニールやアリセプトの副作用問題は、医療訴訟としては成立しません。何故なら日本の多くの医師が行っている医療過誤は、現代医療の常識と裁判所は判断するからです。
  【ご質問】
先生、ありがとうございます。
先生、お詫びだなんてとんでもありません。
今まで幸いにも長期に渡り病院にお世話になる事もなく過ごしてきた私達家族にとって、2016年10月に近所の認知症外来のある病院でアルツハイマーと診断(その後入院した精神科でレビーと診断されました)されてからレミニールを服用、どんどんおかしくなっていき、主治医に訴えても『薬のせいではなく、病気が進行しただけ』と取り合ってもらえないどこれか、4mgから8mgへ増量されたんです。
その後、自殺願望と暴力がひどくなり、精神科へ入院するも、どんどん壊れていく姿を見て、私はすぐにでも退院をさせたくて、地域包括センターへ在宅介護の相談を申し出た所、
『まだ精神科で薬を合わせてもらうべき、退院は急ぐべきではない』と言われ、
ケアマネージャーも紹介してもらえない状態でした。
誰を頼って良いのか、、
誰に相談したら良いのか、、
素人の私の考えが間違いでプロに任せておけば良くなるのか、、
でも、絶対、薬のせいだと思う…
そのような状態が今も続いており、
そんな中、成川先生が患者や家族に対し真摯に向き合ってくださる事がいまだに信じられません。
しかも、伺って受診していただいたのではなく、文章のみの相談でここまでしっかりアドバイスを頂けるとは思ってもみませんでした。
先生には感謝だけしかないです。
お詫びだなんておっしゃらないでください。
そして、出来る事ならお会いして感謝を申し上げたいです。
本当にありがとうございます。
25日から1泊2日、外泊しました。
入院前の昨年10月は自分でトイレに行き、排便後も自分で拭く事が出来ていましたが、もう出来ません。
トイレに行きたい、という事も言えず、うなりはじめるだけです。
もう、父と会話は出来ません。
母は、『トイレにも自分で行けないし、意志疎通も全く出来ない、大変なのは分かっているけど、一旦退院させたい』、と言ってます。
心配していた徘徊については、リビング以外が暖房がきいておらず寒いので、部屋から出ようとはするものの、『さむっ』と言いながら戻ってソファでほとんどを過ごしていました。
近々、母が主治医と面談をし、退院日を決める予定です。
名古屋の病院、そうです。
そこで、セルシンを処方してもらいました、さらに様子がおかしくなり、すぐに相談しましたが、そこでも『病気の悪化』と言われてしまいました。
母、弟と一緒に行ったのですが、私達家族の誰とも目を合わさず、ずっとパソコンに向かったままでした。
それでも、薬さえきちんと処方してくれて、父の症状が落ち着けば…と思いましたがそのような気持ちもただの期待だけに終わりました。
私が期待しすぎていたからいけなかったのですが、結局、どこも一緒なんだな…って思いました。
今の病院では、以前の精神科のような拘束はありませんが、歩き回るとクロチアゼパムを飲ますようです。
不穏時や不眠時も飲ますようです。
先生の教えて下さった(残念な事に無くなってしまった)病院のように、疲れるまで歩かせてくれたら言いのに…
2016年10月から、色々有りました。
何度も警察にお世話になりましたし、沢山の薬の服用、それにより、肝臓を悪くしたり、不明熱で精神科から県立医療センターに転院したり。
先生のおっしゃるよう、手遅れなのかもしれません。
服が着られなくなり、箸が使えなくなりました。
全く意味不明の事をずっと話し続けています。
ただ、母や私の事は分かります。
飼い猫の事もしっかり覚えており、帰ってきた時も猫の名前を呼んでいました。
退院後、薬、どうしたら良いでしょうか?
先生に診て頂きたいのですが、父を横浜まで連れていくのは難しく…
私だけが伺っても薬を調整して頂く事は無理ですよね?
霜月の夕暮れ、ぜひ読まさせてください。
先生の病院へ問い合わせさせて頂いても良いでしょうか?
今回も長文で失礼致しました。

レビー認知症の父の娘さんへの回答(再)

この薬の服用の、仕方は完全にDLBに対する処方の仕方であるとは思いません。失礼ですが、認知症に深い知識を持った医師の処方ではありません。行き当たりバッタリの処方でしかありません。同じ医師として心からお詫び申し上げます。まずDLBの基礎を復習してみましょう。(1)抑うつ状態
(2)薬剤過敏症状: ちょっとした風邪薬でも副作用様が長引く、
(3)自立神経失調症状(便秘、不眠など)
(4)REM睡眠行動障害(夢遊病者に似た症状です)
(5)パーキンソン症候群
(6)幻覚、妄想など
これ以外にも微妙な症状が多彩にあります。
この中で一番注意しなければならないのは安易な薬剤投与です。何故なら「薬剤過敏症状が強い」からです。慎重にも慎重を重ね、その患者さんにあった薬剤を増やしたり、減らしたりしながら治療効果を診て行くのです。DLBの初期症状では私は、殆ど薬剤を使用しません。丹念なカウンセリングと脳トレ(励まし、励まし)が
私の基本方針です。そしてご家族にDLBの介護方法の基礎を学んでもらいます。先ず第一は本人の言動や誤ちを決して否定しないと云う事です。どの様な状況であれ、相手の人間性を否定するのは絶対にしてはいけない事です。
さらにウインタミン散の処方ですが、今の薬に付け加えると云うのは論外です。私の見解では今までの薬を全部検討することから始めるべきです。名古屋で著名な先生がいて、一度診察に行かれたと書かれていましたが、もしかしたら「名古屋フォレストクリニック」の河野和彦先生の事でしょうか?…私も彼の著書を何冊か読んでいますが、彼の診察態度が仰る通りの状況でしたら、私は失望のあまりショックを隠せません。私なら初診の患者さんに最低でも30分以上はかけます。まあ、そんな私事はどうでも良い事ですが、お父様の現在の病状は、いわゆる「医原性疾患」(医師が処方ミスなどで作り出してしまった病気)に近いかもしれません。失礼を顧みずに申し上げれば、かなり手遅れに近い病状かもしれません。そうでない事を祈っていますが…
また、私の認知症に関する連載小説は出版しておりません。出版などで、他人の目に触れる事を嫌っているからです。ご希望があれば、ご自宅に無料で送らせて頂きます。外来患者さんにも無料で皆さんに読んもらっています。
タイトルは「霜月の夕暮れ」です。
宜しければ、またの質問をお待ち申し上げております。なお、三重県四日市市で「認知症専門医」が何処にいるのかは分かりません。日本認知症学会に所属している医師なら調べられますが、その方の人間性までは分かりません。結局は医師と雖も、その人間性につきますから。実際に私も大学病院での「認知症」に関する誤診を沢山見ていますので、医師の私が言うのも変ですが、私もかなり「医療不信」を持っているのです。
  【ご質問】
先生、早速のご回答ありがとうございます。ご多忙な中、本当にありがとうございます。感謝します。(エラーになった為、コメントが重複し失礼いたしました。)
本日、外泊で朝から帰宅しています。
前回の外泊は1月で、その時も思ったのですが、段々出来る事が少なくなってきており、ずっとオムツを充てている為、排泄をトイレで行う事さえ出来ない状態です。
入院していて、出来ない事が増えてしまう事が本当に悔しく思います。
今日、迎えに行った時、不穏でした。
看護師さんから
『便が5日間出ていない。浣腸や下剤は使っていない』との事。
(前回の外泊時、下剤服用後の浣腸で、下痢がひどく、帰宅してから大変だった為、今回は"浣腸、下剤"を控えて頂くようお願いしました)
不穏の原因はきっと便秘、何とか便を出してあげたいと思い、病院からの帰り車内で、野菜ジュースを2本、帰宅後、お茶をコップに3杯飲んだら、大量の便が出ました。
そして、不穏はおさまり、その後1時間程寝ていました。
こういう工夫って病院ではしてくれないのでしょうか?
三重県四日市在住なのですが、先生のようなお考え、対応をしてくださるお医者さまは、こちらの地域にはいらっしゃらないでしょうか?
もしいらっしゃったら紹介をして頂きたいです。
名古屋で著名な先生ということで、1度、お世話になりましたが、診察時間が1分程で、しかも何も答えられない父に対し、『アスペルガーか!』って言ったんです。
医者に対する不信感の中、先生のブログに出会い、先生のような素晴らしいお医者さまがいるんだ…と思いした。
先生が信じられない程、真摯に向き合ってくださる事に、本当に感謝します。
先生の見解で病名まで教えてくださり、本当に本当に感謝します。
ありがとうございます。
あと、先生、お時間が有る時で構わないのでウイタミン散について教えてください。
現在下記を服用していますが、ウイタミン散も処方してもらっても良いでしょうか?
(1度目の入院をした病院で、リスペリドン、テトラミドなどの副作用で薬剤性不明熱、そして廃人同様になった旨を説明して今の薬を処方して頂いてます)

・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ネシーナ錠
・パンテチン錠
・パルプロ酸ナトリウム
・アリナミンF

・朝の薬 ― ネシーナ錠

・昼の薬 + 330マグミット
眠前
・330マグミット
・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ロゼレム錠
・ルネスタ
・100パルプロ酸ナトリウム
今も目の前に父がいますが、ずっと意味不明の事を話していて、どんどん壊れていきます。
何度も申し訳ありません。
先生、アドバイスを頂けたら幸いです。
(先生の御本も拝読させて頂きたいので、タイトルを教えてくださいませ。)
先生、早速のご回答ありがとうございます。ご多忙な中、本当にありがとうございます。感謝します。
(エラーになった為、コメントが重複し失礼いたしました。)
本日、外泊で朝から帰宅しています。
前回の外泊は1月で、その時も思ったのですが、段々出来る事が少なくなってきており、ずっとオムツを充てている為、排泄をトイレで行う事さえ出来ない状態です。
入院していて、出来ない事が増えてしまう事が本当に悔しく思います。
今日、迎えに行った時、不穏でした。
看護師さんから
『便が5日間出ていない。浣腸や下剤は使っていない』との事。
(前回の外泊時、下剤服用後の浣腸で、下痢がひどく、帰宅してから大変だった為、今回は"浣腸、下剤"を控えて頂くようお願いしました)
不穏の原因はきっと便秘、何とか便を出してあげたいと思い、病院からの帰り車内で、野菜ジュースを2本、帰宅後、お茶をコップに3杯飲んだら、大量の便が出ました。
そして、不穏はおさまり、その後1時間程寝ていました。
こういう工夫って病院ではしてくれないのでしょうか?
三重県四日市在住なのですが、先生のようなお考え、対応をしてくださるお医者さまは、こちらの地域にはいらっしゃらないでしょうか?
もしいらっしゃったら紹介をして頂きたいです。
名古屋で著名な先生ということで、1度、お世話になりましたが、診察時間が1分程で、しかも何も答えられない父に対し、『アスペルガーか!』って言ったんです。
医者に対する不信感の中、先生のブログに出会い、先生のような素晴らしいお医者さまがいるんだ…と思いした。
先生が信じられない程、真摯に向き合ってくださる事に、本当に感謝します。
先生の見解で病名まで教えてくださり、本当に本当に感謝します。
ありがとうございます。
あと、先生、お時間が有る時で構わないのでウイタミン散について教えてください。
現在下記を服用していますが、ウイタミン散も処方してもらっても良いでしょうか?
(1度目の入院をした病院で、リスペリドン、テトラミドなどの副作用で薬剤性不明熱、そして廃人同様になった旨を説明して今の薬を処方して頂いてます)

・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ネシーナ錠
・パンテチン錠
・パルプロ酸ナトリウム
・アリナミンF

・朝の薬 ― ネシーナ錠

・昼の薬 + 330マグミット
眠前
・330マグミット
・デパケン細粒
・カルバマゼピン細粒
・ロゼレム錠
・ルネスタ
・100パルプロ酸ナトリウム
今も目の前に父がいますが、ずっと意味不明の事を話していて、どんどん壊れていきます。
何度も申し訳ありません。
先生、アドバイスを頂けたら幸いです。
(先生の御本も拝読させて頂きたいので、タイトルを教えてくださいませ。)

レビー小体型認知症の父の娘さんへの回答

レビー小体型認知症DLBは、この7~8年でやっと社会的な認知度を深めて来ました。それまでは何でもかんでもアルツハイマー型認知症ATDと診断されていたものが、実はDLBの方が患者数が多く、問題が深刻化している事が遅まきながら医者の間でも理解度が加わって来たのです。その為に一般医はともかく精神科医でも、その治療法に精通していない方がかなり多く見られます。それと昨今の日本認知症学会の発表では、単独のDLBやATDが少なく混合タイプが多くなっている事実も確認されています。74才のお父様は単独のDLBと言うよりは、一部ピック病が合併しているのではないかと思われます。これはレビー・ピックコンプレックと呼ばれている病名です。非常に複雑な病状を呈しますので、通常の精神科医の手には余るでしょね。病状に精通していない精神科医ですと、病気は悪くなるばかりです。根本治療は少量の精神安定剤(あくまで少量でウイタミン散10~20mg/day程度です)、後は脳トレと一日に数回の散歩(これにより徘徊は軽快します)、そして音楽療法(童謡、懐メロ)などです。しかし一口に脳トレと言ってもそれなりのテクニックがあります。この脳トレは病院では、あまりはやってくれません。もちろん施設でも…。現状では在宅でやるしかありません。病院や施設でやるには現状の医療保険や介護保険では人的状況や経済的な理由で困難だからです。私の近所でも、徹底な認知症治療に当たっている病院があり、そこの院長が驚くほど医学的な良心に燃えていた方で、実に真摯に認知症医療に取り組んでいましたが、ベット数300の病院は4年程で潰れました。患者1人に常時3人の介護職員が24時間付ききりで認知症治療に当たっていましたが、とても現在の保険制度ではそんな費用は出ません。結局は60億円以上の赤字経営で倒産しました、しかし、そこの病院での治療効果は抜群でした。患者さんの徘徊も、ご本人が疲労で動けなくなるほど自由にさせていました。夜中でもです。そして徘徊は静まりました。こんなにも認知症が良くなるんだと思うほどです。
私も現在は外来で多数の認知症患者さんを診ていますが、入院はさせません。患者家族がどんなに辛くても私のアドバイスに従って治療に当たって下さった方のみが、認知症治療に成功しています。施設や病院では悪くなるばかりです。しかし、在宅と言うのは簡単ですが非常に困難な道である事は充分に認識しているつもりです。私は認知症に関する本を何冊か書いていますが、認知症治療の最大効果は「患者家族の大きな愛」です。私の外来患者では100人に20数名が、認知症治療に大きな成果を示しているに過ぎません。ご家族が支え切れないからです。それでも私は認知症治療に取り組んでいます。それ以外にも一口に認知症と言っても動脈硬化性の部分や生活習慣病の部分、飲酒、喫煙などを総合的な配慮が必要ですから、精神科医に適切な治療は困難かと思われます。他にも具体的な質問があれば承りますので、何時でもご質問下さい。
【ご質問】
ご多忙な中大変恐縮ですが、アドバイスを頂きたいと思いコメントさせて頂きました。
父(74)はレビー小体型認知症と診断され、精神科の入退院を繰り返しています。
在宅介護は母(74)がする事になります。
私は離れて住んでおり、休みの度(週1)で帰る予定です。
主治医からは何度か外泊をしてみて、在宅介護が可能なら退院をしても良いと言われています。
私と母は、父に対する病院の対応なども良くないため、退院させて様子をみたいと考えています。
看護師からは、『病棟を歩き回るから在宅は無理』と言われる事もありますが、やる事がないから歩き回るのでは…と思う事もあります。
私より遠方に住む弟は、母が一人でみるのは無理、入院させておいた方が良い、と考えているようです。
今回の入院理由は"自殺願望、徘徊、暴言、暴力"がひどく薬調整の為でした。
3度目の入院で、今の病院にお世話になるのは2度目です。
主治医に相談したら良い話なのですが、
何の連絡も無しに主治医が変わり、主治医が変わった事を3か月後に知ったという事が有り病院に対して不信感が有ります。
昨年10月から入院をしており、母が週2、私が週1で面会に行ってますが特に暴言をはいたり暴力的なところは見られません。
退院後はデイサービスにお世話になろうと思っています。
父が外泊した時、見学に行ったのですが、父を人間扱いをしてくださる、すごく良い職員さんがいらっしゃり、安心しました。
病院では、そのような扱いをしてくださらないので…
このような状況なのですが、退院についてどう思われますか?
病院で歩き回っていたら、退院後に徘徊するでしょうか?
ご多忙な中、またメールでの相談で情報も少なく申し訳ありません。
アドバイスを頂けると幸いです。

原田さんへの回答

お母様の消化器症状は、明らかにアリセプトの副作用です。この様に副作用が強く出る患者さんでのアリセプト使用は百害あって一利なしです。アリセプトは即刻中止して下さい。かつて全認知症の半数以上がアルツハイマー型の認知症と言われ、盛んにアリセプトが多用されておりましたが…
昨今の知見では純粋なアルツハイマー型の認知症は10%前後だと言われています。それよりはレビー小体型認知症が40%以上はいるのではないかと考えるのが、認知症専門医の常識となっています。
ですからアリセプトを中止すると、病状がどんどん良くなって行くケースが増えています。私の認知症外来では、極力薬は使わず「脳トレ」と「生活習慣の改善」に努めています。アリセプトとかメマリを安易に使用していた時よりは認知症の改善率は確実に向上しています。
    【ご質問】
母のアリセプト服用について悩んでいます。もう長く服用していますが、今考えると軽い下痢から始まり吐き気やおう吐胃の不快感・食欲不振・頭痛の症状はあったのですが、胃カメラをしたり様子を見る感じで今まで来ました。たまに一瞬ですが気を失うこともありました。そしてずっと続いているのが足の不随意運動です。
今まで先生に症状を伝えても副作用の関連の話は出なかったので、何年も私はそのままにしてきましたが、アリセプトの副作用に該当してました。
アリセプトを飲んでいたから、今の状態なのか?でも年々進行しています。
アリセプトの服用を中止は、家族の意思でできるのでしょうか?止めない方がいいのでしょうか?
今までの母の症状が副作用関係していたなら、私のアリセプトを服用させる選択は母を苦しめただけなのでしょうか?どうしたらいいか分からずメールしました。すみません

一成さんへの回答

確かに「脳トレ」も、程々にしないとお母様への精神的負担となるのは事実でしょう。あくまでもゲーム感覚が重要ですし、常に賞賛する事を忘れてはいけません。また同じ様な「脳トレ」を繰り返していますと、飽きて来ると思いますので今日は別の「脳トレ」も紹介しましょう。ご参考になれば幸いです。

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高橋正和さんへの回答

至急と言われますと、少し返答に困りますが…
一般的には認知症の便秘対策に、便秘薬や下剤がよく用いられています。しかし、便秘薬や下剤は、激しい腹痛を伴うこともあります。この激しい腹痛は、認知症の人にとっては、反って、自己の危機感を強くすることもあり、周辺症状が、むしろ悪化することもあります。また、便秘薬や下剤を常用しますと、次第に、それらの効果が減弱化するという欠点もあります。さらに、便秘薬や下剤には、敗血症の原因となる大腸内に生息する大腸菌などの悪玉菌を除菌する作用はありません。このように、認知症の便秘対策に、便秘薬や下剤の使用は最適であるとはいえないことになります。
認知症の便秘対策には、便秘の解消のみならず、便秘の予防効果や大腸菌などの悪玉菌を減らし、腸内環境を整えることが求められます。また、長期に使用することができるという点も重要となります。イヌリン食物繊維は、これら認知症の便秘対策で求められる全ての要件を満たす最適な便秘対策のツールとなります。イヌリン食物繊維は、ニンニク、ゴボウ、アスパラなどに含まれる水溶性の食物繊維で、他の食物繊維とは異なり、膨じゅん化(ゲル化)しない特徴を有する食物繊維です。イヌリン食物繊維は、水によく溶け、大腸に生息するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となって、それら善玉菌を効果的に増やします。腸内に生息する腸内細菌の数は一定ですので、ビフィズス菌などの善玉菌が増えれば、相対的に大腸菌などの悪玉菌は減少し、腸内環境は改善され、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染のリスクが低下します。すなわち、イヌリン食物繊維は、認知症の死亡原因となる尿路感染による敗血症の予防対策につながることになります。また、ビフィズス菌や乳酸菌は、イヌリン食物繊維を代謝させた時に副産物として、酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸を分泌させますが、これらの有機酸には、便を軟らかくする効果があり、それにより、便秘が解消されます。また、イヌリン食物繊維は、膨じゅん化しない食物繊維ですので、腹部膨満感や腹痛を伴わない特徴があり、認知症の人に違和感を与えない利点からも、認知症の便秘対策には最適であるといえます。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。認知症に伴う便秘の予防と改善に、このような健康補助食品を活用することも有用です。
認知症を根治させるお薬や治療法は、未だ確立されておりません。しかし、有効な便秘対策を講じることによって、介護の障害となる認知症の周辺症状を軽減させことができます。認知症の介護で大切なことは、認知症の人から自らの恐怖感や危機感を取り除いてやることです。便秘は、認知症の人の危機感や恐怖感を与える重要な要因となっています。
それらの対処法としては、一つの参考に水溶性食物繊維・サプリメント スティムフローラ -Stimflora -が、お勧めです。
貴重な天然成分イヌリン食物繊維99.5%のプレバイオティク・水溶性食物繊維サプリメントです。
タブレットタイプですので、水に溶かさず、そのままお召し上がりいただけます。もし、宜しければ一度お試し下さい。それ以外にも個々の症状に合わせた漢方薬(大建中湯とは違った)の組み合わせによる便秘対策もあります。
      【ご質問】
私はレビー小体型認知症の初期と診断され便秘がひどく苦しい状況です。レビー小体型認知症には便秘などの自律神経障害があるといわれていますが、即効性のある対策を教えてください。日ごろの運動等の対策や決まった時間での排便などはわかりますが至急排便したいのですが対策を教えてください。

一成さんへの回答

77才だったお母様は、78才になったのでしょうか?
長谷川スケールが22~23点 だったのが28点ぐらいにまで改善して来たと、前回は伺った様に記憶しています。それが現在ではバラつきはあるものの23~27 点ぐらいで経過しているとの話ですが、少なくても認知機能が悪化していないのは事実でしょう。サプリの影響なのか、一成さんの献身的な努力(脳トレを含めた)なのかは疑問が残りますが、私は一成さんの努力が大きいと考えています。昨今私が目にした論文で興味深いものに、2009年から2011年にかけてフィンランドで行われた「高齢者の生活習慣への介入による、認知機能障害予防の研究」があります。
研究に参加したのは60歳から77歳までの1260人です。被験者として認知機能が年齢相当か、少し低いくらいの人が選ばれました。この中から半分の人をランダムに選び「生活習慣改善グループ」として、食事療法、運動、脳のトレーニング、血圧管理など様々なプログラムを2年にわたって受けてもらいました。残りの半分の人たちは「対照グループ」として、一般的な健康アドバイスだけを定期的に受けてもらいました。 プログラム実施期間に入る前と1年後、さらに2年後のプログラム終了時に「認知機能テスト」を行い、結果を比較しました。
まずはバランスのとれた食生活
「生活習慣改善グループ」が行った食事療法を以下にご紹介しましょう。ぜひ、ご自身の食生活と比べてみてください。
タンパク質は1日に摂取する総エネルギーの10%から20%にする
脂肪分は1日に摂取する総エネルギーの25%から35%におさめ、以下の内容にも気をつける
・飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸は10%以下
・一価不飽和脂肪酸は10%から20%
・多価不飽和脂肪酸を5%から10%
(オメガ3脂肪酸を1日に2.5グラムから3グラム含める)
炭水化物は1日に摂取する総エネルギーの45%から55%にする
食物繊維を1日に25グラムから30グラムとる
塩分は1日5グラム以下
アルコールは1日に摂取する総エネルギーの5%まで
砂糖は1日50グラムまで
バターの代わりに植物性マーガリンや菜種油を使用
少なくとも1週間に2回魚を食べる
野菜や果物を豊富に取り、精製していない穀物、低脂肪牛乳、肉製品を積極的にとりいれる
定期的な運動や脳のトレーニング
さらに、「生活習慣改善グループ」の人たちは「運動」と「脳のトレーニング」も行いました。運動プログラムはそれぞれの人の体力や体調に合わせて用意され、ジムで理学療法師の指導のもとで行いました。内容は膝屈伸や腹筋、背筋などを含む週に1回から3回の筋肉トレーニング、そして週に2回から5回の有酸素運動です。
「脳のトレーニング」は、グループセッションと個人セッションに分けて行いました。グループセッションでは、記憶や認知機能の年齢による変化や、日常生活への対応のしかたなどを学びました。さらに、コンピューターを使って学習進度の測定を行いました。個人セッションは、ワーキングメモリーやエピソード記憶、実行機能などの認知機能を鍛えることを目的に作られたプログラムを、各自が家でコンピューターを使って、1回に10分から15分、週に3回行いました。
さらに、メタボ健診と血管リスク管理として、定期的に血圧や体重、BMIなどの身体測定を行いました。
総合的に生活習慣を見直すことで認知機能低下のリスクが抑えられました。
どちらのグループも、プログラム終了時のほうが最初よりも成績が良くなっていることがわかります。特に「記憶」に関しては、両グループ間の差は、それほど大きくありませんでした。
しかし、「実行機能」や「処理速度」といった項目では、「生活改善グループ」のほうが「対照グレープ」よりも成績が著しく向上していました。「実行機能」とは、ある課題や目的を果たすために、必要な情報を判断して計画を立て、その計画を効率的に実行して目的を果たす能力です。プログラム終了時の「改善グループ」の成績は「対照グループ」に比べて、実行機能で83%、また処理速度は150%高くなっていました。さらに解析したところ、「対照グループ」は「生活改善グループ」よりも、約1.3倍、認知機能低下のリスクが高いことがわかりました。以上の結果から、生活習慣を様々な側面から見直すことで、認知機能の低下を効率的に抑えられることが示唆されました。
以上の結果から推測されます事は、現段階では医薬品やサプリより、生活習慣の改善や脳トレの方が認識機能の改善に役立っているかもしれないのです。多くの日本の医師は、この事実に余り注目していません。
「これからどんどん酷くなるや、医師が介護申請勧めるなら従うべき! 進行するだけなんだから」との発言は、医師を含め介護に携わる人達の不勉強さの現れとしか思えません。認識症の基本治療は何かと言えば、現在の医学水準で考えれば、家族の方の大きな愛です。将来的には医学的に解決される部分も多くなるとは思いますが、未だ認識症の治療に関して医師の診断は当てにならない事の方が多いのが現実です。一成さんは自信を持って、今のペースでお母様の介護を続けて行けば良いと思います。
【ご質問】
成川様お世話になっております。
度々の質問お許しください。 母の状態ですが、成川様に教えて頂いた脳トレを実践しています。日数はかかりますが1日1~2回ですが2分音読し2分で書き込む 初級コースから始めました。初級コースで1週間後ぐらいに合格で現在上級コースまで行きました。日によって3つしか書けなかったり6つ書けたりです。 その他簡単な脳トレをタブレットのアプリで毎日しています。 計算や神経衰弱や間違い探しなど…… 
月1でやっている長谷川式スケールはバラつきはありますが、23~27 MMSは26~29です。 記憶障害は現時点でも認められますが、アルツハイマーの診断から薬を服用せず1年近く経ちます。 日常生活も物忘れ以外は特に変化はみられません。 その日の出来事を思い出せない事があるから認知症なのは間違いないと思います。 あるサイトで質問した所、これからどんどん酷くなるや、医師が介護申請勧めるなら従うべき! 進行するだけなんだからと言われました。 確かにそうかも知れません。母も物忘れが酷い事は実感しているので気おつけないといけないって毎日言ってます。
色々考えたりネットで認知症の事を調べていると悪い方にしか考えられなくなってしまい母が1人で出来る事にも口出ししてしまい余計な不安を与えてしまったりと悪循環になっています。 
良くはならなくても現状維持はできると思い頑張ろうと思います。海馬だって鍛えれば新生するとも聞いたので。
読みずらい文面で申し訳ございません。成川様からなんでも構いませんのでアドバイス頂けたらと思い書き込みました。
よろしくお願い致します。