認知症の質問を受けつけます。

 横浜市青葉区にあります緑協和病院の成川と申します。これからは皆さま方の貴重なご意見を拝聴しながら、認知症の治療に取り組んで行きたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 先ず認知症と昨今言われている概念ですが、大雑把に言えば、脳血管性認知症(VD)と、これまで老人性認知症と言われていた病状は次のように分類されています。つまり、アルツハイマー型認知症(ATD)、ピック病もしくは前頭側頭型認知症(FTD)、さらにレビー小体型認知症(DLB)と言われているものに大別されます。
これからも時代の進展とともに認知症の病型はさらに細分化されていくと思いますが、現時点では上記の病型分類で事は足りると思います。診断と治療法は未だ十分には確立されてはおらず、専門医の間でも、かなり意見は別れています。それでも私たち臨床医は学会文献にのみ、とらわれず日々の診療を通じて、その指針とすべきものは患者さまの訴えや、ご家族さまの介護苦労や時に医療不信にも出来る限り何かしらの道しるべを一緒に見出せないものかと考えて、このBlogを立ち上げました。

 それでは、これからBlogで頻回に使われる用語の説明をします。

(1) アルツハイマーのピック化
アルツハイマー型認知症にピック病 (前頭側頭型認知症)の合併した病状で物忘れが中核症状のアルツハイマーに加え、暴言妄想が中核のピック病が合併した症状をピック化と言います。
(2) アルツハイマーのレビー化
アルツハイマー型認知症にレビー小体型認知症が合併した病状で、物忘れに加え幻覚やうつ症状さらにパーキンソン症状が付け加わった病状です。
(3) レビー・ピックコンプレックス
レビー小体型認知症にピック病の合併した病状で暴言妄想に加えパーキンソ症状さらに薬剤過敏症状(風邪薬でもアレルギー症状が強く出る、これがレビー小体型認知症の特徴の一つ)や睡眠障害(REM睡眠障害)等が見られる病状です。
(4) その他
脳血管障害にアルツハイマーの合併や、脳血管障害にピック病もしくはレビー小体型認知症の合併とか、ともかく一口に認知症と言っても、その病型は複雑多岐にわたり私たち臨床医を悩ませているのです。
 
 以上、簡単な説明ではありますが、より詳細な事はご質問にて承ります。
それでは皆さま方のご質問、アドバイス、その他叱責等も多数頂けます事を希望して止みません。

これまでに寄せられたご質問をまとめております。
左のカテゴリよりご覧下さい。



☆こちらに記載されていた脳内ホルモン性格テストは、脳内ホルモンのカテゴリに入っています。



医師募集


ご質問と回答

診察室からコンニチハ


霜月の夕暮れ


断章(日々の思い)に続く


哀しみの果てに


想い出は風の彼方に


認知症詩集


美しい老後を迎えるには

診察室からコンニチハ(216)

【コロナウイルスの本質(2)】

安部政権は情報の隠蔽はしていませんが、基本的にはコロナウイルスPCR検査を極力受けさせない方向で保健所等の行政施設は動いていたとの噂がしきりでした。
日本医師会のアンケート結果でも、この行政指導には不満が続出していました。
大学病院など独自にPCR検査が出来る体制を持っているところは別ですが、中小規模の医療機関では通常の生化学検査ぐらいが限界で、PCR検査までの院内設備は保有出来ません。通常は外注の検査センターで結核などのPCR検査は、気軽に依頼して翌日には結果が出て来たのですが、今回のコロナウイルスに限っては、その外注も受けつけてもらえませんでした。加藤厚労省の大臣は、この3月初旬には健康保険制度でPCR検査が出来ると説明していましたが、実態は上記の通りでした。
話しは変わりますが、令和2年には何かが起こると年号が変わった時から私は、密かな不安を抱いておりました。なにを申し上げたいかと言いますと、歴史上の事実として昭和2年には、昭和の金融恐慌が発生していました。平成2年にはバブル崩壊で日本経済が失墜しています。そして、この令和2年でした。何もなくこの1年間が無事に過ぎていく事を祈っていましたが、私の嫌な予感は当たってしまったようです。
次回に続く

診察室からコンニチハ(215)

【コロナウイルスの本質(Ⅰ)】

世界中が、この未曾有の危機にどう対応して行くのか?
2020.東京五輪もやっと延期に決定しましたが、何故こんなにも延期決定が遅れたのでしょうか?
これは我国から「五輪延期」を申し出ると、IOC (国際オリンピック委員会)から膨大な補償を請求される危険があったと言われています。
一介の医師に過ぎない私ごとき者に事の真相は知り得る訳もないのですが。ともかく私たちの税金から何10兆円と言う補償金が支払わされる事実はあったのではないかと、想像されるのです。もし、そんな事になると、コロナウイルス以上に日本経済が破綻して私たちの社会補償も医療制度も全てが崩壊する危機さえあったのです。一部マスコミには知り得ない、時の為政者には計り知れない苦労があったのです。
私は何も安部政権の支持者でも何でもないのですが、戦後史を学べば学ぶほど、安保問題、沖縄返還、北方領土その他、一般大衆には知り得ない現代史の裏側から多くの推察をしているだけです。
海外に比べて国内の感染者数は、どうしてこんなにも少ないのか?
韓国や諸外国からも不思議な視点で疑問を抱かれています。
現場の医師としての感想は、やはり政府と厚労省が意識的にPCRの検査をさせなかったという事実は幾度も味わっています。
それもこれも、その後の日本経済の壊滅を恐れた結果からでしょうが。
それでも、現場の医師から見ての現実はやはりブログ上に説明する義務があると思います。詳細に関してはまたの説明にします。
次回に続く

診察室からコンニチハ(214)

病原性微生物は、人類が顕微鏡の発見によりその存在に気づいたのです。初期の光学顕微鏡は1590年にオランダで眼鏡屋をしていたヤンセン父子によって発明されていましたが、実用的な使用報告はありませんでした。
その後、光学顕微鏡による生物研究は多大な進歩をもたらし約300倍率まで発展しました。その後も進化を続け現在では1000倍率以上までの性能となっています。
この性能向上により、寄生虫や細菌などの存在がが次から次へと解明されて来たのです。
病原性微生物は、その大きさにより
原虫、真菌、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ウイルスなどに分けられます。
原虫と呼ばれ病原性をもつものは約30種、マラリアを筆頭に各種トリパノソーマ症、リーシュマニア症、アメーバ赤痢、アメーバ性髄膜炎、トリコモナス腟炎(ちつえん)、トキソプラスマ症が代表的です。この様な原虫は光学顕微鏡レベルで容易に発見出来ましたので、日本の家畜や家禽(かきん)の寄生種は約250種で、とくにトリパノソーマ、トキソプラスマ、サルマラリア、バベシア、ノセマなどは、人獣共通感染症をおこすので重要でした。水産生物、とくに養殖魚に致命的な被害を与える鞭毛虫、繊毛虫、各種の胞子虫類も有名です。
真菌とは、いわゆるカビで水虫の原因ですが、抗生剤の乱用では「肺真菌症」という致死率の高い病状を呈する事もあります。
細菌は多くの種類があり、肺炎や結核など多くの病気を引き起こします。原虫、真菌、細菌感染などは20 世紀の医学で、その多くが克服されて来ましたが、耐性菌の問題は今もって医学界の大きな課題となっています。通常の抗生剤に抵抗を示す細菌は、現代医療でも医師泣かせです。
さて問題となるウイルスですが、これは細菌の100万分の1ぐらの大きさで、光学顕微鏡では全く解明されません。1931年にドイツの技術者エルンスト・ルスカ (1906–1988) とマックス・クノール (1887–1969) による電子顕微鏡の発明によって、ウイルスの粒子、特にバクテリオファージが複雑な構造を持っていることがはじめて明らかにされました。電子顕微鏡は光学顕微鏡の1000倍以上の解析能力があり、この新しい顕微鏡により、初めてウイルスの存在が発見されたのです。
さらに結核菌やウイルスの遺伝子解析が始まったのは20世紀末から21世紀初頭からです。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
そういう意味でも 今後の日本の行方は極めて不透明と言っていいのでしょう。
PCR検査も、安倍政権を擁護する評論家などが「パニックになるから検査はしない方が良い」という表現をしていましたが、それならそれで東日本大震災時と同様の危機感をいかに持てるかです。まさに危機管理の問題です。ここでの対応を誤れば、もっとすさまじいパニックになることも想像すべきでしょう。
あらゆる政治的判断に、客観的なウイルス感染のデータというものが一切利用されておらず、安倍首相がよからぬとりまきの進言だけで猛烈にエモーショナルな決定と要請を行うため、ひとつひとつの要請にも事実に基づく合理性は生まれません。
「ここ1~2週間が山場である」とされた時間を過ぎても、ピークを過ぎたのかどうかすら誰も判らないという、恐ろしい状況が延々と続いています。
【街の景気は最悪の状況に到達】
ただ経済指標としてこうした状況が数字に現れるのはまだかなり時間がかかりそうで、政権が口にする景況感と実態とがすでに大きく乖離してどうにもならないところにきてしまっていることを強く実感します。
新型コロナウイルスの検査について厚生労働省は、医療機関などへの説明会を開き、新型コロナウイルスの検査を幅広い医療機関で受けられるよう公的保険の適用対象とする方向で調整し、2月28日夜に民間の医療機関や検査会社、それに大学などの関係者を集めて説明会を開きました。
この中で加藤厚生労働大臣は「検査を十分に行える体制になっていないという指摘や不安に応えるため、体制をさらに充実させる必要がある」と述べ、協力を求めました。
そして、来週半ばにも検査を公的保険の適用対象とする手続きを終えられると説明していましたが、現状は一般病院での検査体制は皆無に近い状況が継続しています。
「2020.02.29. A.M.3:00ニュース」
しかし、その後も加藤厚生労働大臣の発言がいかに空虚であるかを物語るように、一般病院でのPCR検査の許可は下りず厚労省の関連した検査機関や大学病院のみでの検査が実施されていたに過ぎません。
韓国や諸外国のように、一般病院でのPCR検査が実施されると明らかに日本国内でのコロナウイルス感染者は激増することは間違いないでしょう。以下に厚労省のコメントを載せておきます。
『患者の診断目的で使用されるPCR検査への支援』という名目の内容ですが、現場の医療関係者には理解できない事案です。韓国から、この間に日本のPCR検査の不備と情報隠蔽を指摘されましたが、その一部にはそれなりの真実も含まれているかもしれません。現在の日韓関係を鑑みると、かなり中傷的な発言が韓国には多すぎてはいますが…。
厚労省は次のような説明をしています。
「医療現場において求められる、早期診断を目的とした検査ニーズの増大に応えるためには、全国の医療機関、民間の検査機関での検査体制の拡充が必要です。本所では、試薬の提供を中心に、最大限の努力をはらう」との話でしたが、実際のところは…ただの飾り言葉に過ぎませでした。ここまで国民を馬鹿にした厚労省という機関の存在意義はどこにあるのでしょうか。
3月6日時点で地方衛生研究所、検疫所以外の検査機関、計140箇所(民間検査会社18社、大学病院およびその他の病院89箇所、保健所等33箇所)への送付を完了したにすぎません。今後も希望に応じて配布を進める予定である」との見解でしたが…。何とも遅速な対応です。
日本全国には、一般病院が8,357、診療所が102,144箇所(平成30年現在)あるのに、厚労省が認めている検査機関は数パーセントの140箇所でしかないのです。

診察室からコンニチハ(213)

注)人類の歴史
人類の起源は、猿人と呼ばれます。なかでも有名なのはアウストラロピテクス(「南の・サル」の意味)です。中東アフリカで見つかった、ルーシーという名前で有名なアウストラロピテクスの女性の一個体は、400万年から300万年くらい前に生きていたと考えられています。初期の人類の祖先の化石が見つかる地域はアフリカに集中しています。
猿人の次の段階に来るのが原人です。
原人はホモ・エレクトスとも言い、アウストラロピテクスが身長140~150cmくらいだったのに対して、160~180cmくらいあったそうです。大体180万年前くらいからアウストラロピテクスから進化したようです。脳の大きさは900~1100ccくらいで、猿人の2倍以上になっています。
そして20万年前に出現したといわれています現在の人類の祖先たるホモ・サピエンス(ネアンデルタール人)の誕生です。
このブログが公開される頃には、コロナウイルス2019の拡大で社会は騒然たる状況になっているでしょう。フェイク・ニュースが飛びかい私たちの生活は不安な状況に追い込まれているかもしれません。私のこの様な冗漫なブログにイラ立たしさを抱く人たちがいるかもしれません。しかし、私はこの様な不安が蔓延している時代であるからこそ、インフルエンザウイルスの根源について丁寧な説明が必要でないかと思うのです。次回は病原性微生物について、詳細にお話しいたします。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
【シナリオ②】
消費は半減? 東日本大震災級の景気落ち込み!
能天気な「緩やかな景気回復」の化けの皮が剥がれる?
東京商工リサーチがこの2月20日に発表した『新型コロナウイルスに関するアンケート調査』によりますと、「現時点ですでに影響が出ている」と答えた企業が2806社(22.72%)、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」は5401社(43.74%)、「影響はない」と答えた企業は、4141(33.54%)となっています。
65%超の企業が「影響が出てくる」とみているわけです。実際に、新型コロナウイルス感染拡大によって、さまざまな分野で影響が出ています。2月24日時点でわかっている影響を紹介すると次のようになります。
●インバウンド……三越伊勢丹では春節にあたる2月4~10日の売り上げが昨年比2割減
●東海道新幹線乗客数……2月1~19日の新幹線乗客数は対前年比で1割減
もともと日本経済は2018年末辺りから、景気が落ち込んでいると言われており、例えば民間設備投資の先行指標である「機械受注統計」では、2019年12月の数字が前月比12.5%と大きく下落しています。機械受注は変動幅の大きな統計ですが、コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける前に、すでに2ケタの減少になっているのです。
日本経済が弱含みのときに、この新型コロナウイルスショックに襲われたわけです。
最低でも6カ月間以上は激しい落ち込みを覚悟すべきでしょう。
一方、2月20日に発表された「月例経済報告」で、政府は雇用や所得の環境が底堅いとして個人の消費は回復傾向にあり「景気は穏やかに回復している」と景気の見通しを発表しています。
西村康稔・経済財政再生相は「能天気に持ち直していると言っているわけではない」と釈明したものの、市場関係者の多くは「能天気でなければうそをついているのでは……」という印象を持ったはずです。日銀が何もできないために、景気後退を隠蔽しようとしているのではないか、と考える専門家が多いのです。
このままの状況で行けば、経済的なダメージはSARSなどの例を参考にするのではなく、東日本大震災のケースを、いやそれ以上の経済的ダメージを覚悟した方がいいのかもしれません。
例えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の総務省統計局の「消費動向」を見ると、全体では約2割の減少となり、東京電力による関東地方を中心とした計画停電時には、教養娯楽費などが瞬間的に6割台にまで減少していました。乗用車新規登録・届け出台数なども最大4割近い水準まで落ち込んだのです。
つまり、日本で感染爆発が起きた場合には最大で5割前後、消費が落ち込むことを想定しなければならないでしょう。ちなみに、東日本大震災では1カ月後には、全体的にみて通常の消費支出に戻っています。しかし、新型コロナウイルスではそうはいかないでしょう。。最低でも6カ月以上の期間、激しい落ち込みを覚悟する局面があるでしょう。それぐらいで済めばむしろ幸いとすべきかもしれません。
恐らく世界中が大きな景気後退を余儀なくされるでしょう。
【シナリオ③】
厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査の保険適応をいまだに実質上認めていない現状を考えると、医療システムの崩壊を招くような感染爆発が起こる可能性もあります。
そうなると、日本への飛行機の渡航が世界中から止められ、世界からの物資なども供給されなくなり、株価は大きく下落し、円が売られ、金利が上昇(債券価格の下落)することになる可能性が高くなるかもしれません。
とりわけ心配なのが、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大で、本来であれば安全資産であるはずの「円」が買われて円高になるはずが、2月に入って以降、逆の円売り=円安に進んでしまう危険性もあります。
その円ですが、感染爆発が起これば1ドル=120円台まではあっという間に行くことになるかもしれません。その場合、円安の「分岐点」になるのは「1ドル=125円」でしょう。かつて、日本銀行の黒田総裁が「1ドル125円以上の円安は望まない」という趣旨のコメントを出したことがありますので…。日本で感染爆発が起これば株価が大暴落し、その株式市場に莫大な資金を投資していた年金資金などクジラと呼ばれる公的資金が致命的な打撃を受けます。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も莫大な損失を出してしまうでしょう。そうなると、年金基金の破滅が待っているかもしれません。
高齢者の生活を支えている年金制度が資金不足となり、年金制度の崩壊=国民の生活が破綻するということです。 「自民党」が戦後初めて迎えた大きな試練となるのでしょう。
最大の問題は、安倍政権というよりも自民党政権が、こうした危機管理にあまりにも弱い体質が浮かび上がった事です。振り返れば東日本大震災のときは、自民党ではなく旧民主党政権でした。
クルーズ船で4000人の対応に苦慮していた自民党政権に比べて、数十万人単位の被災者が出た東日本大震災では、市町村、都道府県にある程度の権限を委譲して、対応できたことを考えると、現在の自民党の姿は国民不在の姿勢が目立ちます。自民党政権が目指すような中央集権型の危機管理には限界があると言っていいのでしょう。

診察室からコンニチハ(212)

さて今回、中国武漢から発生した新型インフエンザ(コロナウイルス)は何故世界中に蔓延していったのでしょうか?
そして、コロナウイルスとはどんなウイルスでしょうか…厚労省のホームページから引用しますと、…
『発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類で、そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、重症化傾向のある疾患の原因ウイルスが含まれています。残り4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)の占めます』と、書かれています。
本来的に、コロナウイルスはごくありふれたウイルスです。風邪の原因ウイルスは数種類ありますが、私たちが日常的にかかる風邪の 10 ~ 15 %は、コロナウイルスによって引き起こされています。
コロナウイルスが最初に発見されたのは 60 年ほど前のことです。風邪の患者の鼻から見つかりました。ただコロナウイルスの歴史は非常に長く、遺伝子の変異から先祖を探ると、共通祖先は紀元前 8000 年ごろに出現していたようです。以来、姿を変えてコウモリや鳥などさまざまな動物の体に潜りこんで、子孫を残してきました。
…風邪を引き起こすほど身近なのに、命を奪うほど凶暴なものもいるとは……。
コロナウイルスの仲間による感染症は、ヒトに感染してカゼの症状を引き起こす 4 種類と、新型コロナウイルスのように動物を経由して重症肺炎の原因になる 2 種類の計 6 種が知られています。
感染者を死に至らしめる可能性のあるコロナウイルスはこれまでに 3 回出現し、パンデミック(世界的流行)引き起こしています。最初は 2003 年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、次が 2012 年MERS(中東呼吸器症候群)、そして今回です。ウイルスが世代交代を繰り返しているうちに、突然変異が蓄積して重篤な症状を起こすように変異したのでしょう。
人間社会の変化のすきをついて侵入してくる病原体は、それぞれ異なった場所や時期に根を下ろし、その後は人間同士の接触を通じて新たな地域に広がっていく。もしかしたら、第二、第三のSARSや西ナイル熱がすでに忍び寄って、人に侵入しようと変異を繰り返しているかもしれません。
ウイルスの唯一の目的は「子孫を残すこと」につきます。地上最強の地位に上り詰めた人類にとって、唯一の天敵が病原性の微生物です。約 20 万年前にアフリカで誕生した私たちの祖先は、数多くの病原体と戦いながら地球のすみずみに広がっていきましたが、とくにウイルスは強敵でした。知られないままに、多くの地域集団が全滅させられたことでしょう。人類の歴史:注)は 20 万年ですが、微生物は 40 億年を生き抜いてきた強者です。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
新型コロナウイルスの感染拡大が長引いた場合、最悪の経済シナリオはどんなことが想定されるのでしょうか?
ニューヨークダウ(NYダウ)も日経平均も暴落しつつ現在《NYダウは2月14日の29,543→3月13日の20,388ドルで9055ドル(下げ幅30.9%)》、《日経平均同上で10月2日の24,480円→16,790円(下げ幅31.4%)の惨状を呈しています。いよいよ新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が経済にも大きな波及をしてきたようです。加えて、韓国やイタリアでも爆発的感染拡大が起きており、中国・武漢から始まった今回の新型コロナウイルス感染拡大の恐怖を、世界中が認識し始めたと言っていいでしょう。
一方で、日本の危機管理はその甘さが際立っています。日本への渡航自粛を求める国も現れ、7月に行われる東京五輪の代替地としてロンドンが名乗りを上げるなど、今や日本の経済を根底から覆しかねないリスクも顕在化してきています。
そんな中でささやかれ始めてきたのが、新型コロナウイルスによる経済への影響の深刻さです。リーマンショック級とも、東日本大震災級とも言われる景気後退リスクに対して、日本政府は対応できるのでしょうか。そしてまた、われわれ国民もどんな準備をしていけばいいのか。現実には起こってほしくないのですが、新型コロナウイルス禍によって起こりうる最悪シナリオは幾つかあります。
【シナリオ①】
首都圏マンションはバブル超え? 東京五輪中止で“五輪バブル”の崩壊が...?
2020年は、さまざまな意味で日本経済にとっては重要な1年となるでしょう。そのハイライトとも言えるのが7月から開催される東京オリンピックです。その東京五輪の開催が、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって中止に追い込まれる可能性が出てきています。
感染爆発の度合いにもよりますが、すでにアメリカでは日本に対して渡航注意のレベルを日々、上のレベルに引き上げており、イスラエルでは日本と韓国からの渡航者を入国拒否としています。
それに対して、日本でも渡航者の入国規制を強化していますが遅きに逸した感が強いでしょう。春節の前に中国の新型コロナウイルス感染拡大が明らかになっていたにもかかわらず、外務省は何も手を打たずに莫大な数の中国人観光客の来日を認めていました。これ以前に台湾では、早くも中国からの渡航規制を強化していたにもかかわらずにです。この結果、台湾での感染者数は50人以下ですんだのです。
クルーズ船の受け入れに対しても、日本人乗客が多い、日本人乗組員も100人いるといった事情を鑑みて入港を認め、検疫という名目で14日間留め置き、その間に600人を超す感染者をクルーズ船の中で発生させてしまいました。
問題は、この状況次第で日本国内に感染爆発(313日時点で日本での感染数は675名、クルーズ船では679名)が起こるかどうかですが、日本が数千人単位の感染者を出した場合には、世界各国が日本への渡航を控えるようになり、最悪7月の東京オリンピックの開催に間に合うぎりぎりの期限とも言われる5月までに、現在の感染拡大が収まるかどうかが問われることになりそうです。
イギリス・ロンドン市は東京開催が中止になった場合、「代替地」として立候補すると表明しており、その可能性はゼロではない状況ですが、その後はヨーロッパでも感染が拡大していますので2020年のオリンピック開催は、世界のどの地域でも困難でしょう。
仮に東京五輪が中止となれば、どの程度の経済的損失が発生するのでしょうか。
東京五輪の経済効果は、東京都の発表で「32兆円」という途方もない数字が発表されていますが、この数字には交通インフラの整備やバリアフリー促進といった間接的な経済活動も入っています。いわゆる「レガシー(遺産)」効果です。
施設整備費や大会運営費、放映料と言った「直接的効果」は約5兆2000億円で、レガシー効果はその5倍の約27兆1000億円。とりあえず、直接的効果だけを考えれば、約5兆円の損失。日本のGDPが約500兆円とすれば、その100分の1を失うことになるわけです。
1990年代のバブル期を上回る「五輪バブル」が発生しているかもしれません。
実際に、帝国データバンクが昨年の11月に行った調査によると、東京五輪開催が日本の持続的な経済成長のために「有効だと思う」と回答した企業は半数に満たない46.8%にとどまっています。国内企業の半数しか東京五輪の需要を当てにしていないということです。
業界別で見た場合、プラスと答えている企業は、サービス(17.5%)、金融(16.8%)、運輸・倉庫(15.8%)、製造(15.5%)となっています。経済効果は、東京都で約20兆円、大会開催に伴う雇用誘発効果は東京都で130万人、全国で194万人と試算されています。壊滅的な経済危機に陥る、といった見方をする人もいますが、思ったほど大きくないかもしれません。
ただ問題なのは、東京五輪開催というアナウンス効果によって、過剰な投資を生み、「五輪バブル」に陥っていることです。不動産経済研究所が発表した2020年1月の首都圏マンションの1戸当たりの平均価格は8360万円。1月だけ突出した価格ではあるものの、この価格はバブル期の1990年11月(7497万円)を上回り過去最高になったのです。
2019年の首都圏マンションの平均販売価格は5980万円となり、過去7年、平均で1500万円の上昇となっています。まさに東京五輪を起爆剤とした「不動産バブル」が再燃しようとしていると言っていいでしょう。
放映権などの影響で東京五輪を10月とか11月に延期するとか、あるいは1年遅らせるといった延期の可能性は低いと思います。そう考えると、やはり4月までには現在の感染拡大が収まることを祈るしかないでしょう。

診察室からコンニチハ(211)

さて、感染が疑われる場合は迅速検査キットを使用して、先ず簡易検査を行います。
迅速検査キットは複数のメーカーから提供されており、ウイルスの型を担う、核タンパクに対する抗体を用いたイムノクロマト法(抗原抗体反応を利用した迅速検査の手法の一つ)によるものが主流です。
核タンパクに対する抗体を使用していますので、感染ウイルスの型を簡便、迅速に観ることができます。しかし確定に至る訳ではありません。
また、HA、NAの亜型は分かりませんので、季節性、新型など最終確認のためには、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)で、DNAを増殖させた遺伝子検査が必要となります。
核酸を簡単に増幅、確認できるとは言え、対応する試薬、機器の使用と共に、結果を得るまで数時間は必要ですので、多数の検体を同時に処理することは難しいのが難点です。
ところで、まだ検査試薬としての提供には至っていませんが、遺伝子(塩基配列)レベルでの迅速検査法も確立されつつあるようです。
PCRとは異なる等温増幅による検出方法の一つで、変異による差も確認が可能ですので、迅速検査法の一つとして、今後の進展を注視したいと思います。
インフルエンザウイルスの感染に備えるためにはワクチンの投与が有効ですが、HAのエピトープ(抗体が認識して結合する抗原の特定の構造単位をエピトープとよび、6~10個のアミノ酸や5~8個の単糖の配列から成る)の変異が進むと既存ワクチンの効果が弱まるか、または全く効果の無くなる可能性があります。
ワクチンの効果が見込めない、また新型に対応するワクチン供給がなされない時の、感染時の対応として抗インフルエンザ薬の投与がなされますが、その効果は不明です。
ワクチン投与による感染への備え、感染を疑われる場合の簡便な確認方法、そして感染が明らかとなった場合の治療薬剤とわれわれは色々な手段を得ていますが、インフルエンザウイルスも変異、すなわち進化を止めていません。現に新型インフルエンザが世界に広がろうとしています。
これからもインフルエンザウイルスとの戦いは続きます。油断することなく、英知を絞ってこの危機に向かっていかなければならないことを、皆さんと再確認したいと思います。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
一方国内では、2月29日に安倍晋三首相が、首相官邸で記者会見して、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し「保健所で必要な検査が確実に実施できるように国において仲介する」と語りました。
「いまから2週間程度、国内の感染拡大を防止するためあらゆる手を尽くすべきだと判断した」とも述べました。
2700億円の予備費を使って第2弾の緊急対応策を10日程度でまとめると表明していました。
ウイルス検査は現時点で1日4000件超を実施できる能力があると指摘し「一層の検査能力拡大に努めていく」と明言しました。検査に関しては「来週中に医療保険を適用する」と強調しました。緊急時に感染症指定医療機関で5000床を超える病床を確保するとも述べました。
3月2日から全国一律で小中高などに休校するよう要請したことには「感染リスクに備えなければならない。万が一にも学校で、集団感染を起こしてはならない」と、国民全般に理解を求めました。唐突だとの指摘には「判断に時間をかけているいとまはなかった」と釈明しています。臨時休校にあわせて「保護者の休職に伴う所得減少にも新しい助成金制度を創設し、正規、非正規を問わず、しっかりと手当てする」と強調しました。
観光業など影響を受けた企業への対応を巡っては「雇用調整助成金を活用し、特例的に1月までさかのぼって支援する」と指摘しています。外出自粛要請などができる新型インフルエンザ対策特別措置法を参考に「国民生活への影響を最小限にするために立法措置を講じる」と語たりました。法案成立に向け、自ら野党に協力を要請する考えを示しました。
トイレットペーパーなど日用品を買いだめする動きがあることに関しては「事実ではないうわさが飛び回っている。十分な供給量があるので冷静な購買活動をお願いしたい」と促していました。7月に開幕する東京五輪については「アスリートや観客にとって安全、安心の大会となるように万全の準備を行う」と強調していました。
「首相として国民の命と暮らしを守る大きな責任を果たすため、先頭に立ってなすべきことは決断していく」と訴えました。「政治は結果責任だと言ってきた。逃れるつもりはない」とも明言しました。