診察室からコンニチハ(205)

【医療費の無駄遣い】考察Ⅱ
『一般薬の使用制限』
一般薬とは、正式には一般用医薬品と呼ばれ医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことです。市販薬、家庭用医薬品、大衆薬、売薬などとも呼ばれています。また、カウンター越し(英語: over the counter)に売買されることから、OTC医薬品とも呼ばれます。
OTC医薬品の多くは、比較的に副作用が少なく長期間にわたり安全性の確立した医薬品が指定されています。ドライアイなどの目薬、筋肉痛の湿布薬、花粉症、軽度の感冒薬、胃腸薬など医師の処方なしに誰でも手に入りやすいものが殆どです。
この様なOTC医薬品の指定拡大を目指して、医療保険の適用から外して国民医療費を大幅に削減したいと厚労省は目論んでいます。
事の是非はともかく、総医療費のこれ以上の拡大に国家経済が耐えきれないのは事実でしょう。
何をもって、医療費の無駄遣いと定義するかは人それぞれに考えの違いはあるのですが、欧米諸国に比べ我が国では確かに薬の使用量が多いという現実があります。そういった意味では、一般薬の保険適応外とする考えにも支持者が出て来るのも一部の理があるかもしれません。
湿布薬や簡易な感冒薬は医療保険の適応から外して街の薬屋さんで買い求めて頂くという考えにも賛同者が多くなるのも時代の流れとなって行くのでしょうか。
次回に続く

【お知らせ】
診察室からコンニチハ(206)からは、インフルエンザ特集となります。
インフルエンザの基礎知識から、歴史的な考察、ワクチンの意味、さらに何故インフルエンザは毎年流行するのか(206)~10話ぐらいにかけて、じっくり説明して行きたいと思っていますので、しばらくお待ち下さい。

診察室からコンニチハ(204)

これ以外にも人間ドックには幾かの問題点が指摘されています。コレステロールや糖尿病のデータさらには血圧の数値など、ほとんど正常域のデータであるにもかかわらず、ただ機械的な数値だけで判断を(異常数値とみなし)くだし、要再検を支持される事です。熟練した医師からみれば再検査の必要は全くないのですが、機械的処理に全面委託すると、しばしばこの様な事態が発生するのです。
この機械頼みの為に患者さん方は、忙しい時間を割いて再度病院受診を余儀なくされます。これも紛れなく医療費の無駄遣いに繋がります。通常の人間ドッグでは90%以上の人で意味ある検査データ異常は見つからないといわれています。
しかし、この逆のケースもあります。人間ドックでかなりの検査異常を指摘されたにもかかわらず、仕事の忙しさを理由に全く病院に再検査をしに行かない人がいるのです。血圧も最大血圧が200以上もあるのに、まるで無関心の人がいるのです。これでは何の為に高いお金を支払って人間ドックの検査を受けたのか意味が分かりません。それ以外には、アルコール性肝障害や極度の肥満による多くの成人病なども含まれます。その様に強い成人病が疑われる検査データを提示されても、それをまるで無関心に過ごしてしまう人の何と多い事か?
私がまだ30代ぐらいの新米医師の時代は、ムキになって喫煙、飲酒、肥満などの問題を患者さん方に説明していました。でも私のそんなムキな説明に耳を貸して頂ける方は、3割ぐらいの人たちだけでした。
そんな私も医師になって30~40年と経つにつれ、患者さんに対しては淡々とした検査データの異常と対応のみを説明する様にしています。
あまりムキになって説明していますと、逆切れされるケースが多くなって来たからです。
次回に続く

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診察室からコンニチハ(203)

【医療費の無駄遣い】考察Ⅰ
『1』ハシゴ受診
別名、ドクターショッピングとも言われています。
病院を転々と変え、行く先々で同じような検査を受け、更に似たような薬を何種類かもらい、それでも納得が行かずまた別の病院を探し回る人たちを「ハシゴ受診者」と、言うのです。医療費の最たる無駄遣いです。それでは、このような「ハシゴ受診者」は患者サイドにのみ問題があるのでしょうか?
もちろん神経過敏症状が強く、常に不安症状を強く抱いている方も多いのでしょう。それでも医師サイドにも反省すべき点もあるのではないでしょうか。先ず考える事は、患者さんとの信頼関係が樹立出来ているのか、あるいはその様な努力をしているのかに疑問を抱かせる医師も時に見かけるからです。特に大病院で画像診断を最優先する傾向の強い医師の中には、まるで患者さんそのものを診ようとはせず、画像画面ばかりを見ている医師さえいます。病名も画像画面の説明しか出来ないと聞かされた事もあります。あるいは難解は医学用語で一方的に喋りまくっている医師さえいたりします。この様な場合は別のドクターの診察を求めるのも当然かもしれません。
そして、この様に過度な画像診断偏向医が増えているのも事実です。
『2』人間ドックの偏重
果たして…人間ドックで、どの程度の「ガン」などの早期発見が可能なのでしょうか?
・肺ガンの早期発見の為の胸部レントゲン撮影は、ほとんど無効である事がアメリカの学会では数多くの報告がなされています。肺ガンの早期発見には胸部CT撮影が必須です。
病院などの医療関係者は毎年、
胸部レントゲン撮影が義務づけられていますが、これは肺結核の早期発見が目的です。
・また胃ガンの早期発見目的で、まだバリウムを使った胃透視を人間ドックに取り入れている所がありますし、県や市の定期検診でも胃透視を組み入れているところが認められますが、これなど時代遅れも甚だしい検査と言わねばならないでしょう。
なぜ、こんな時代遅れの検査が未だまかり通っているかと申せば、一つは経済的理由です。胃透視検査点数が、胃内視鏡に比べて割安なのです。それと患者さんの方で、内視鏡に苦手意識を持つ人がいるのです。
かつての時代に比べれば胃内視鏡の検査は格段に容易になったのですが、それでも拒否する人はまだかなりいます。胃ガンの早期発見率は胃内視鏡では3倍以上も成績が良いというのにです。さらにもっと大きな問題点としては、放射線被曝量の問題があります。胃内視鏡では放射線被曝量は皆無ですが、バリウム服用の胃透視では胸部レントゲン撮影で浴びる放射線被曝量の50から100倍の被曝量が検出されています。何でこんなにも問題のある危険な検査が今でも実施されているのか不思議でなりません。
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診察室からコンニチハ(202)

このような科学文明の発展は、基本的には人類の本能に由来しているのです。「より利便性の高いものを」、「より豊かな食生活を」、「より豊かな富を」、「より速度の速い乗り物を」、『限りないものそれが欲望』という大流行した井上陽水の歌は人類の本能の本質を、見事にまで歌い上げています。
限りない欲望を持ち続ける生物、それは正しく絶滅すべき生物といっても過言ではないと思います。この限りある宇宙空間で、なぜ一つの生物種だけが「限りない欲望を持ち続ける事が許るされるのか?」
それは願望的な妄想に過ぎないのです。
あまりに小さな歴史的事実を例に挙げれば、西洋では「ギリシャ文明の崩壊」、「ローマ帝国の滅亡」、「秦の始皇帝」(不老不死の薬を追い求めながら49歳で死没)その他、枚挙に暇がないほど、人の一生も国家の滅亡も、その生存期間はただ時間の長さの違いがあるだけです。
それは人類の歴史も同じです。目には見えない多くの原子や太陽光線、快適な酸素濃度、水資源、大気の還流その他あまりに多くの偶発性によって、私たち人類はただ辛うじて生存を許してもらっているだけなのです。それらの全てを忘れてAIを追求しるにしても、原子の力を利用するにしても、限りない欲望を抱けば抱くほど、恐らく人類の滅亡を早める結果になぅてしまうのでないでしょうか。
「人は死すべきもの」
これは古今からの名言です。
AIについての考察 : 完
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診察室からコンニチハ(201)

これら精神障害の悪化は、単にAIによる情報量の氾濫によるものだけとは思えません。食生活や大気汚染、地球温暖化その他多くの環境破壊が寄与している事も間違いないでしょう。しかしAIやSNSの流す過度の情報量が多くの人たちを混乱に陥れている事実は否定出来ないと思います。またAIとは次元を事にしますが、この異常なサプリメントの氾濫は明らかに常軌を逸しています。
医師や専門職の人たちが、その効用性の無意味さ(少なくても90%以上は無意味であると検証されています)を如何に説明しても、まるで燎原の火の様にその勢いは燃えさかるばかりです。大手の企業も厚労省から度重なる警告を受けているにもかかわらず、法律の網の目をくぐるかのよに、新聞やテレビあるいはSNSなどを通じて、ともかく売りまくっています。一部には悪徳医師もからんでサプリの宣伝に、協力しています。市場経済のもっとも悪い標本みたいなものです。現在でもこのような状況ですから、もっと高度なAIによる悪質な情報量が世界中に拡散した場合、私たちが受ける精神や健康被害は想像を超えるものがあるでしょう。このようにAIの活用を一歩間違えば核ミサイル以上の破壊力を私たち人類にもたらすのではないのかという不安で私は一杯です。
次回に続く
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診察室からコンニチハ(200)

さらにAIの発展による情報の拡大も危惧されます。氾濫する情報の波に私たちの精神が付いて行かれず、精神疾患が増大する傾向は現在でも認められています。膨大するサプリメント市場、喧伝される健康食品の推奨、認知症予防薬市場に蔓延する誇大広告など、余りの膨大な情報量に医師や薬剤師などの専門職の人間さえ振り回されてしまうのです。
これらサプリは、20世期後半から確実に増えていると言われています。一応「認知症患者さん」は、省略させて頂きます。認知症は年齢的な要因が色濃く反映されますので、統計的なデータから省略しておいた方が煩雑になりにくいと思いますので…
統合失調症の場合では、
患者調査(厚生労働省2015.01.28)によると、1999年の精神疾患の推計患者数(医療機関にかかっている患者数)は、1999年には外来170.0万人、今日入院34.1万人でしたが,2008年には外来290.0万人,入院33.3万人と、外来・入院の合計で1.6倍に増加しており、国民の40人に1人は精神疾患の治療のために医療機関を利用していると推定されます。
次にうつ病疾患数も見てみましょう。 これは厚生労働省が発表した、「平成23年度の患者調査」の「うつ病で医療機関を受診している患者数」の推移です。昭和59年(1984年)には11.0万人だった患者数が、平成11年(1999年)には33.5万人に、直近の平成23年(2011年)には70.1万人まで増えています。27年間で6.4倍です。
それでは、アメリカでの自閉症スペクトラムの調査結果を見てみましょう。
8歳児では1000人当たりの患者数は、2002年の6.67人から、2006年8.33人、2008年11.36人、2010年には14.71人になったと報告されています。
性別ごとの発生率には顕著な差があり、2010年の8歳児1000人当たりの患者数は、男子が23.7人、女子は5.3人となっています。
日本での自閉症スペクトラムの増加率はアメリカより更に悪化しているとの報告もあります。
次回に続く

診察室からコンニチハ(199)

高度の医療機器の発達は、私たちの平均寿命をこれからも延ばして行くのでしょう。100歳以上の人たちが世界中に満ち溢れる時代が来るのかもしれません。認知症の治療もずっと改善していくと考えられます。
そうなった場合、私たちの人口ピラミッドはどうなってしまうのでしょうか。若い世代が歪(いびつ)にすみの方に追いやられてしまうかもしれません。人類全体の新陳代謝は奇妙な変形を辿るのではないでしょうか。そこまで考察しているAIの専門家や医師を寡聞にして私はまだ知りません。
さらに新しい科学変化には、歴史的にみても大きな副次的問題が発生する傾向が強いものです。例えば、原子力発電による放射線障害のようにです。また高度な機器であればあるほど、必ずシステム障害が付きまといます。さらに高度化が進行するほど、そこから発生する障害もAI自身に診断と対策を委ねるしかなくなってしまいます。現在でも自動車などのトラブルはAIが診断し、メーカーはその診断に従って指示された部品を交換しているだげです。もう何十年も前から自動車の修理工はいなくなったと言われています。ただAIの指示に従った部品交換をしているに過ぎないのです。
次回に続く