診察室からコンニチハ(156)

<汚染がひどい都会暮らしと精神障害の発症に関連性が認められたと、英研究チームが発表>
大気汚染が深刻な環境で暮らす10代の若者は、不眠やイライラ、幻覚や妄想など精神障害の症状を経験するリスクが高まる可能性があることが最新の研究で分かっています。
過去の研究で、都市生活者は幻聴や被害妄想など統合失調症のような症状を発症しやすいことが示唆されています。2050年までには世界の人口の70%が都市で生活すると予測されているため、これは看過できない問題になるでしょう。
米国医師会報(JAMA)の精神科専門誌に掲載された論文によれば、ディーゼル車が排出する窒素酸化物(NOx)や、微小粒子状物質(PM2.5)などの汚染物質にさらされた10代の若者は高い確率で不眠や幻覚などの症状を経験しています。都市の生活環境と10代の精神症状の関連性の60%は、汚染物質に恒常的にさらされたことで説明できると、研究チームはみています。
研究チームが対象にしたのは「環境リスク縦断双生児研究」に参加した2232人の子供たち。彼らは1994年1月1日から1995年12月4日までにイギリスのイングランドとウェールズ地方で生まれ、出生時から18歳に達するまで定期的に聞き取り調査を受けていました。
チームは彼らが18歳になった時点で精神障害の症状を経験したことがないかを質問しました。誰かに見張られているとか尾行されていると感じたことはないか、周囲の人が聞こえない声が聞こえたことはないか、などです。
次いで、彼らが2012年に生活していた地域と日常的に通っていた2カ所の地域の大気汚染レベルを調べました。
その結果、全体の約30%に当たる623人が、12歳から18歳までの間に少なくとも1回、精神障害の症状を経験していたことが判明しています。さらに、汚染物質にさらされたレベルが最上位に入るグループでは症状を起こすリスクが著しく高かったと、報告されています。
【気になる脳への影響】
このことから、長期にわたって大気汚染にさらされれば、脳に影響が及ぶと、研究チームは推測しています。
論文の筆頭執筆者で、ロンドン大学キングズ・カレッジ精神医学・心理学・神経科学研究所のヘレン・フィッシャーの言葉を借りるなら、チームは精神障害の発症に関連があると考えられる他の要因、たとえば喫煙、大麻の使用、アルコール依存、貧困、その他の精神疾患、貧困地域や犯罪多発地域に暮らしていること、社会的孤立などを考慮に入れ、統計学でいわゆる「交絡因子の調整」を行った上で、大気汚染と精神障害の関連性が確認されたとしています。
ただ、この調査は無作為抽出による対照群を設定していない「観察研究」であるため、大気汚染と精神障害の因果関係を確実に結論付けることはできないと、フィッシャーは釘を刺していますが。また大気汚染の数値は精神症状が出たときに測ったもので、発症前から大気汚染にさらされていたかどうかは確認できないことや、騒音公害などの要因を考慮に入れていないといった限界もあると、チームは認めています。
「先行研究で、大気汚染と循環器系や呼吸器系疾患など身体的な健康問題の関連性を示すデータは蓄積されて来ましたが、私たちの研究はそこに新たな視点を加えるものだ」と、フィッシャーは言っています。「近年では、大気汚染が脳に与える影響、また認知症などの精神障害との関連性を探る研究も行われるようになり、私たちの研究はそこに連なるもので、大気汚染と精神障害の発症の関連性について確固たる結論を引き出すには、さらなる調査が必要なことは言うまでもない事です」との見解を彼は付け加えています。
次回に続く

診察室からコンニチハ(155)

【水質汚染の例としては】
殺虫剤・除草剤・有機質とその他、化学物質の広範囲の拡散。
下水道や畜産業からのバクテリア、病原菌を含んだ食品加工廃棄物など…。さらに木材の搬出事業からの木材と払い落とされた小片等。揮発性有機化合物 (VOCs)(違法な倉庫から流出する工業用溶媒)。
DNAPL (dense non-aqueous phase liquids) (塩素処理溶剤など)は、不溶性・難溶性であるため、溜池の底に沈殿する危険性もあります。
石油炭化水素には燃料となるガソリン、ディーゼル(軽油)、ジェット燃料、燃料石油(重油)などや、あと潤滑油(車体の燃料)も含まれていますが、油田事業、石油精製、パイプラインから給油所の地下の貯蓄タンクに受け取られ、石油事業に移送されることになります。
合成洗剤は、個人衛生用品や化粧品に見られるさまざまな化学化合物で構成されています。
無機性水質汚染の事例では、酸性鉱山廃水に含まれる重金属類や産業廃棄物から生じる酸性物質(特に発電所から生じる亜硫酸ガス)。
半製品の工業用原料ペレットといった産業汚染。それら製品から生じた工業用の化学廃棄物や、硝酸エステルとリン酸塩などを含む農業用排水に存在する肥料分。
建設現場、材木の搬出、焼畑農業、開墾といった表層流出液における*シルト『日本語で沈泥(ちんでい)とは、砂より小さく粘土より粗い砕屑物のこと。地質学では、泥(粒径が1/16mm以下のもの)の中で、粘土(粒径が1/256mm以下)より粒が大きく粗いもの(粒径1/16mm - 1/256mm)をシルトと呼ぶ』。
正に既成の産業の利権を守るか、迫り来る環境破壊から未来の人類の健康被害を防止するかの戦いです。しかし現在のところは既成の利権が優勢を誇っています。
「一部の扇動家が大げさに環境破壊による健康被害を騒ぎ立てている」というのが、利権派の言い分です。
これら地球規模の環境破壊の実態を勉強するほどに、加害者は全てのホモ・サピエンスにあると云う認識を新たにします。目先の安住し、環境汚染の実態を軽視しているのでしょう。昨日と明日はなにも変わらないと盲目的に信じているのです。
世界の大国の中にも、この利権派がまだ多く、多額の政治献金などで議会や政治家の口を塞ごうとしています。
次回は、この環境破壊が現実の私たちにどれほど精神的な被害を与えているか考察してみたいと思います。
次回に続く

診察室からコンニチハ(臨時)

9月末に名古屋で開催された「認知症サポート医」の講習会に参加して来ました。2日間で、9時間という講習は割と厳しかったです。その講習会のパンフレットに書かれてあった文面に感動しましたので、皆さま方にご紹介いたいと思います。作者は不明です。
【手紙】
年老いた私が、ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても、靴ひもを結び忘れても
あなたにいろんなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話すとき、同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうか遮らずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本の暖かな結末はいつも同じでも私の心を平和にしてくれた
悲しいことではないんだ、消え去っていくように見える私の心へと励ましの眼差しを向けて欲しい
楽しいひとときに私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを嫌がるときには思い出してほしい
あなたを追い回し何度も着替えさせたり様々な理由をつけて
嫌がるあなたとお風呂に入った懐かしい日々のことを
悲しいことではないんだ、旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りをあげて欲しい
いずれ歯も弱り、のみこむことさえ出来なくなるかもしれない
足も衰えて立ち上がることすらできなくなったなら
あなたが、か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私にどうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり、自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのは辛いことだけど
私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっと それだけで それだけで
私には勇気が湧いてくるのです
あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに少しだけ付き添ってほしい
あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びと、あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えて欲しい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ
以上です。