新しいウイルスと闘う人類(号外)

【不良品マスクの中国】新型コロナウイルスの制圧に成功したとして、今なお流行に苦しむ他国にマスクの支援を展開する中国ですが、やはり一筋縄ではいかないようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは今回、自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、中国が国外に不良品マスクばかりを出しているという事実を明らかにするとともに、各国が本気で脱中国に動かなければ国が滅びる可能性すらあると記しています。4月21日、台湾政府から日本に寄贈されたマスク200万枚が成田空港に到着しました。その包み紙には、「台湾日本友好」「日本加油」(日本頑張れ)と書かれてあったそうです。超党派議員連盟の「日華議員懇談会」の会長である古屋圭司衆院議員は、「困った時に手を差し伸べてくれる方こそ真の友で感謝する。日本と台湾の友好信頼関係の絆はますます強くなっていく」と述べました。
これに対して台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表は、1999年9月に起こった台湾中部大地震のときに日本の救援隊が大活躍したことや、台湾が東日本大震災や熊本地震の際にも救援物資を贈ったことをふまえ、「新型コロナウイルスと闘うために世界が団結しなければいけない。台湾と日本は災害の時、お互いに助け合う伝統がある」と話しました。
しかし、中国およびWHOにより、世界的な防疫連携の輪から外されている台湾ですが、皮肉にも、WHOが最初に発していた武漢肺炎への楽観的意見に従わず、当初から中国との往来を中止するなど厳しい水際対策を行ってきたことで、台湾は世界でももっとも新型コロナウイルスの被害が少ない国となりました。
台湾はタイに対しても、20万枚のマスクを寄付しています。
● Taiwan is helping、台湾がタイにもマスク寄付
一方、中国も他国へマスクを支援するなど「マスク外交」を展開していますが、その裏で、良品は自国用に徴収し、不良品を他国への輸出や援助に回しているといった実態が明らかになっています。JBpressの報道では、中国でマスクを生産する外国企業でも、中国当局からの命令で、マスクの出荷が差し押さえられ、不良品だけが海外へ輸出されているといいます。
● マスク不足が証明した中国の非人道性と国防動員法 外国企業の生産でも良品は徴収、不良品を輸出・援助に回す
中国では国営企業のみならず、私企業、そして外国企業にも中国共産党の支部が企業内に設置され、さまざまな「指導」が行われているということは、これまでのメルマガでも述べてきましたが、上記のJBpressに寄稿した元陸上自衛隊幹部学校長で陸将だった樋口譲次氏は、そうした中国共産党の統制監督によりマスクが差し押さえられていることが、世界的なマスク不足の一因だと指摘しています。
さらに樋口氏は、有事の際に中国人従業員を予備役として招集でき、民生用資源を徴用できるとした中国の「国防動員法」が背景となってマスクが戦略物資として扱われていることも、日本へマスクが届かない理由として挙げています。
日本では妊婦用に配布されたマスクに、黄ばみや髪の毛、虫などが混入していたことが問題となっていますが、これらはいずれも中国やベトナム、ミャンマーなどから調達したものだということです。前述したように、中国が不良品ばかりを輸出用にしていることが影響しているのだと思います。日本側の検品体制にも問題がありますが、それ以上に、中国に製造拠点を持つことの問題点が、ここでも浮かび上がってきます。
中国は世界のマスク生産力の85%を占め、日本のマスクの約8割は中国から輸入されているといいます。そのため、同様のことが世界中で起こっています。

新しいウイルスと闘う人類(18)

スウェーデンの戦い(3)
スウェーデン人口(1000万人強)
東京都より少ない。
飲食店や学校閉鎖する段階にないと宣言。
もっとも、スウェーデンでもコロナ感染者数と死者数は増え続けています。2020,4月14日時点でコロナ感染による死者数は919人に上り、計1万948人が検査で陽性、重篤者の数は859人となっています。
同紙によると、ステファン・ロヴェーン首相は当初からこのエピデミックは長く続くことが予想され、1000人に上る死者が出ることを覚悟しなければならない、と国民に伝えていました。そして、疫学専門家のアンデシュ・タグネル氏は今も飲食店や学校を閉鎖する段階には達していない、としています。

新しいウイルスと闘う人類(号外)

新型コロナ感染の石田純一(66歳)が、世間の批判の声に謝罪「東京から出るべきではなかった」 新型コロナウイルス感染を公表した俳優の石田純一(66)が4月23日、コメンテーターを務める文化放送に出演し、4月22日に入院中の病院から病状を説明した。
音声は22日に電話でインタビューに応じたもの。沖縄に行く前と沖縄でゴルフをし、体調不良を感じながらも飛行機で帰京した点では、批判の声も出ている。この点について聞かれた石田は「そうですね、これは沖縄に行って、最後に(店を)閉めるかというかの判断をオーナーも入れてやろうということで(沖縄に)行ったということは非常にまずかったと。東京から出るべきではなかったと、非常に反省しております」と反省。「実際に、ご迷惑、ご心配をおかけした方が多く出てしまった。ホテルなどにも大変ご迷惑をかけてしまったということを、沖縄の人たちにも不快な思いをさせてしまったことを非常に反省しております」と神妙に語った。
リスナーへのメッセージを求められ「この度は、私も油断は本当にしていなかったつもりなんですが、こうやって結果的に陽性になってしまったことには責任を感じております。うつらないように、気を付けてくださいとか放送でも言っているので、自分自身がなってしまって大変恐縮でございます。本当にいろいろな方にご迷惑をおかけしたことをおわびいたします」と謝罪。「どうか、周辺、あるいは、頑張ってくださっている医療関係の方々、本当にお疲れ様ですと。ぜひぜひ制圧とまではいえないですけど、何とか収まって、経済はその後の問題ですから、まずは命あっての物種ということで、皆様のご奮闘ありがたいと思います」と感謝し、番組復帰を誓った。
石田は4月9日の同番組に出演し、10日に仕事のため沖縄入り。11日に沖縄のゴルフ場で体調不良を発症し、4月15日に新型コロナウイルス感染が判明した。16日の同番組には肉声を寄せ、38度8分の発熱があることを報告した。
石田と9日に共演し、濃厚接触者とされ、4月22日まで2週間の自宅待機をしていた番組パーソナリティーの同局の斉藤一美アナウンサー(52)は番組冒頭、「私事で恐縮ですが、現在、入院中の石田純一さんと最後に接触してから14日間の経過観察を文化放送から命じられておりました。きのうまで自宅から一歩も出ておりません」と説明。体温は平熱で、体調に問題はなく、新型コロナウイルスの症状はないとし、PCR検査は受けていないという。
しかし、ゴルフ好きの石田が訪れたと思われる沖縄県以外の関東地方のゴルフ場もパニック状態に陥っている。東京の名門ゴルフ場も例外ではない。
節度のない芸能人や有名人の、無自覚に近いコロナ感染は、これからも後は立たないのだろう。

新しいウイルスと闘う人類(17)

スウェーデンの戦い(2)
新型コロナウイルス対応でスウェーデンは厳格な自己隔離体制の導入を見送り、国民が集団検疫を行うことで国内での感染拡大を遅らせることを決定した。スウェーデン政府は、同国は、感染者数が国民の60%に達した場合も安全であることを確信している。「タイムズ」紙が報じた。
スウェーデンは国として自国隔離体制を導入することを否定している。政府は、健康な国民の中でゆっくりとウイルスが拡大することを許容し、その際、新型コロナウイルスから重大な影響を受ける高齢者などの保護を実施する。公表されたデータでは、スウェーデンでは新型コロナウイルスの感染者数は6000人を超え、373人が死亡している。この場合、スウェーデンの研究者らは、感染拡大の終わりはすでに近いとみなしている。数学的予想によれば、国民の60%が5月中旬までに新型コロナウイルスに感染するという。
新型コロナウイルス対応は、英国に世界最大の感染者専門の蘇生センターが開設されたが…。
集団検疫の考えは、英国政府が提唱した。しかし、集団検疫の追及では人々がもたず、保健システムも大きな負担となるという考えが社会的不満の爆発を招き、英国政府は新型コロナウイルス対策の戦略を完全に変更する必要が生じた。
スウェーデン国民は反対に政府と国家の保健システムの代表への高い信頼を示し、国が集団検疫を実施し、その後に生活が正常化するのを静かに待っている。同様に国民は、現在、厳しい検疫期間を導入している各国が直面している感染症の急激な拡大を、スウェーデンは、導入された集団検疫によって秋には回避することができると確信している。
26ヵ国に対して実施した国際的な調査企業「YouGov」のアンケートデータによれば、スウェーデンは、新型コロナウイルスの感染を心配していない国の1つとなっている。
また、タイムズ紙によれば、新型コロナウイルス対策でスウェーデンモデルを支持していない多くのスウェーデンの研究者の中には、この方法には容認し難いリスクがあるという意見があるという。実際、感染拡大が管理できない下では、感染は急速に広がり、医療機関は増大する患者に対応できなくなるおそれが生じる。さらに、政府の計算によれば、罹患率の拡大を秋には減少に転じさせるという集団検疫は、それほど効果がなく、今日同様、新型コロナウイルスがスウェーデン人の生命を奪っているおそれがある。
それでもスウェーデンの政府と国民はウイルスとの共存を継続している。何が最良であったかは、数年後の歴史が証明してくれるのだろうか?
次回に続く

新しいウイルスと闘う人類(超号外)

【スウェーデンのさらなる闘い】
スウェーデンのソフィア妃、医療現場の最前線に!
新型コロナに立ち向かうべく、ボランティア活動を開始する。
4/22(水) 19:04配信 
スウェーデンのソフィア妃、医療現場の最前線に!新型コロナに立ち向かうべく、ボランティア活動に専念する。
ソフィア妃は、世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が相次ぎ、医療機関への負担は日に日に増していく状況を見て、福祉国家として知られる北欧の国スウェーデンも例外ではなく、感染者数は1万4000人を超え、1540人もの死者を出している(4月20日時点)。
そんな中、スウェーデン王室のカール・フィリップ王子の妻であり、2児の母でもあるソフィア妃の行動が、世界中から驚きの声が寄せられている。
3日間のオンラインプログラムを受講し、ソフィア妃は、新型コロナウイルスの影響で圧迫された医療現場を救うべく、「メディカル・アシスタント」になるための3日間にわたるオンライン・トレーニングプログラムを受講した。
そして4月17日、Instagramを更新し、このプログラムを修了したことを報告。自身が名誉会長を務めるソフィアヘメット病院でボランティアとして働きはじめたソフィア妃は、医療用スクラブやネームカード一式の写真とともに、「私は病院の一つのチームに配置され、新しくトレーニングを受けた同僚とともに、患者のケアや清掃などの作業を通し、医療従事者たちをサポートしています。この困難な時期に手助けの機会を得られ、非常にやりがいを感じています」とコメントした。



新しいウイルスと闘う人類(16)

スウェーデンの戦い(1)
【日本も追従すべき?都市封鎖を放棄してウイルスと共存するスウェーデンの戦い方】
ウイルスとの同居を選んだスウェーデン。
世界のほとんどの国が採用しているコロナウイルス対策は、一気にウイルスを叩き潰すことを念頭に置いたもので、それができなければ国民も政府も疲弊する。
いくつかの国はこれは戦争だとして、ウイルスに宣戦布告したが、戦いが数カ月、数年と長引くと消耗戦となり、仮にコロナウイルスに勝利したとしても、人類の犠牲も多大なものとなる。
そして、そこに別のウイルスでも来たものなら、人類に打つ手は何もない。ウイルスの猛威が自然に収まるのを待つのみなのだ。
一方、スウェーデンは同じ生物であるウイルスとの同居を選んだ。
戦いには違いないので、双方の犠牲は避けられないが、通常の社会生活、経済活動を行っているので、犠牲を最小限に抑えることができている。
また、常に余力を残しているので、次のウイルス、その次のウイルスの来襲にも同じ方式で立ち向かうことができる。ウイルスと折り合いをつけるという生き方だ。
その意味で、スウェーデン方式が成功するかどうかは、今後の人類の運命を左右するほどの価値があるものだ。
逆に、もしスウェーデンのような考え方の国がなかったらと思うと、ゾッとする。これだけが正しいと信じ、多様性を失うことは危険極まりないことなのだ。
【日本の緊急事態宣言は奏功するか?】
日本も3月時点から学校閉鎖などせずに、スウェーデンのようにできたのかも知れない。
ちなみに上記4カ国より人口の多い東京都は人口1,395万人で、4月6日時点の感染者数は1,116人だった。日本全土でも3,986人だ(編注:原稿執筆時点4月7日。なお4月8日23時時点の東京の感染者数は1,338人、日本全土では4,873人と増加ペースが上がっています)。
とはいえ、新型コロナウイルス「Covid-19」は当初思われていたよりはるかに悪質で、危険なものだと分かった。冒頭で触れたように、医療崩壊を防ぐためには非常事態宣言はやむを得ないのだろう。
事業規模108兆円の経済対策は、名目GDPが約570兆円であることを鑑みれば、相当に大きい。財政支出も40兆円近く、総税収の6割を優に超える。
これが本格的なロックダウンだと、止まった経済活動の穴埋めだけに消えるが、それなりに経済活動が続けられると、先につながる投資になる。
今後もウイルスとの戦いが続くであろうことを思うと、そうであって欲しい。
【3月25日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(17)は3月24日、自身が新型コロナウイルスに感染していた可能性が「とても高い」ことを明らかにした。中欧を訪問した後、複数の症状が出たという。
トゥンベリさんはインスタグラム(Instagram)への投稿で「10日ほど前に症状をいくつか感じ始めた(中略)倦怠(けんたい)感や悪寒、のどの痛み、せきがあった」と説明。症状が出たのは中欧歴訪から戻った後で、父親と共に予防措置として自主隔離を行ったとしている。
スウェーデンの感染者は3月24日現在で2272人。ただし同国で検査対象になるのは、病院での治療が必要な重症者と、感染による危険度が高い人々と関わる仕事をする人に限られている。
このためトゥンベリさんは検査を受けていないものの、「諸症状と状況を考えると」新型ウイルスに感染した可能性は「とても高い」と説明。現在はおおむね回復したが、「体調不良はほぼ感じなかった」として、他の人々に対し注意を促した。
トゥンベリさんは特に若者に対し、症状の軽い人は感染に気付かないまま、感染に弱い人々にうつす可能性があると説明。「リスク集団に属さない私たちには重大な責任がある。私たちの行動は、多くの人の生死を分けるかもしれない」と訴えた。
次回に続く



新しいウイルスと闘う人類(号外5)

新型コロナに打ち克つために、人類ができる3つのこと【グテーレス国連事務総長 寄稿】新型コロナウイルスに感染した人が、世界で230万人以上(米ジョンズ・ホプキンズ大学集計)に達した。死者も15万人以上に上る。
今後、世界はどうなるのか。
仮に、ある国がこれから感染を抑え込めたとしても、別の国で感染者が増えれば、そこから再びウイルスは流行し、経済も止まり、めぐりめぐって、自国の国民も打撃を受ける。
もはや途上国も先進国も、国内も海外も、あなたも私も、区別はなく、ありとあらゆる国・地域と個人が「当事者」になった。
こうしたグローバル危機の中、国連のアントニオ グテーレス事務総長がハフポスト日本版に「未曾有のパンデミックと闘うために全員の力が必要 ( All hands on deck to fight a once-in-a-lifetime pandemic) 」という題名で寄稿し、人類が危機に立ち向かうための「3つのポイント」を示した。
以下に紹介する(寄稿は4月2日時点のデータや情勢などを元にしている)。
未曾有のパンデミックと闘うために 全員の力が必要。


COVID-19(編集部注:新型コロナウイルス感染症)のパンデミックと、パンデミックがもたらす破壊的な結果を封じ込めるための唯一の方法、それは私たちによる連帯です。
3月26日に開かれた緊急オンライン会議で、G20の首脳たちは正しい方向へと歩み始めました。
しかしながら、私たちが直面している「経験したことのない巨大な危機」に立ち向かうためには、調和のとれた明確なグローバル対応が必要であり、それは依然として不十分なのです。
感染者の数を示すグラフの上昇曲線が平坦になる見通しは立っておらず、私たちの道のりはまだ長いと言えます。
この感染症は、当初、10万人が感染するのに67日間を要していました。しかし、今後は10万人、もしくはそれ以上の人たちが、1日で感染することになるでしょう。
一致団結して、思い切った行動をとらない限り、新規感染者数は何百万人にも達する可能性があります。こうした状況によって、医療システムが崩壊し、経済は急激に悪化し、人々は困窮し、特に貧困層が最も大きな打撃を受けることになります。
最悪の事態に備え、それを避けるためにあらゆる手段をとることが肝要です。そのために、科学的な根拠、連帯、賢明な政策に基づいた3つのことに取り組むべきです。
まず1つ目は、COVID-19あるいは新型コロナウイルス感染症の感染を抑え込むこと。
感染を抑制するためには、積極的な早期検査や感染経路の追跡に加えて、隔離や治療、初期対応を行う方々の安全の確保、さらに人の移動や接触を制限するための措置が求められます。
こうした措置は(社会に)混乱を引き起こすかもしれませんが、治療法とワクチンが見つかるまで継続する必要があります。
重要なのは、この徹底した取り組みと協力が、国連システム内の機関である「世界保健機関(WHO)」主導の元で行われるということです。独自の行動をとる国(当然、自国民のためには尽くすべきですが)では、全ての人のための成果を得られません。
2つ目は、COVID-19あるいは新型コロナウイルス感染症がもたらす、社会的および経済的な打撃に対処することです。
ウイルスの感染は、山火事のような速さで広がっています。今後は開発途上国の国々にも、あっという間に感染が拡大するでしょう。
こうした国々では、医療システムに限界があり、人々はより脆弱な立場に置かれているうえ、何百万もの人たちが、人口が密集したスラム地域や、難民や国内避難民がひしめき合う居住地で暮らしています。
こうした環境では、ウイルスが開発途上国を壊滅させ、一度感染を抑えた地域での再流行を招く可能性があります。
相互につながり合う私たちの世界においては、私たち全体の強さは、最も弱い医療制度の水準で、決まってしまうことを意味します。
人類のためにウイルスと闘わないといけないことは明らかです。人々、特に、最も影響を受けやすい女性、高齢者、若者、低所得者、中小企業、インフォーマル・セクター(非公式経済)、脆弱な立場に置かれている人々を中心として取り組む必要があります。
「原状回復」だけでは足りません。
そして3番目は、かつてより良い状態にまで、復興することです。
COVID-19あるいは新型コロナウイルス感染症が襲ってくる前の、危機に対して脆弱な世界に単に戻るわけにはいきません。
医療システム、社会的保護あるいは社会保障、公共サービスが脆弱であれば、私たちが多くの代償を支払わなければならないことを、このパンデミックは極めて明確に示しています。
さらに、今回のパンデミックによって、世界の不平等、とりわけジェンダー間の不平等が浮き彫りになりました。(COVID-19あるいは新型コロナウイルス感染症以前の)かつてのフォーマル(公式)経済は、可視化されず、無給で育児や介護、看護をしてきた人たちに支えられてきたこともさらけ出しています。
女性に対する偏見や暴力を含めた今日の人権問題も同様に、あぶり出されました。
パンデミック、気候変動およびその他のグローバルな課題に対してもより強靭な「包摂的」で「持続可能」な経済と社会を作るために、これまで以上の努力を私たちはいまこそ行う必要があります。
復興にむけた取り組みは、新しい経済システムの構築へと繋がらなくてはいけません。

新しいウイルスと闘う人類(号外4)

【コロナのマスク効果】マスクを使った感染予防に関して、WHO(世界保健機構)は「健康な人がしても効果がない」と否定的な意見を述べています。人気メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんも、これまではWHOと同様の見方をしていたのだとか。しかし、最近になって、社会全体としての効果は大きいのではないかと思い始めたと言います。どういうことか。中島聡さんが幼少期の体験をもとに解説してくれています。
役に立たないはずのマスクが役に立つ?
イタリアや米国と比べて日本で新型コロナの感染者が少ない理由については先週も書きましたが、マスクの着用もその理由ではないかと思い始めました。
マスクを使った感染予防に関してはWHOも「健康な人がしても効果がない」と否定的で、私もこれまでそんな見方をしていました。
しかし、よく考えてみると、社会全体としての効果は大きいのではないかと思い始めました。
医者はトイレの「前にも」手を洗う
話は私が小学校の時に遡ります。夏休みに、九州の佐世保にある叔父の家に1週間ほど滞在した時の体験です。
叔父は自宅の一部で開業医をしており、私の従兄弟にあたるそこの長男も医者を目指して東京の医大に通っていました。夏休みということもあり、彼も実家に戻っており、年の離れた私と遊んでくれたのです。
その家のトイレの前には洗面器に入った消毒液が置いてあることに気がついた私が、「何のためにあるのか」と彼に尋ねると、「これはトイレに入る前にも洗うためだ」と言うのです。
私が「手はトイレの後に洗うんじゃないの?」と言うと、彼は笑って「他人に自分の病気を移したくない場合はトイレを使った後に洗うべきだけど、他人の病気を移されたくないなら、トイレを使う前に洗うべきなんだ。うちは病院で病気の人がたくさん来るから、トイレを使う前に手を洗うことが大切なんだ。」
一般人が騙されることで公衆衛生は守られる。
私が不思議そうな顔をしていると、「学校では、トイレを使った後に手を洗いましょうと教わったんだろ。それはね、その方が社会全体にとって良いことだからなんだよ。それが自分を守ることになると勘違いしている人が多いけど、それで良いんだ。自分のためだと勘違いしてくれていた方が、ちゃんと行動してくれるからね。」
自分を守るためのマスクが、実は社会を守っているのです。
話を新型コロナに戻すと、一番の感染源になるのは、新型コロナに感染しながら特に症状もなく、自分が感染していることを知らずに数多くの人と接触してしまう「スーパースプレッダー」と呼ばれる人たちです。
平均すると1人の感染者は2~3人にしか感染を広げませんが、スーパースプレッダーは10人とか20人とかに感染を広げてしまうのです。
しかし、日本では多くの人たちが「自分を守るため」にマスクをしています。健康な人がマスクをしても効果がほとんどないにも関わらずです。
でもそれは決して無駄な行動では無いのです。「自分を守るために」マスクをしている人の中にはスーパースプレッダーが少なからず含まれているからです。
新型コロナに感染しながら自分でそれに気づいていないスーパースプレッダーが勘違いしてマスクをしてくれた結果、ウイルスをばら撒かないでいてくれるのです。