診察室からコンニチハ(58)

私の外来には認知症ばかりでなく、うつ病などの精神疾患も少しずつ増えています。門外漢の私が、そんな所にまで手を広げて良いのかと疑問を抱くことが多々あります。しかし、私の基本姿勢は抗精神病薬を巧妙に調整する事ではなく、内科医として薬の副作用に大きな関心を示しています。副作用により内科的なトラブルを経験する事が多いからです。その為に抗精神病薬を少しでも減量する為にとカウンセリングにも幾らか力を注いでいます。それ以外にも精神科医では見落としてしまう様な事を、内科医の立場から検討しています。例えば、うつ病の患者さんに関しての臨床所見として内科医の立場から診ると、著明なレイノー現象(冷気に触れたときや精神的に緊張したときに、手足の指先の小動脈が収縮して、血流が一時的に悪化する状態)があります。夏場でも上肢のみならず下肢までが冷たいのです。
ある50代の男性ですが、右足趾1番目に疼痛のを抱えておられました。私は両足の靴下を脱いで頂き、両足の足背動脈の血管緊張と深部知覚の障害程度を診させてもらいました。両足とも氷の様に冷たく感じましたが、足背動脈の血管緊張は良好でした。深部知覚は右足趾でやや障害されていました。私は血流を改善する目的で抗血小板薬を少量出して、湯船でゆっくり両下肢を温める様に助言しました。
2週間後に再受診して来た彼は、右足趾の疼痛が軽減した事を嬉しそうに報告して来ました。それ以後は、抗血小板薬を軽減して、寝る時も毛糸の暖かい靴下を履く事と、両足のこまめな清拭により水虫の合併を防ぐ事を指示しました。
次回に続く
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