診察室からコンニチハ(70)

日本の医師の平均労働時間は、週で約70.6時間。
アメリカの医師は、平均約50~55時間。EUでは、平均約45~50時間だそうです。世界の労働基準法によると週60時間が健康管理上の危機ラインなのに…。
日本の医者の労働時間はやはり圧倒的に長いのです。しかし、実際にはもっと長い可能性が高いのです。
その原因は、「当直」です。
この当直時間帯の勤務時間の換算が正確にはなされていないのです。
米欧では、当直明けの勤務は厳禁です。しかし、日本では当直明けにも手術室に入ったりしています。この為に睡眠不足から医療事故につながる危険性さえ出て来るのです。昨今では厚労省もこの事態を認識し始め、大学病院を中心に改善命令が出ています。それでも医師不足を理由に、この悪習は完全には改まっていません。何と言っても米欧に比べ医師の数が圧倒的に少ないのですから、ただ改善命令だけを出せば医師の過酷な労働条件が緩和されるはずもないでしょう。ともかく、医師も看護師も米欧並みの人員確保を目指せば医療費の増大を招くと厚労省は恐れているのでしょうか?
看護師に関してのデータでは、米欧諸国と比べ、実働時間、年収などで大きな変化はありませんでした。ただベッド100床あたりの配置基準が違い過ぎるので(前69話を参照)、医師ほどではないにしても過酷な労働条件にある事は間違いないでしょう。
この様な条件下で、我々医療従事者は低コスト、高品質な医療を求められているのです。それでいて、日本ほど医療不信に満ちている国もないと言われています。宗教観の違いなのでしょうか、それとも死生観の違いでしょうか。あるいはマスメディアの主観的な報道事情があるかもしれません。
次回に続く
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