診察室からコンニチハ(72)

今回は、国内の人口動態と医療問題の考察をしてみます。
平成27年国勢調査は、日本の人口が1億2,709万人となり、5年前の平成22年国勢調査に対して、96万3千人の減少となりました。
日本の人口が減少したのは、国勢調査が始まって以来初めてのことなのでニュースなどでも取り上げられました。では、この人口減少を都道府県別に見ると、どんな結果となっているのでしょうか?
国勢調査の結果をもとに見てみましょう。
「47都道府県のうち、人口が増加しているのは8都県、39の道府県では人口が減少しています」
人口が増加しているのは「福岡県」「沖縄県」「埼玉県」「千葉県」「東京都」「神奈川県」「愛知県」「滋賀県」でした。
また、前回の調査では人口が増加していた「大阪府」は、減少に転じました。
人口減少率が高い県のベスト5は、「秋田県」「福島県」「青森県」「高知県」「和歌山県」です。
逆に、人口増加率が高い県のベスト5は、「沖縄県」「東京都」「埼玉県」「愛知県」「神奈川県」でした。
また人口が多い県のベスト5は、「東京都」「神奈川県」「大阪府」「愛知県」「埼玉県」でした。
逆に、人口が少ない県ベスト5は、「鳥取県」「島根県」「高知県」「徳島県」「福井県」です。
東京都の人口は「1,351万5千人」で、全国の人口の10.6%が集まっています。
一番少ない鳥取県の人口は「57万3千人」でした。
国際的な高齢者の基準である、65歳以上の人口の割合を見てみましょう。
65歳以上の人口が多い県のベスト5は、「秋田県」「高知県」「島根県」「山口県」「徳島県」でした。
一番多い「秋田県」では、65歳以上の人が人口の33.8%を占めています。
全国の65歳以上の人口比率は26.6%ですから、それに比べて、かなり高いことがわかります。
逆に、65歳以上の人口が少ない県のベスト5は、「沖縄県」「東京都」「愛知県」「神奈川県」「滋賀県」でした。
65歳以上の人口が一番少ない「沖縄県」では、65歳以上の人口比率は19.6%でした。
なお、今回の国勢調査では、すべての都道府県で、「65歳以上の人口」が「15歳未満」の人口を上回っており、少子高齢化が進んでいることがわかります。
ある地域の人口が増える理由は2つあります。
1つは、「自然増」で、生まれた人の数から死亡した人の数を引いた分だけ、人口が増えます。
もう1つは、「社会増」で、人口の流入数から流出数を引いた分だけ、人口が増えます。つまり、他の地域から人口が移動して増えるわけです。
今回の国勢調査では、人口が増加している8都府県の中でも、「福岡県」と「沖縄県」は、前回の調査に比べて人口の増加率が高くなりました。特に沖縄県の人口増加率は2.9%と高く、自然増だけでは説明できません。つまり、他の県から移住による社会増が増えていると推測できます。
沖縄県は、他県民から見ても、移住するだけの魅力がある県と言えるでしょう。
国全体の人口が減少するなかで、各都道府県では社会増をめざす活動が活発となる事が予想されます。
この結果、日本全体の医療経済のバランスはどうなるのでしょう。
一般的に言って、人口過疎地域では経済活動が鈍化して行きます。職種は狭められ、職業の選択肢も限定的になります。その結果として安定的な職業と見られている看護師などの資格を取る人が多くなります。過疎地域では病院数の割に看護師が多くなり賃金抑制が働きます。逆に医師は都心部へと流れて行きますから賃金は上がります。ですから医師と看護師の給与格差は拡がります。
それでも低賃金の看護師が多い分だけ病院や診療所の経営効率は高まります。ですから地方で金持ちと言えば医師が圧倒的に多かったのです。全国一律の医療保険制度では、人件費の安い地域では当然のごとく経営バランスは良好になります。
次回に続く
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