診察室からコンニチハ(76)

前回は各国の医療制度を見て来ました。もう一度復習してみます。
①<租税方式>
②<租税+医療保険方式>
③<社会保険方式>までを説明して来ました。今回は、
④<医療貯蓄口座方式>
について述べてみたいと思います。
代表国は、シンガポールです。
政府保健省が所管するユニバーサルヘルスケア制度があって、「自主責任」、「万人がアクセス可能」の2つの理念に基づいています。公的医療制度への加入が強制され、強制医療貯蓄・補助金・価格統制などが法で定められています。
シンガポールには従来の様な保険制度ではなく、人的資源省が所管する中央積立基金CFPと呼ばれる個人単位の積立保険制度があり、国民および永住権習得者は強制保険となります。CFPの保険料は50才以下で雇用者が給与の20%、会社側が給与の16%を支払います。合わせると36% (日本9.96%)の高さになります。このCFPには国民健康保険としての機能が含まれており、政府補助金も交付されます。この政府支出はGDPの3~4%(日本23%)と、かなり低いのが特徴です。
ただし、CFPには4%の利息が付き利用のなかったCFPには、55才以後には最低残高を残して返金される仕組みです。
シンガポールは無料医療サービスを設けない事で、他の多くの国に見られる過剰医療を予防しているのです。利用しなかった医療や福祉は、後でCFPから返金されると云うシステムが国民の同意を得ているようです。
そして最後が米国の
⑤<民間保険中心>
の医療制度です。多くの国民が自分たちの税金で何故、弱者救済の社会保険が必要なのだと考えているようです。「オバマケア」も、その様な国民感情の中で骨抜きにされてしまった経緯があります。医療とは関係のない話ですが、「銃の規制」さえ法制化出来ない国なのです。自分たちの命は自分たちで守るべきだと言うのです。貧富の格差も拡がるばかりでしょう。弱肉強食の市場原理がこの国の基本姿勢なのですから…。3億の人口を抱える国で、全く医療にかかれない人たちが7千万人以上いると云う国が文明国と言えるのでしょうか?
さて、読者の多くはどの国のシステムに一番共感されるのでしょうか。
私の個人的な見解は控えさせて頂きますので、ご容赦の程を。
次回に続く
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