診察室からコンニチハ(91)

当時40才を少し過ぎたばかりの私は、まだ若かったのでしょう。どうしても理想を追求する思いが強かったのです。ですから職員から反発を受ける発言も、しばしばしました。子育てと主婦業を懸命ににこなしているナースの多くから見れば、私の言っている事などは苦労を知らない「坊や」のタワゴトのように聞こえたのかもしれません。
また当時の私はそんな理想論を医師会に行っても、声高に語っていました。
医師の教育カリキュラムに「介護訓練」を半年間は組み入れるべきだと。
そうすれば介護の人材確保に繋がるし、医療上は常にイニシアチブを取っている医師こそ介護の辛さをもっとも知るべきだと思ったからです。
でもそんな私の話に耳を傾けてくれる医師は一人もいませんでした。
その時の私はまさにドン・キホーテでした。
参考の為に『ナイチンゲール誓詞』を載せておきます。
われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わんーーー
わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。
われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、
悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。
われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。
わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、
わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。
われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん。
以上です。
*フローレンス・ナイチンゲール*
イギリスの看護師、社会起業家、統計学者、看護教育学者。近代看護教育の母。病院建築でも非凡な才能を発揮した。クリミア戦争での負傷兵たちへの献身や統計に基づく医療衛生改革で著名。
生年月日:1820年5月12日
死没:1910年8月13日 (90歳)
次回に続く
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