診察室からコンニチハ(111)

☆1921年 - エドワード・メランビー(Edward Mellanby、イギリス)が、ビタミンDを発見し、その欠乏がくる病の原因であることを示しました。
☆1922年 - バートラム・コリップが糖尿病患者に*インスリン投与を行いました。
*インスリンは血糖値の恒常性維持に重要なホルモンです。血糖値を低下させるため、糖尿病の治療にも用いられています。逆にインスリンの分泌は血糖値の上昇に依存します。
従前は「インシュリン」という表記が医学や生物学などの専門分野でも正式なものとして採用されていましたが、2006年現在はこれらの専門分野においては「インスリン」という表記が用いられています。一般にはインスリンとインシュリンの両方の表記がともに頻用されているのが実情です。
☆1923年 - *ジフテリアの最初のワクチンが開発されました。
*ジフテリア菌の感染はヒトのみに生じる上気道の疾患で、鼻ジフテリア、咽頭ジフテリア、喉頭ジフテリアなどの病型があります。日本におけるジフテリア患者の届出数は、1945 年には約8万6 千人(うち約10%が死亡)でしたが、ワクチン接種普及と共に減少し、1991-2000 年の10年間では、21人の届け出(うち死亡が2人)でした。
☆1926年 - 百日咳の最初のワクチンが開発されました。
『百日咳ワクチンの歴史」
(1)1948年(昭和23年) *ジフテリア単体トキソイドが開始
(2)1950年(昭和25年) 百日咳ワクチン 開始
(3)1958年(昭和33年) *DPワクチン開始 
ジフテリアトキソイドの歴史は古く、1921年Glennyらにより、予防のために毒素を無毒化し1948年に予防接種法が制定されるとともに、液状ジフテリアトキソイド(D)が導入されました。以来、1958年に百日咳ジフテリア混合ワクチン(DP)、その後、液状ジフテリア破傷風混合トキソイド(DT)、沈降DTさらに1964年に百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチン(DPT)等、様々なワクチン剤型が接種対象者の目的ごとに製造され使用されています。1980年からはDPTのP(百日咳)が成分ワクチンとなり、幼児期の基礎免疫用に適した沈降精製百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチン(DTaP、aP:acelullar vaccine)として世界に先駆けた改良ワクチンが市販され、ジフテリアの予防に効果を挙げています。
その後、1994年10月1日付けで予防接種法が改正になり、旧法(1976-1994)と基本的な接種方法には大きな変更はありませんでしたが、以下の点に注意を要します。初回接種が生後3ヶ月に引き下げられ、接種時期の名称(旧法: I 期、II 期およびIII 期、改正法:I 期(初回3回および追加)、II 期(ジフテリア破傷風2種混合)が変更され、接種対象年齢幅が総じて広げられました。対象年齢はI 期初回が生後3-90ヶ月ですが、標準的な年令は、同じく生後3-12ヶ月とされています。I 期追加は、通常はI 期初回接種(3回)後12-18ヶ月、II 期はジフテリア・破傷風のDT2種混合ワクチンで11-12歳に行われます。さらに、接種方式が義務接種、集団接種から勧奨・個別接種へと移行しています。
WHO基準ではジフテリアトキソイドの力価を国内基準より2倍高く設定し、抗原量や添加剤を調製することを求めています。従って、国内のDT*aP製剤は諸外国の製剤に比べて副反応を最小限に抑えるために、また過剰免疫に注意して抗原や*アジュバント量を調整しています。
*アジュバント (Adjuvant) とは、広義には主剤に対する補助剤を意味しますが、一般的には主剤の有効成分がもつ本来の作用を補助したり増強したり改良する目的で併用される物質を言います。ラテン語の adjuvare(助ける)に由来しています。抗原性補強剤とも呼ばれ、抗原と一緒に注射され、その抗原性を増強するために用いる物質です。予防医学の分野では、ワクチンと併用することにより、その効果を増強するために使用されています。、
*a P : 成分ワクチン非細胞性百日咳。 さらに、DTaP中に含まれるゼラチンによる副反応の問題が議論されましたが、我が国で現行のDTaPワクチンからは、ゼラチンは除去されています。ワクチンには限られた免疫物質だけを含むことが望まれ、単純で安全性の高い、より有効性の優れた製剤の開発と品質保証体制が進められています。
日本ではここ数年来、海外渡航者が増加し、海外で感染し発症した事例も伝わっています。国内はもとより、感染の危険性は現在もなお続いています。
次回に続く
関連記事

コメント