診察室からコンニチハ(127)

FDAのシプラチンの抗ガン剤認可後から、1979 年には1055もの他の白金化合物が調べられましたが、シスプラチンを上回るものを見出すに至りませんでした。しかしシスプラチンは大きな腎毒性によって最大投与量が決定されるため、より腎毒性の少ない白金製剤が摸索され、1989 年にカルボプラチンが、日本 ではネダプラチンが開発されています。また、2番目の問題点として、耐性が非常にできやすい性質を有するため、交差耐性の小さな白金化合物が検討され、名古屋市立大学の喜谷喜徳教授が開発したオキザリプラチンが 2002 年にFDAから認可され、2008 年には 13 兆ドルの売り上げを示しました。2009 年には油性白金化合物を油カプセルに封入したミリプラチンが肝癌用に発売されるに至っています。
☆1973年 - ポール・ラウターバー(米)、ピーター・マンスフィールド(英)と共に*核磁気共鳴画像法の研究を発表して、MRIによる画像撮影に成功しています。
*核磁気共鳴画像法(かくじききょうめいがぞうほう、英語: magnetic resonance imaging, MRI)とは、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance, NMR)現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法で、磁気共鳴映像法とも言われています。二人は2003年のノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
☆1975年 - アメリカ合衆国で*アシロマ会議が開かれ、遺伝子組み換えのガイドラインが議論されました。
*アシロマ会議 (Asilomar conference) は遺伝子組換えに関するガイドラインが議論された会議で1975年に開催されました。アメリカ合衆国カリフォルニア州アシロマにおいて開催されたことからこう呼ばれています。28か国から140人ほどの専門家が参加しました。科学者自らが研究の自由を束縛してまでも自らの社会責任を問うたことでは科学史に残ります。
科学者の中には無限の可能性を手に入れたと驚喜する者がいる一方、この新たな技術が重大な危険性をはらんでいることを指摘する者もいました。
例えば大腸菌のように人の体内で生育する細菌が新たな病原性を獲得した場合、それらは容易に広まりうる可能性があります。またこの技術は細菌兵器などに応用される危険性も含んでいます。生物によるこのような災害をバイオハザードと言いますが、当時公害に関する規制は強化されつつあったものの、生物実験施設に対する規制はなかったのです。
次回に続く
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