診察室からコンニチハ(134)

医師である私が、現代医療を否定して徒らに精神主義に頼っているわけではありません。ただ科学万能主義に頼って、延命治療に邁進している人たちに僅かばかりの疑問を投げかけているのです。この地球上で最悪の生物はホモ・サピエンスだとはかなり以前から言われています。
「万物の霊長」
と、豪語して多くの動物を実験材料にして多くの薬物を開発して来たのです。誰がそれを許したのです。自分たちホモ・サピエンスだけが生き残れば良い。他の如何なる生物を犠牲にしても、ただ自分たちの延命治療を目指しているのです。そして多くの抗生剤、抗ガン剤、避妊薬、アレルギー薬は河川を通じて、世界中の海に垂れ流されているのです。その結果、環境汚染は極端に押し進められ、人類の滅亡の近さを予告しているように思えます。。そこに経済や政治的バランスが妙に絡まってホモ・サピエンスの最終日が迎えつつあるのかもしれません。ゲノム編集、遺伝子操作を通じて人類の平均寿命はもう少し伸びるのかもしれません。しかし、膨大な薬剤の副作用と環境汚染によりホモ・サピエンスが終末の次期を迎える時期が必然的に来るのでしょう。
医学的な進歩で我々の平均寿命は、20世紀後半から飛躍的に伸びて来ました。1945年頃の日本人の平均寿命は50歳前後にしか過ぎなかったのです。それが今や、男女共に80歳を超えているのです。
この圧倒的な伸び率を見て、一部の学者の中には平均寿命は120歳まで行くかもしれないと主張する人たちさえいます。しかし私は、そんな楽観主義的な意見に同調する気にはなれません。これまで汚泥の様に蓄積されて来た環境破壊が、癌発生率の増加と更なる奇病や新たな免疫疾患の出現で、我々の寿命は後退傾向に突入する危険性さえあると、個人的には悲観しています。人類(ホモ・サピエンス)の限りない欲望、かつて秦の始皇帝が不老不死の秘薬を国の内外に探し求めたにもかかわらず、多くの人民の血を流して…それは果たせぬ夢でした。地球上の多くの生物を絶滅状況に追い込んだホモ・サピエンスに、それでも限りない欲望を満たす明日はあるのでしようか?
ただ、そんな素朴な疑問を抱くだけです。
次回に続く
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