診察室からコンニチハ(140)

カプセル内視鏡の現状について、もう少し説明させて下さい。
先ずはカプセル内視鏡で、消化管のすべてを観察できるかと云う問題です。
結論から言いますと一つのカプセル内視鏡で消化管すべてを観察することはできません。現在日本では小腸用のカプセル内視鏡と、大腸用のカプセル内視鏡が保険適用となっており、小腸、大腸疾患に対する有用性が報告されています。一方、他臓器においては食道用のカプセル内視鏡、胃用のカプセル内視鏡が開発されていますが、有用性などの検討が行われているところであり、国内での使用はできません。小腸用のカプセル内視鏡は、カプセルの片側にカメラがあり、一秒間に2~6枚の写真撮影が可能です。
2014年に日本においても大腸用カプセル内視鏡は保険適用となり、その適用は、「大腸内視鏡が施行困難、もしくは、施行困難が想定される患者」となっています。大腸用カプセル内視鏡を使用したカプセル内視鏡検査は、当然、食道、胃、小腸を撮影しながらカプセルが大腸まで到達しますので、食道、胃、小腸の検査も出来るのではないかと思われるかもしれません。しかしながら、胃の中は他の臓器と比べると、とても広く、カプセル内視鏡ではすべてを観察することができません。また大腸用カプセル内視鏡は電池を長持ちさせるために、カプセル内視鏡が胃内にある場合には、撮影枚数を極端に減らす機能がついています。したがって、カプセル内視鏡一個ですべての消化管は観察することが出来ないのです。大腸カプセル内視鏡を行って異常がなくても、上部消化管内視鏡検査は行わなくてもよいわけではありません。症状や病状にあわせて主治医の先生とよく相談するようにしましょう。
これらを整理してみますと、従来から使用されていた上部消化管内視鏡や下部内視鏡では、中間に当たる小腸の病変が盲点でした。小腸の癌は殆ど無いと言われていた時代さえあったのです。現在でも食道・胃および大腸に比べると小腸の癌はかなり少ないのですが、それでも小腸癌も存在するのです。このカプセル内視鏡の最大の利点は小腸の病変を以前より的確に把握できるところにあります。
また開発初期のカプセル内視鏡は、従来の内視鏡に比べ解像度が落ちていましたが昨今ではかなりのレベルに達しています。
次回に続く
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