診察室からコンニチハ(146)

肺がん向けの「免疫チェックポイント阻害剤」はオプジーボに続き、「キイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)」や「テセントリク(同アテゾリズマブ)」が国の承認を受けています。岡山大学病院はに放射線治療や別の薬物療法を組み合わせるなど、さまざまな併用療法の臨床研究を進めています。
「免疫チェックポイント阻害剤」だけでなく、がん細胞の増殖に関わる分子を狙い撃ちする「分子標的薬」が奏功する場合もあり、進行がん治療の選択肢は確実に広がっています。それは多くの患者に生きる希望を与えることにつながります。かつて「進行がんの患者さんは治せない。肺がん研究をやめよう」と思ったこともあると述懐する木浦教授の表情も明るくなっています。
昨年9月に誕生した岡山県内初の肺がん患者会「ライオンハート岡山」も希望の灯(ともしび)の一つです。長期生存する患者が現れたからこそ、木浦教授も会の設立を後押し出来たのです。
肺がんの治癒…ずっと胸に抱いてきた目標が、ようやく手の届くところに見えて来たようです。
岡山大学病院にある「新医療研究開発センター」は、「免疫チェックポイント阻害剤」をはじめとする革新的な医薬品や医療機器の開発に必要な臨床研究、治験を行う「臨床研究中核病院」の機能を担い、基礎医学から臨床医学につなげる「橋渡し研究拠点」の中心施設として、研究を支えています。国から両方の拠点に指定されている中国四国地方唯一の研究機関です。
同センターは2010年に開設され、現在は昨年稼働した総合診療棟・西棟の6階に隣接して全国的にも珍しい治験専用の個室病床6床が整備されています。
新薬や新しい機器が一般診療で使えることを確認するために行う治験は3段階あり、まず健康な人を対象に安全性を調べ、対象疾患の患者に処方して有効性や用法・用量、副作用を確認します。同センターは3段階全てに対応できます。センターには臨床研究コーディネーター、治験病床には専任の看護師20人を配置し、「万一、副作用などが起きた際はすぐ対処する」(同看護師長)といいます。
治験病床では、今年4月末までの約1年間に24件の治験が行われ、延べ107人の患者を受け入れました。大半はがんに関するもので、病床の稼働率が8割を超える月もありました。
センターと同じフロアに、細胞製剤やウイルス製剤の試験薬を作製し、管理する「探索的医薬品開発室」、尿や血液といった生体試料を収集・保管する「バイオバンク」もあって、「機能をワンフロアに集約することで、新薬の開発から実用化まで効率的かつ安全に進める」(治験推進部副部長)のが狙いです。
新治療の研究について、臨床研究部長の教授は「保険承認済み、もしくは厚生労働省に治験実施が認められた「免疫チェックポイント阻害剤」を患者さんに提供している」と説明しています。それ以外の科学的な根拠に乏しい《免疫療法》は扱わないとも説明していました。
次回に続く
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