診察室からコンニチハ(151)

この圧倒的な科学の進歩を目の当たりにすると、やはり私たちホモ・サピエンスの未来は永劫に輝いているのかと錯覚してしまいます。
しかし、世の中の現象面には常に裏と表があるものです。
この飛躍的な科学の進歩が表の部分だとすると、そこから生じる環境破壊等の問題は副反応の部分でしょう。しかし現実の世界では輝かしい表舞台に多くの人たちが目を奪われ、陰の部分に十分な視点を向けようとはしていません。その様な陰の部分に注意を払っているのは極めて限られた少数派でしかないのです。あるガン細胞が身体を静かに蝕んでいるのに、自覚症状が感じられないまま暴飲暴食に明け暮れているのと同じかもしれなません。
先ずホモ・サピエンスが原因で、この地球上から消し去った絶滅種について記述してみましょう。
2006年、国際自然保護連合(IUCN)の地球上の生物の状況に関する評価によりますと(植物は除く)、絶滅の恐れのある種は7729種で、そのうち地球上のほ乳類5416種の23%が絶滅の危機に直面していることが明らかになりました。さらに、両生類では31%、魚類では4%、は虫類では4%が絶滅の危機にさらされています。
一方、日本においては20世紀以降に絶滅、もしくはその可能性が高いと思われる動物は鳥類が11種と最も多く、ほ乳類4種、魚類3種の合計18種となっています。その代表的な動物としては、
北海道のエゾオオカミ 、本土でのニホンオオカミ、対馬 のキタタキ 日本海のニホンアシカ 、京都・兵庫の河川本土 ニホンカワウソ、
また本土コウノトリの国内繁殖野生個体群が絶滅した話は、未だ私たちの記憶もに残っているでしょう。
さらに2003年-佐渡トキ日本産野生種の絶滅のニュースも新しいところです。
話を環境破壊の定義に戻します。
一般に環境破壊と呼ばれるものは次のように分類されます。
環境破壊の例としては,❶森林破壊や❷酸性雨❸大気汚染,❹地球温暖化,❺土壌汚染,❻海洋汚染,❼水質汚濁などがあげられています。
❶森林破壊 : 開発などによって森林が失われていく現象。森林破壊は乾燥地域では水不足と林地の砂漠化を引き起こし,降水量の多い地域では山崩れや洪水を頻発させます。また先進国の工業活動による酸性雨も原因の一部とされています。発展途上国での森林破壊が年々急速に増大しています。ことに熱帯林地域での森林の減少は著しく,国連食糧農業機関 FAOの『生産年鑑』によれば,熱帯地域の天然林は 1981~85年の間に毎年 1100万 ha減少したと推計されています。その原因は森林の乱伐と焼畑移動耕作にあります。先進国の木材需要をまかなうため森林が乱伐され,また人口増による農地不足から山を焼き払って焼畑耕作を始めるが,収穫が減少すると耕地を2,3年で放棄し,別の森林に移動していき,さらに森林が失われていきます。また砂漠に隣接した乾燥地域などでは家畜の過放牧と薪炭材採取による森林の焼失と砂漠化が深刻化しています。日本では山岳地帯にスカイラインやスーパー林道を建設することによる森林破壊も問題になっています。
❷酸性雨 : 酸性雨による影響はさまざまで、土や湖沼を酸性にすることにより、森を衰退させたり、川や湖沼に住む生物に被害を与えるといった自然への影響のほか、コンクリートの成分のカルシウムを溶かして道路を傷めたり、大理石の彫刻などをとかすなど、建造物や文化遺産への被害ももたらしています。
また湖や沼に酸性雨が降ることで、そこに生息する生物が減少、または死滅する。「死の湖」とも呼ばれ、生物 が生息できない湖も多くなります。
さらに森林に酸性雨が降ることで、森林が枯れ土壌も汚染され、砂漠化する。そこに生息する生物もまた減少し死滅する。「黒い森」とも呼ばれ、立ち枯れの状態も見られます。
そして土壌に酸性雨が降ることで酸性化し、栄養分が酸と反応して流出してしまい、栄養不足の土壌になり作物の成長が止まったり、収穫物が減少して被害がでます。
地下水に酸性雨が流れ込むことにより、普段私たちが飲んでいる水が汚染されます。さらに、その汚染された水を飲むことによって、さまざまな病気が引き起こされます。
海に酸性雨が降ることによって、大量の有害プランクトンが発生します。また、海の生物も減少、死滅し、私たちが食べている魚なども汚染され、食べることによってさまざまな病気が引き起こされます。
海や川・湖沼などに酸性雨が降ることで、水生生物は生息できない状態となり、産卵もできなくなります。他には、異常な遺伝子ができることで、雌雄同体などの異常生物が増加します。
次回に続く
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