診察室からコンニチハ(180)

アメリカの医療体制は金持ち優位のシステムで、日本のような国民保険制度とは違っていますので参考にはなりません。それで、ヨーロッパの医療保険制度と比較してみます。
ヨーロッパ各国でも、それぞれに特徴はありますが、概ね75歳以上の高齢者には介護には力を入れても、医療に対しては淡白です。75歳以上での「ガン」治療はヨーロッパの多くの国で行っていません。そのような高齢者に、過度の医療行為をすること自体が、その宗教観から言っても怪訝(けげん)にうつるようです。
「生命の尊厳ではなく、人間性の尊厳」を重視しているのかもしれません。
ヨーロッパ社会でも時代により、保険サービスはそれなりの変遷を経ています。かつて英国では、70歳の高齢者には人工透析さえ保険適用でなかった時代もあったのです。またドイツでは、保険制度も一律ではなく、エコノミー、ファーストクラスとの区分があったりしたのです。またオランダを始め、幾つかの国では医師による「安楽死」を合法的に認めている国さえあるのです。さらに障害者による「性的介護サービス」さえ実施されている国もあるのです。
医療保険、介護サービスも国によって実に多くの考え方があるのです。
その意味では日本の医療、介護サービスは、どれも一律です。
疾病にしても、精神障害にしても人さまざまな形態のサービスがあるべきなのでしょう。「性的介護サービス」や医師による「安楽死」の補助などは、我が国の社会常識では考えつかないのかもしれません。
各種「ガン」治療の5年生存率だけで、医療満足度を単純には比較できないのでしょう。やはり、その根源となるものは「生命の尊厳」か、「人間性の尊厳」のどちらかを重んじるかにかかっているのでしょうか。
次回に続く
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