診察室からコンニチハ(186)

ジェネリック医薬品への疑問(Ⅵ)
それでは、どの様にすればジェネリック医薬品の安全性と薬価の値下げが可能になるのでしょうか?
基本的に医薬品とか食の安全性を考える時、私は経済の自由競争は適切でないと思います。やはり何かしらの規制が必要だと思うのです。交通規則のような「飲酒厳禁」のルール作りがなければ、安全性の確保は困難だと思います。自由な市場原理というのは、弱肉強食の論理です。それは寡占化に繋がっていく危険性が大きいのです。大きな資本が小さな企業を食いつぶしていく過程でもあります。
実例をあげましょう。国内の製薬企業数の推移をみてみます。
1975年の製薬企業数は1359社で、ピークは1995年の1512社でした。
2005年は972社(内ジェネリックは72社)、2014年は310社(ジェネリック34社)と激減しています。
厚労省の医薬品の徹底的な値下げ指導で、多くの製薬企業が淘汰されてしまったのです。
過剰な製薬企業の乱立で、薬価が適正基準を超えた値段で医療機関や製薬企業が潤っていた時代は過去の話となっています。
かつては乱診乱療と言われた時代もありました。ともかく多くの検査をして、薬を沢山出してより多くのを利益を求めていた時代があったのです。
1961(昭和36)年の国民皆保険実施当時は、我が国で100歳以上の高齢者は100人足らずでした。平均寿命も68~70歳ぐらいだったのです。労働年齢人口比も高く、日本経済も右肩上がりで、国民所得の上昇率もうなぎ上りでした。それが2019年現在では、100歳以上の高齢者は7万人で、実に700倍にもなっているのです。平均寿命は男女平均で85歳となっています。労働年齢人口は減少し、日本経済は長期的な停滞時期から抜け出せずにいます。その結果、社会保障費は上がる一方です。
1970年のGDP(国内総生産)対社会保障費は4.8%でした。1980年で9.5%、1990年は11.6%、2000年17%、2010年21.4%、2019年(推定)で22.9%と年間の国民総税収額を大幅に超えているのです。
それらを補う不足額は、国民一人当たりの医療費負担額や介護費負担額の増大、さらに年金支給額の減少などで何とか凌(しの)いでいるのです。
そんなやり繰りの結果として、ジェネリック医薬品の推奨も医療費抑制政策の大きな目玉になっているのです。
次回に続く
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