診察室からコンニチハ(187)

ジェネリック医薬品への疑問(Ⅶ)
ですから、ジェネリック医薬品の根本問題は医療費の効率化を含めた社会保障費全体をどうするか、それに伴う少子高齢化にどう対応していくかを徹底的に議論する必要があるのです。極論すれば、高負担・高福祉を取るのか、低負担・低福祉の二大選択肢しか残されていないといっても過言ではないのです。北欧諸国のように、貧富の格差を少しでも縮小させて国全体が中等度の豊かさを目指すのか、あるいは米国のように貧富の格差を増大させて、市場経済に敗北した者は最貧層の世界に突き落とされていくかの縮図です。
現在アメリカの人口は3億3千万人と言われていますが、最も裕福な3名(ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、ジェフ・ベゾス)の合計の資産額が、下位50%の米国人(約1億6000万人)の合計資産額を超えているのです。さらに、「米国人のおよそ5人に1人は資産額がゼロ、もしくはマイナスとなっている」とのレポートもあります。
一方で、上位3名の総資産額2019年9月中旬の時点で2485億ドル(約28兆円)となっています。
この富の極端な集中により、下位5千万人以上のアメリカ人が明日の衣食住にも困窮し、まともな医療にもかかれていないのです。これがアメリカの主張する市場経済です。
もちろんアメリカの上位何%かは、ジェネリック医薬品など使用する訳はないのです。
このアメリカ市場経済に日本も何とか追従して行こうとして、徐々に貧富の格差を拡げています。
しかし、アメリカの様に多くの移民を受け入れ先進諸国の中で人口が増大している国に比べ、少子高齢化で人口ピラミッドが歪んでしまった日本では、アメリカ型の経済発展の貧富を格差も大きく増大して行ける訳はなく、健全な社会保障費の議論も常に問題を先送りしているのです。
だれも責任を取ろうとしない政治システムとマスメディア(オピニオン・リーダーというのは幻想でしかなく)、ただ官民一体となって延命処置をこうじているだけです。
出生率の一つを見ても、ヨーロッパでは 特に、フランスやスウェーデンでは、出生率が1.5~1.6台まで低下した後、回復傾向となり、直近ではフランスが1.92(2016年)、スウェーデンが1.85(2016年)となっています。これらの国の家族政策の特徴をみると、フランスでは、かつては家族手当等の経済的支援が中心でしたが、1990年代以降、保育の充実へシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い選択ができるような環境整備、すなわち「両立支援」を強める方向で政策が進められました。スウェーデンでは、比較的早い時期から、経済的支援と併せ、保育や育児休業制度といった「両立支援」の施策が進められています。ドイツでは、依然として経済的支援が中心となっていますが、近年、「両立支援」へと転換を図り、育児休業制度や保育の充実等を相次いで打ち出しています。
一方わが国の出生率は低下するばかりで、1.3前後(2020年推定)が目前に迫っています。
次回に続く
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