診察室からコンニチハ(196)

臨時号『マスクと感染予防』 
中国発の新型コロナウイルスによる肺炎が流行し始め、日本国内でも大多数の人たちがマスクを着用し出しています。実際のところ、マスクでどの程度の感染予防が期待出来るのでしょうか?
一般的には、風邪やインフルエンザに罹らないためにマスクをつけてもその効果は限定的とされています。なぜなら、顔とマスクとの間に隙間がありウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできないからです。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し粒子径は5μm以上とやや大きくなるためすぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。更に、環境や衣類に付着したウイルスが手によって呼吸器に運ばれ感染する場合もありマスクだけで風邪やインフルエンザのウイルスを確実に遮断することはできません。ただし、風邪やインフルエンザ患者の近くで看病するなど咳やくしゃみのしぶきを直接あびる可能性がある場合には予防効果があると考えられます。感染予防からのみ考えるならば、その効果の期待は乏しいのですが、身体の抵抗力増強面から考慮するなら、私は一定の効果力を期待しても良いのではないかと考えています。先ずはマスクの着用により口腔内の保湿が多少なりとも維持されます。それら保湿維持により、口腔内粘膜の感染予防(自己の免疫力増強)が高まっていく期待感は大きいのではないでしょうか。家族内に結核患者が同居していたとしても、同一家族の全てが結核に感染する訳ではないのです。各個人により感染予防力の強い人もいるのです。それらを総合的に判断していきますと、あまりに大きな期待は望めませんが、マスク着用の意義は否定出来ないと思います。しかし、最大の予防はその様な感染性の疑いが強い地域や人ごみへの接近は出来る限り出かけるべきではないでしょう。もちろん、「うがい」や「手洗い」などは帰宅時には必ず励行すべきです。
いずれにしても、この新型ウィルスがこれ以上は拡散しない事を願うばかりです。
次回に続く

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