診察室からコンニチハ(203)

【医療費の無駄遣い】考察Ⅰ
『1』ハシゴ受診
別名、ドクターショッピングとも言われています。
病院を転々と変え、行く先々で同じような検査を受け、更に似たような薬を何種類かもらい、それでも納得が行かずまた別の病院を探し回る人たちを「ハシゴ受診者」と、言うのです。医療費の最たる無駄遣いです。それでは、このような「ハシゴ受診者」は患者サイドにのみ問題があるのでしょうか?
もちろん神経過敏症状が強く、常に不安症状を強く抱いている方も多いのでしょう。それでも医師サイドにも反省すべき点もあるのではないでしょうか。先ず考える事は、患者さんとの信頼関係が樹立出来ているのか、あるいはその様な努力をしているのかに疑問を抱かせる医師も時に見かけるからです。特に大病院で画像診断を最優先する傾向の強い医師の中には、まるで患者さんそのものを診ようとはせず、画像画面ばかりを見ている医師さえいます。病名も画像画面の説明しか出来ないと聞かされた事もあります。あるいは難解は医学用語で一方的に喋りまくっている医師さえいたりします。この様な場合は別のドクターの診察を求めるのも当然かもしれません。
そして、この様に過度な画像診断偏向医が増えているのも事実です。
『2』人間ドックの偏重
果たして…人間ドックで、どの程度の「ガン」などの早期発見が可能なのでしょうか?
・肺ガンの早期発見の為の胸部レントゲン撮影は、ほとんど無効である事がアメリカの学会では数多くの報告がなされています。肺ガンの早期発見には胸部CT撮影が必須です。
病院などの医療関係者は毎年、
胸部レントゲン撮影が義務づけられていますが、これは肺結核の早期発見が目的です。
・また胃ガンの早期発見目的で、まだバリウムを使った胃透視を人間ドックに取り入れている所がありますし、県や市の定期検診でも胃透視を組み入れているところが認められますが、これなど時代遅れも甚だしい検査と言わねばならないでしょう。
なぜ、こんな時代遅れの検査が未だまかり通っているかと申せば、一つは経済的理由です。胃透視検査点数が、胃内視鏡に比べて割安なのです。それと患者さんの方で、内視鏡に苦手意識を持つ人がいるのです。
かつての時代に比べれば胃内視鏡の検査は格段に容易になったのですが、それでも拒否する人はまだかなりいます。胃ガンの早期発見率は胃内視鏡では3倍以上も成績が良いというのにです。さらにもっと大きな問題点としては、放射線被曝量の問題があります。胃内視鏡では放射線被曝量は皆無ですが、バリウム服用の胃透視では胸部レントゲン撮影で浴びる放射線被曝量の50から100倍の被曝量が検出されています。何でこんなにも問題のある危険な検査が今でも実施されているのか不思議でなりません。
次回に続く

【お知らせ】
診察室からコンニチハ(206)からは、インフルエンザ特集となります。
インフルエンザの基礎知識から、歴史的な考察、ワクチンの意味、さらに何故インフルエンザは毎年流行するのか(206)~10話ぐらいにかけて、じっくり説明して行きたいと思っていますので、しばらくお待ち下さい。
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