診察室からコンニチハ(206)

今回はまた中国から流行し始めた新型インフルエンザについてのホットニュースと、これらインフルエンザの歴史、さらに疾病による被害状況について幾度かに分けて説明していきたいと思っています。
『1』まず「インフルエンザ」の語源は16世紀のイタリアで名付けられたと言われています。当時は感染症が伝染性の病原体によって起きるという概念が確立しておらず、何らかの原因で汚れた空気『瘴気(しょうき)は古代から19世紀まで、ある種の病気で、現在は感染症に分類されるもの』により引き起こすと考えられていました。冬季になると毎年のように流行が発生し春を迎える頃になると終息することから当時の占星術師らは天体の運行や寒気などの影響によって発生するものと考え、この流行性感冒の病名を「影響」を意味するイタリア語influenzaと名付けられました。この語が18世紀にイギリスで流行した際に日常的語彙に持ち込まれ、世界的に使用されるようになったと言われています。なお、日本語となっている「インフルエンザ」はイタリア語での読みと違い、イタリア語での読みは「インフルエンツァ」です。
日本では平安時代に近畿地方でインフルエンザらしき病気が流行したと記述が残っており、江戸時代には幾度か全国的に流行し、「お七かぜ」「谷風」「琉球風」「お駒風」など当時の世相を反映した名称で呼ばれていました。古くから風邪、風疫とされると考えられており、悪い風が吹いて人々を病気にするという認識があったようです。
次回に続く
【追加】
これまでのコロナウイルス騒ぎの時事的な説明を少し書いておきます。振り返ってみると、厚労省が武漢における新型コロナウイルス感染の第一報を伝えたのが1月6日でした。
昨年12月中旬にはヒト・ヒト感染が武漢市で起こっていたといわれています。中国の研究者が確認し、世界で最も影響力のある米国の医学雑誌『NEJM』に発表しています。
だとすると、1月6日の時点では、すでに武漢から感染者が日本にかなりの数、入国していた可能性があります。
第一例目の患者が国内で発見されたのが1月14日でした。これを受け、厚労省はホームページ上で「国民の皆様へのメッセージ」を掲載しています。
新型コロナウイルス関連肺炎に関するWHOや国立感染症研究所のリスク評価によりますと、現時点で本疾患は、家族間などの限定的なヒトからヒトへの感染の可能性が否定できない事例が報告されていますが、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はありません。武漢市から帰国・入国される方は、症状がある場合には速やかに医療機関を受診し、武漢市の滞在歴があることを申告してください。
家族間のヒト・ヒト感染をほぼ認めているのに、これが他人に移って広がっていくという可能性に言及せず、「持続的な感染への明らかな証拠はない」ということですましています。武漢市から帰国・入国する人も、これではフリーパスなのです。
この時点で湖北省からの入国規制を実施していれば、いくらか感染者の流入が少なくて済んだかもしれないのにです。
コロナウイルス時事通報として、これからもブログを通じて報告していきたいと思います。
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