新しいウイルスと闘う人類(7)

さて今回、中国武漢から発生した新型インフエンザ(コロナウイルス)は何故世界中に蔓延していったのでしょうか?
そして、コロナウイルスとはどんなウイルスでしょうか…厚労省のホームページから引用しますと、…
『発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染するものは6種類で、そのうちの2つは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、重症化傾向のある疾患の原因ウイルスが含まれています。残り4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)の占めます』と、書かれています。
本来的に、コロナウイルスはごくありふれたウイルスです。風邪の原因ウイルスは数種類ありますが、私たちが日常的にかかる風邪の 10 ~ 15 %は、コロナウイルスによって引き起こされています。
コロナウイルスが最初に発見されたのは 60 年ほど前のことです。風邪の患者の鼻から見つかりました。ただコロナウイルスの歴史は非常に長く、遺伝子の変異から先祖を探ると、共通祖先は紀元前 8000 年ごろに出現していたようです。以来、姿を変えてコウモリや鳥などさまざまな動物の体に潜りこんで、子孫を残してきました。
…風邪を引き起こすほど身近なのに、命を奪うほど凶暴なものもいるとは……。
コロナウイルスの仲間による感染症は、ヒトに感染してカゼの症状を引き起こす 4 種類と、新型コロナウイルスのように動物を経由して重症肺炎の原因になる 2 種類の計 6 種が知られています。
感染者を死に至らしめる可能性のあるコロナウイルスはこれまでに 3 回出現し、パンデミック(世界的流行)引き起こしています。最初は 2003 年のSARS(重症急性呼吸器症候群)、次が 2012 年MERS(中東呼吸器症候群)、そして今回です。ウイルスが世代交代を繰り返しているうちに、突然変異が蓄積して重篤な症状を起こすように変異したのでしょう。
人間社会の変化のすきをついて侵入してくる病原体は、それぞれ異なった場所や時期に根を下ろし、その後は人間同士の接触を通じて新たな地域に広がっていく。もしかしたら、第二、第三のSARSや西ナイル熱がすでに忍び寄って、人に侵入しようと変異を繰り返しているかもしれません。
ウイルスの唯一の目的は「子孫を残すこと」につきます。地上最強の地位に上り詰めた人類にとって、唯一の天敵が病原性の微生物です。約 20 万年前にアフリカで誕生した私たちの祖先は、数多くの病原体と戦いながら地球のすみずみに広がっていきましたが、とくにウイルスは強敵でした。知られないままに、多くの地域集団が全滅させられたことでしょう。人類の歴史:注)は 20 万年ですが、微生物は 40 億年を生き抜いてきた強者です。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
新型コロナウイルスの感染拡大が長引いた場合、最悪の経済シナリオはどんなことが想定されるのでしょうか?
ニューヨークダウ(NYダウ)も日経平均も暴落しつつ現在《NYダウは2月14日の29,543→3月13日の20,388ドルで9055ドル(下げ幅30.9%)》、《日経平均同上で10月2日の24,480円→16,790円(下げ幅31.4%)の惨状を呈しています。いよいよ新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が経済にも大きな波及をしてきたようです。加えて、韓国やイタリアでも爆発的感染拡大が起きており、中国・武漢から始まった今回の新型コロナウイルス感染拡大の恐怖を、世界中が認識し始めたと言っていいでしょう。
一方で、日本の危機管理はその甘さが際立っています。日本への渡航自粛を求める国も現れ、7月に行われる東京五輪の代替地としてロンドンが名乗りを上げるなど、今や日本の経済を根底から覆しかねないリスクも顕在化してきています。
そんな中でささやかれ始めてきたのが、新型コロナウイルスによる経済への影響の深刻さです。リーマンショック級とも、東日本大震災級とも言われる景気後退リスクに対して、日本政府は対応できるのでしょうか。そしてまた、われわれ国民もどんな準備をしていけばいいのか。現実には起こってほしくないのですが、新型コロナウイルス禍によって起こりうる最悪シナリオは幾つかあります。
【シナリオ①】
首都圏マンションはバブル超え? 東京五輪中止で“五輪バブル”の崩壊が...?
2020年は、さまざまな意味で日本経済にとっては重要な1年となるでしょう。そのハイライトとも言えるのが7月から開催される東京オリンピックです。その東京五輪の開催が、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって中止に追い込まれる可能性が出てきています。
感染爆発の度合いにもよりますが、すでにアメリカでは日本に対して渡航注意のレベルを日々、上のレベルに引き上げており、イスラエルでは日本と韓国からの渡航者を入国拒否としています。
それに対して、日本でも渡航者の入国規制を強化していますが遅きに逸した感が強いでしょう。春節の前に中国の新型コロナウイルス感染拡大が明らかになっていたにもかかわらず、外務省は何も手を打たずに莫大な数の中国人観光客の来日を認めていました。これ以前に台湾では、早くも中国からの渡航規制を強化していたにもかかわらずにです。この結果、台湾での感染者数は50人以下ですんだのです。
クルーズ船の受け入れに対しても、日本人乗客が多い、日本人乗組員も100人いるといった事情を鑑みて入港を認め、検疫という名目で14日間留め置き、その間に600人を超す感染者をクルーズ船の中で発生させてしまいました。
問題は、この状況次第で日本国内に感染爆発(313日時点で日本での感染数は675名、クルーズ船では679名)が起こるかどうかですが、日本が数千人単位の感染者を出した場合には、世界各国が日本への渡航を控えるようになり、最悪7月の東京オリンピックの開催に間に合うぎりぎりの期限とも言われる5月までに、現在の感染拡大が収まるかどうかが問われることになりそうです。
イギリス・ロンドン市は東京開催が中止になった場合、「代替地」として立候補すると表明しており、その可能性はゼロではない状況ですが、その後はヨーロッパでも感染が拡大していますので2020年のオリンピック開催は、世界のどの地域でも困難でしょう。
仮に東京五輪が中止となれば、どの程度の経済的損失が発生するのでしょうか。
東京五輪の経済効果は、東京都の発表で「32兆円」という途方もない数字が発表されていますが、この数字には交通インフラの整備やバリアフリー促進といった間接的な経済活動も入っています。いわゆる「レガシー(遺産)」効果です。
施設整備費や大会運営費、放映料と言った「直接的効果」は約5兆2000億円で、レガシー効果はその5倍の約27兆1000億円。とりあえず、直接的効果だけを考えれば、約5兆円の損失。日本のGDPが約500兆円とすれば、その100分の1を失うことになるわけです。
1990年代のバブル期を上回る「五輪バブル」が発生しているかもしれません。
実際に、帝国データバンクが昨年の11月に行った調査によると、東京五輪開催が日本の持続的な経済成長のために「有効だと思う」と回答した企業は半数に満たない46.8%にとどまっています。国内企業の半数しか東京五輪の需要を当てにしていないということです。
業界別で見た場合、プラスと答えている企業は、サービス(17.5%)、金融(16.8%)、運輸・倉庫(15.8%)、製造(15.5%)となっています。経済効果は、東京都で約20兆円、大会開催に伴う雇用誘発効果は東京都で130万人、全国で194万人と試算されています。壊滅的な経済危機に陥る、といった見方をする人もいますが、思ったほど大きくないかもしれません。
ただ問題なのは、東京五輪開催というアナウンス効果によって、過剰な投資を生み、「五輪バブル」に陥っていることです。不動産経済研究所が発表した2020年1月の首都圏マンションの1戸当たりの平均価格は8360万円。1月だけ突出した価格ではあるものの、この価格はバブル期の1990年11月(7497万円)を上回り過去最高になったのです。
2019年の首都圏マンションの平均販売価格は5980万円となり、過去7年、平均で1500万円の上昇となっています。まさに東京五輪を起爆剤とした「不動産バブル」が再燃しようとしていると言っていいでしょう。
放映権などの影響で東京五輪を10月とか11月に延期するとか、あるいは1年遅らせるといった延期の可能性は低いと思います。そう考えると、やはり4月までには現在の感染拡大が収まることを祈るしかないでしょう。
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