新しいウイルスと闘う人類(9)

病原性微生物は、人類が顕微鏡の発見によりその存在に気づいたのです。初期の光学顕微鏡は1590年にオランダで眼鏡屋をしていたヤンセン父子によって発明されていましたが、実用的な使用報告はありませんでした。
その後、光学顕微鏡による生物研究は多大な進歩をもたらし約300倍率まで発展しました。その後も進化を続け現在では1000倍率以上までの性能となっています。
この性能向上により、寄生虫や細菌などの存在がが次から次へと解明されて来たのです。
病原性微生物は、その大きさにより
原虫、真菌、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ウイルスなどに分けられます。
原虫と呼ばれ病原性をもつものは約30種、マラリアを筆頭に各種トリパノソーマ症、リーシュマニア症、アメーバ赤痢、アメーバ性髄膜炎、トリコモナス腟炎(ちつえん)、トキソプラスマ症が代表的です。この様な原虫は光学顕微鏡レベルで容易に発見出来ましたので、日本の家畜や家禽(かきん)の寄生種は約250種で、とくにトリパノソーマ、トキソプラスマ、サルマラリア、バベシア、ノセマなどは、人獣共通感染症をおこすので重要でした。水産生物、とくに養殖魚に致命的な被害を与える鞭毛虫、繊毛虫、各種の胞子虫類も有名です。
真菌とは、いわゆるカビで水虫の原因ですが、抗生剤の乱用では「肺真菌症」という致死率の高い病状を呈する事もあります。
細菌は多くの種類があり、肺炎や結核など多くの病気を引き起こします。原虫、真菌、細菌感染などは20 世紀の医学で、その多くが克服されて来ましたが、耐性菌の問題は今もって医学界の大きな課題となっています。通常の抗生剤に抵抗を示す細菌は、現代医療でも医師泣かせです。
さて問題となるウイルスですが、これは細菌の100万分の1ぐらの大きさで、光学顕微鏡では全く解明されません。1931年にドイツの技術者エルンスト・ルスカ (1906–1988) とマックス・クノール (1887–1969) による電子顕微鏡の発明によって、ウイルスの粒子、特にバクテリオファージが複雑な構造を持っていることがはじめて明らかにされました。電子顕微鏡は光学顕微鏡の1000倍以上の解析能力があり、この新しい顕微鏡により、初めてウイルスの存在が発見されたのです。
さらに結核菌やウイルスの遺伝子解析が始まったのは20世紀末から21世紀初頭からです。
次回に続く
【コロナウイルス時事情報】
そういう意味でも 今後の日本の行方は極めて不透明と言っていいのでしょう。
PCR検査も、安倍政権を擁護する評論家などが「パニックになるから検査はしない方が良い」という表現をしていましたが、それならそれで東日本大震災時と同様の危機感をいかに持てるかです。まさに危機管理の問題です。ここでの対応を誤れば、もっとすさまじいパニックになることも想像すべきでしょう。
あらゆる政治的判断に、客観的なウイルス感染のデータというものが一切利用されておらず、安倍首相がよからぬとりまきの進言だけで猛烈にエモーショナルな決定と要請を行うため、ひとつひとつの要請にも事実に基づく合理性は生まれません。
「ここ1~2週間が山場である」とされた時間を過ぎても、ピークを過ぎたのかどうかすら誰も判らないという、恐ろしい状況が延々と続いています。
【街の景気は最悪の状況に到達】
ただ経済指標としてこうした状況が数字に現れるのはまだかなり時間がかかりそうで、政権が口にする景況感と実態とがすでに大きく乖離してどうにもならないところにきてしまっていることを強く実感します。
新型コロナウイルスの検査について厚生労働省は、医療機関などへの説明会を開き、新型コロナウイルスの検査を幅広い医療機関で受けられるよう公的保険の適用対象とする方向で調整し、2月28日夜に民間の医療機関や検査会社、それに大学などの関係者を集めて説明会を開きました。
この中で加藤厚生労働大臣は「検査を十分に行える体制になっていないという指摘や不安に応えるため、体制をさらに充実させる必要がある」と述べ、協力を求めました。
そして、来週半ばにも検査を公的保険の適用対象とする手続きを終えられると説明していましたが、現状は一般病院での検査体制は皆無に近い状況が継続しています。
「2020.02.29. A.M.3:00ニュース」
しかし、その後も加藤厚生労働大臣の発言がいかに空虚であるかを物語るように、一般病院でのPCR検査の許可は下りず厚労省の関連した検査機関や大学病院のみでの検査が実施されていたに過ぎません。
韓国や諸外国のように、一般病院でのPCR検査が実施されると明らかに日本国内でのコロナウイルス感染者は激増することは間違いないでしょう。以下に厚労省のコメントを載せておきます。
『患者の診断目的で使用されるPCR検査への支援』という名目の内容ですが、現場の医療関係者には理解できない事案です。韓国から、この間に日本のPCR検査の不備と情報隠蔽を指摘されましたが、その一部にはそれなりの真実も含まれているかもしれません。現在の日韓関係を鑑みると、かなり中傷的な発言が韓国には多すぎてはいますが…。
厚労省は次のような説明をしています。
「医療現場において求められる、早期診断を目的とした検査ニーズの増大に応えるためには、全国の医療機関、民間の検査機関での検査体制の拡充が必要です。本所では、試薬の提供を中心に、最大限の努力をはらう」との話でしたが、実際のところは…ただの飾り言葉に過ぎませでした。ここまで国民を馬鹿にした厚労省という機関の存在意義はどこにあるのでしょうか。
3月6日時点で地方衛生研究所、検疫所以外の検査機関、計140箇所(民間検査会社18社、大学病院およびその他の病院89箇所、保健所等33箇所)への送付を完了したにすぎません。今後も希望に応じて配布を進める予定である」との見解でしたが…。何とも遅速な対応です。
日本全国には、一般病院が8,357、診療所が102,144箇所(平成30年現在)あるのに、厚労省が認めている検査機関は数パーセントの140箇所でしかないのです。
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