新しいウイルスと闘う人類(22)

こうして私の内部からは心身共に壊れ出していく錯覚に襲われた。その結果、自宅で倒れ近くの脳外科病院に搬送された。MRIとCTが撮られたが、異常な所見は何処にも見当たらなかった。このコロナ騒ぎの時代に救急車が何十台も入ってくる病院だった。4人部屋に入院させられた私の向かい側では、高齢者が肺炎を起こしているような咳を盛んにしていた。私の病院では、肺炎の患者さんには全て無料で個室隔離が原則となっている。もちろん、その老人はコロナのPCR検査はしていないと言う。私は恐ろしさに震え上がり、即刻自分の病院への転院を願った。若い担当医は救急対応で忙しく、その転院許可が出るまで2時間近くも待たされた。私はその病院の理事長とも面識があったが、一患者として願い出るだけだった。それでも午後6時には、何とか自分の病院スタッフに囲まれて転院した。自分の小さな城に帰って、私はどれだけ安堵した事か!
翌日の日曜日からは車イスに、つぎの月曜日からは杖歩行、入院3日目からは白衣に着替え入院患者さんの診察も行った。72歳の私は少しでも自分を甘やかしたら、一気に老化現象が進行することは誰よりも知っているつもりだ。
また今日からは、40歳代のベテラン医師もパートだが入職して来た。1年以上前から知り合いの医師のコネで口説き落としていた医師であった。やはり、思った以上に好感のもてる医師だった。医療に対する思いが私と同じ方向を向いている。常に患者さん中心の考えだった。
病院経営よりも、医師を始めとする医療スタッフ全員を大切にしなければ、彼らの生命と生活を守る事が最優先である事が、病院存続の鍵である。
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